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タコさんウインナーからのお願い

僕ら自慢のお揃い「くるんくるん」は
自分たちで言うのもなんだけど
すごくお洒落なんじゃないかと思っている。
しかし侮るなかれ。
お揃いとはいえ、それぞれにちゃんと個性もある。
そしてそんな僕らを見て人はこう言う。
「ダンスをしているようだ」と。

たしかに
僕らはいつもどこかで
誰かのために
踊っているのかもしれない。

最近タコさんウィンナーを昔より見かけない気がする。
残念なことに僕らの仲間は減っているらしい。
これは僕らが昔からずっと心配していたことだ。

僕らは食べられることを怖がってなんかいない。
その理由はシンプル。
僕らは食べられてもまた何度でも
「タコさんウインナー」としての命をもらえるから。

実は僕らタコさんウインナーは
生まれてから消えるまでの記憶が全て頭の中に残る。
一度消えてもまた新しく生まれれば
以前の記憶はそのままそっくり引き継がれるんだ。
だから僕らは、前の前のずっーと前のことを
今でも覚えている。

例えば昔出会ったある女の子。
その日は女の子のお弁当箱に
初めてタコさんウインナーが登場する日だった。

「タコさんウインナー記念日」

僕はすぐにそう思ったよ。
こんなおめでたい日はみんなで盛大にお祝いをする。
そんな時僕らがいつもやるのは、自分の腕の部分を
いつもよりちょっとだけ強く「くるん」とすること。
これは我々タコさんウインナー界でいう「おめかし」だ。
だからその日はさすがにこうお願いしたよ。
「今日は絶対に黒焦げ禁止っ!」ってね。

お昼になりお弁当箱のフタを開けた女の子は
まず僕らを見てとびきりの笑顔を見せてくれた。
あれはとっても嬉しかったなぁ。
僕らはね、そういう場面をこれまで何度も見てきているんだ。
それは本当に幸せなことだと思う。

そして女の子はまず一番に僕を選んで
口にあーんと持っていったよ。
…と、そこで僕の記憶はおしまい。

そういや僕らのことを必ず一番最後に食べる子もいたっけ。
大好物は一番最後にとっておくんだと言っていたよ。
そして最後、いよいよ口にあーん、だ。
…と、そこで僕の記憶はおしまい。

こんな感じだから自分自身についての感想は
これまで一度も直接聞いたことはない。
口に入れられた瞬間、目の前が真っ暗になって
僕らはいつもそこで終わり。

そしてまたタコさんウインナーとして
命を与えられる。

新たに生まれた僕らはまた新しい場所で
タコさんウインナーとして生きることができる。
だから僕らはみんな、そんな自分を誇りに思っている。

ただし、これもすべては
新しくタコさんウインナーが作られなければ
僕らは生まれてくることはできない。
そして最初に言った通り最近ではその数が
減ってきているらしいということだ。

そうかぁ…
今やみんな忙しくてあんまり時間はないもんね。

タコさんウインナーといえばさ、昔はお弁当の定番だったんだ。
でも時代…なのかなぁ。
いやいや、待てよ。考えるんだ。
それならお弁当じゃなくても
食卓にタコさんウインナーが並べばいいじゃないか。
僕らはみんなが喜んでくれるなら、外でも家でも
朝ごはんでもお昼ごはんでも夜ごはんでも
どこだって幸せなんだーーー。

みんなでもっとタコさんウィンナーを食べませんか?
いつものウインナーをタコさんに変身させて
「あ、タコさんウインナーだ!」って言い合いませんか?
そして、もっともっとごはんの定番にしませんか?
だから皆さんお願いです。

「食卓にも我らタコさんウインナーを!」

「みなさん 頼みますぞ」

これが僕たちタコさんウインナーからのお願いです。

タコさんウインナーに愛を!


(おしまい)

最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさん、タコさんウインナーは好きですか?
ねじりはもちろん好きです。
もしよかったら時々でもいいので、彼らからのお願いを
思い出していただけたら嬉しいです🐨

ではここからはこれまでに出会った
タコさんウインナー仲間を一部ご紹介致します🐙

Miiさん

ちなみにハッシュタグには「ウインナー星人」と書いてありました。笑


Marmaladeさん

りす子さん(娘さん)の愛情たっぷりタコさんウインナーはこちら。


小牧幸助さん

タコさんウインナーが教えてくれたこととは…?


最後にねじりから一言。

ただし皆さん…
タコさんウインナーの食べ過ぎにはご注意をっ🐙!


ではまた。


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