EX2話:『星を見る犬』04
結論から言えば、乾史が空きっ腹であるという条件を除外しても、朝飯は十二分に美味かった。ジャンクフードで食いつないできた乾史にとって、まっとうなメシなど食べるのは果たして何日ぶりだっただろうか。
炊きたての湯気立つご飯に存分に海苔の佃煮をのせ、一気にかき込む。熱いご飯とやや冷たい佃煮の甘みが絶妙な調和を引き出し、脳にダイレクトに旨味成分を叩き込んでくれる。
「たしかに、うん、これはウマい、んだが、それは、それとしてだな、聞きてえことがある、と、おかわりいいか?」
「ど