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そっと背中を押してくれる言葉

元気を無くした時、自信を失った時に読む大事な手紙がある。

大学時代、マネージャーをしていた部活を途中でやめた。コロナ禍というのもあるが、マネージャー業に意義を見いだせなくなり、気を遣いまくって疲れ果てたことが辞める決断の要因だった。

マネージャーをしていた部活は高校までずっとプレーヤーをしていて、どんなスポーツより愛着のあるスポーツだった。何よりその部活しか経験したことない私にとっては生きがいのようなものだったのだが、プレーヤーではないとモチベーションの保ち方がわからなかった。練習もほのぼのと進めるタイプの部活だったので、部活の熱量も合わなかったのだと思う。

ただ、決して強くはなかったが1つ上の先輩にとてもプレーが上手な先輩がいた。Theエースという感じなのに、威張るわけでもなく、自ら引っ張っていくわけでもなく、謙虚だった。私が辞めると言った時、先輩はキャプテンだった。練習最後の日、家に帰るとカバンの中に見覚えのない手紙が入っていた。その手紙が先輩からだった。直接渡してくれないのもシャイな先輩っぽくて、宝物を見つけたような気持ちだった。

「入部したばかりの頃に、私のプレーを真っ直ぐに褒めてくれてとても嬉しかったし、その言葉に見合うプレーをしようと思った」

伝えた言葉を覚えていてくれたことも嬉しかったし、伝えた言葉を大切に受け止めてくれていたことに改めて気づき、嬉しかった。手紙の続きには予言者かと思うほど、ハッとする言葉が並んでいた。私のマネージャー業への向き合い方、部活を辞めたいと思った要因、こうなれたらいいよねという理想像、すべてその通りだと思った。

手紙を読んで先輩のことをますます尊敬するようになったが、先輩と仲良くなることも、部活に戻ることもなかった。ただ、元気が無くなった時、自信を無くした時、私はこの手紙を読み返している。先輩からの言葉だと自分の弱いとこと向き合おうという気持ちになれるし、自分のことばかり考えて落ち込まないで、先輩みたいに周りをみて周りの人に頼ったり、声をかけたりできる人でありたいと思うことができる。

先輩にはまだまだ追いつけないけど、あったかい言葉を紡ぎ、周りの人を信頼し頼り、必要な時は手をさしのべられる人でありたい。

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