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人生の価値観を変えたトルコ旅行

インドへ行くと人生観が変わる、なんて話をよく耳にする。
私にとってはトルコがそれだった。

私たち夫婦は約4年ほど前、トルコ旅行へ行った。
トルコ周遊ツアーに申し込み、確か一週間ほど滞在した記憶がある。
いや、9日の滞在だっただろうか。
正直もうほとんど何も覚えていないのだが、今だに強く印象に残っている出来事が2つあり、何かある度に思い出している。

本当に何気ない出来事だったのだが、なぜか忘れられない。

トルコ旅行の3日目だか4日目だか5日目に(マジで覚えていない)、カッパドキアの古い地区にある「洞窟の家」の見学に行った。

斜面を利用した洞窟の家は、洞窟とテラスを組み合わせた形をしていて、紀元前3000年頃から人々が住み始めたらしい。

ちなみに洞窟の家とはこんな感じ。


https://www.daiwahouse.co.jp/sustainable/eco/column/world/turkey.html

ツアーでは、なんと洞窟の家の中まで見せてもらうことができた。
部屋の中は複数枚の絨毯が折り重なるように敷き詰められており、トルコの伝統的な絨毯はこうして使われているのだなと知った。

洞窟の家を訪れた前だったか後だったかは忘れてしまったが、トルコ絨毯を織るところを実際に見学させてもらうことができた。

ガイドさんの日本語がマジで適当だったのと私の記憶があまりにも曖昧なので今から話す内容が正しいかは分からないのだが、絨毯づくりは時間がかかり賃金も安いため、作る人が減っているんだとか。
そこでトルコ政府はある対策をとる。
仕事がない田舎の女性に、絨毯の仕事を斡旋したのだ。
うろ覚えなのだが、彼女たちは伝統工芸品である絨毯を織ることで国からの補助金を貰っている。
要するに、そのお金で家族の暮らしを支えている。

政府は伝統工芸品であるトルコ絨毯を守ると同時に、田舎から都市へ仕事を求めて人々が流入することを防いだ。
田舎の失業率低下にも繋がり、都市に人があふれ犯罪率が高まることも防げる、というわけだ。

親もトルコ絨毯を織り、その家で生まれた娘もトルコ絨毯を織る。
そうして代々伝統を守り続けている家族がいることを知った。

私たちが見たトルコ絨毯を折る女性は、とても美しい女性だった。
日本にいれば一躍時の人となれただろう。
余計なお世話なのだが、もっと別の道があったのではないかと思ってしまった。

伝統を守ることも素晴らしいことなのだが、生まれた場所で人生が決まってしまうようでとても悲しい気持ちになった。
都会に出て、やりたいことを見つけたいとは思わなかったのだろうか。
好きなことややりたいことはなかったのだろうか。
夢を諦めて絨毯を織ってはいないだろうか。
本当に余計なお世話なのだが、私は見学中、そんなことばかり考えていた。

それと同時に、私は日本に生まれたことがいかに恵まれていることなのかを痛感していた。

トルコへ行く前は、日本で暮らすことに対して少なくとも不満があった。(税金高いなーとか)

しかし、どう捉えどう行動するのかという自由を有してる限り、自分はどう考えても幸せだと思う。

絨毯を織るために田舎から出るなとは言われない。
好きな場所で好きな仕事をすることを、国が反対したりはしない。
そこで生まれたからって、自分の将来の職業が勝手に決められていたりはしない。(人によるかもしれないけど)
何にも束縛されず、自分の好きな人生を生きる選択もできる。

私は、トルコへ行ったことで人生観が大きく変わった。
今は自分の価値を信じているし、今ある環境や側にいてくれる人たちに感謝をして生きている。
恵まれているのだから努力したいとも思える。

みなさんにも、そんな人生観を変えてくれた場所があるだろうか?

nekogaki

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