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「冷やしココア」の楽しみ方

最近おふたりさんから
「冷やしココア」という言葉をよく聞く。
聞いてもふたりは「ふふふ」と笑うだけ。
これはまた秘密の行きつけのお店のパターンだな、と
私は秘かに思っている。

よし。それなら調査開始だ!

「やっぱり夏は『冷やしココア』だよね~!」
「だねぇ!今日もまたマスターのとこ行こうっ!」

お。きたきた、この会話!
最近このワードが多めのおふたりさん。
けれど私はまだその「冷やしココア」なるものを飲んでいない。
なのにおふたりさんったら、もう何度もそちらを
美味しくいただいているらしい。
今日こそはふたりの後をつけて
私も一緒に冷やしココアを注文するんだから!


ふたりを追いかけてたどり着いたのは、駅近くのお店だった。
それはマックとスタバに挟まれたわずかなスペースに存在していた。

サフラン色の木の扉には【OPEN】の札と一緒に
美味しそうな飲み物の写真が貼られている。
そしてさらにその横の張り紙には、達筆でこう書かれてある。

『冷やしココア はじめました🎐』

写真の下に小さく「これはイメージ図です」の注意書きも。

わぁ!美味しそ〜。
これが最近ふたりがハマっているという「冷やしココア」かぁ…
ゴクリ。
しかもその張り紙には【『ガラスの仮面あります』】とも書いてある。
こりゃあ色々と気になるぞ。

よく見ると扉の横下に、こびとサイズの小窓が
いくつも並んでいるではないか。
屈んでその小窓を覗くと、外からでも店内を見ることができた。
誰かと楽しそうに会話をしているおふたりさんの姿も見える。
恐らくあの人がマスターなのだろう。

(あら、おふたりさんったら。もうしっかり常連の貫禄ね)

そしてふたりは注文をする。

「冷やしココアを一つ、お願いしまーす!」


先程のマスターがにっこりと「OK」の合図をする。
それを確認するやいなや、ふたりは
持参したらしい水着に着替え始める。

(えぇ?どういうこと?これから冷やしココアを飲むんでしょ?)

つつつーっ…)))

着替え終わるとマスターが華麗なる凄技で
おふたりさん目掛けて冷やしココアをスライディングしてきた。

目の前でちょうどピタリと止まる冷やしココア。
誇らしげに胸を張ってウインクを決めるマスター。
そのマスターに向かい「ナイス!」という顔で
頷きながら拍手を送るふたり。

お互いがお互いを認め合っている…
なんだろう、この世界は!
でもそんな素敵な空間が、たしかにそこに存在していた。

到着した冷やしココアを前に、ふたりは準備運動を始める。

(一体これから何が起こるの??)

するとおふたりさん、まさかの…

じゃぼんっ!

は、入ったーーーっ!!

ふたりはなんと、冷やしココアに飛び込んだのだ!


何が起こっているのかわからず、私はじっと目を凝らす。
先程の写真の通り、冷やしココアの上には
バニラアイスとミントがのっている。
(クリームは予算の都合上カットされたのだろうか?)

添えられたミントで遊ぶおふたりさん。
相棒さんはミントを「ビート板」にして
勢いよくバタバタと泳いでいる。
(ミントをビート板にできるのはおふたりさんくらいかも)
ねじりさんの方はバニラアイスにミントで何かの顔を作っている。
(あれは何の生きもの?)

知らなかった…
まさかこの夏、ふたりは冷やしココアの中で
涼しさをたっぷりと満喫していたなんて。
恐るべしおふたりさん!
恐るべし冷やしココア!

その後も私は店内から微かに聴こえるレコードの音楽を楽しみながら
小窓からおふたりさんやマスターのことを眺めていた。
(レコードの選曲ってやっぱりマスターがしてるのかな…好みが面白い)

「あぁ、みんなすごく幸せそうだなぁ…」
「誰が幸せですって?」
「おわっ!」
「失礼。あなたの独り言に無断で参加しちゃって。あなた、入らないの?」
「いえ、もう帰るのでいいです」
「あらそう。ここのお店、居心地については保証するわ。また来て」
「あ、あと…」
「え?」
「あなた、こびとの……が、見えるわ。それじゃ」

私と謎の人物との会話

そう言って、その人はお店の中に入って行ってしまった。
あの人も常連さんなのかな?
でもさっきの「こびとの……」って、一体なんだろう?
まぁいっか。

おふたりさんまだまだ遊んでるし、先に帰ってご飯でも作って待っとこう。
たぶん疲れて帰って来るだろうから、お布団も敷いとこう。
そして次回こそは必ず一緒に冷やしココアを飲みに来よう。
あぁ…それにしても冷やしココア
すっごく美味しそうだったなぁ~。

「あ。『ガラスの仮面』も読みたかったんだった…」


(おわり)

***

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回はロッタちゃん(月山六太さん)の作品である
ココア屋さんのお話と絡めて書かせていただきました。
内容は所々、本編を参考にして書いております。
(写真は許可をいただき使用させていただきました)
いやぁ~本当に楽しかったです🐨!

ちなみに最後に「私」に声を掛けてきたのは
マスターのお姉さんである「若山ジュリエット」さんです。
駅前百貨店のレストラン階にある占いコーナーで
占い師のパートをしてらっしゃるんですよ。
ぜひ一度占っていただきたいものですね!
(魔女の末裔という秘密もあり)


《勝手にココア屋メニュー》

始まりの回

マスターの姉「若山ジュリエット」登場の回

マスターこびとと初めて出会うの回

マスター秘密の練習とやっちまったの回

ココア屋マスターは物語も書けるんだぞの回


そして。

もはやロッタ沼にハマっているあなたへ
最新の情報をプレゼント!

すまスパにロッタちゃん現る!!

そういえばこーたさんのプレイリストって、どこか
カウンセリング的効果があると思っているねじりです🐨
音楽を通して、忘れていた思いや記憶が蘇ったり
新たな自分を知ったり…などなど。
音楽って本当に不思議ですね。こーたさんって本当にすごいですね。
ちなみに今回はロッタちゃんの
お守りsong(Marmaladeさん命名)も知れちゃうよ。
これはもう聴くしかないっ!
みんなでカフェペンギン&ロッタちゃんの
魔法にかけられちゃいましょ〜。

そして皆さんこの夏は「冷やしココア」をお忘れなく〜♬
もちろん北極ソーダも、ね!


ではまた。


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