【対談】元書店員と読書好きが予想する「サッカー本大賞2019」
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【お詫び】
3/25(月)の夜から、26(火)の夕方にかけて、記事の大部分が読めない状態になってしまいました。大変ご迷惑をおかけしました。お詫び申し上げます。
皆さん、こんにちは。ふらいくるです。
先日、はじめてOWL magazineに記事を書きました。マガジン刊行から早くも2ヵ月に差し掛かろうというところ、ようやく記事を出せてほっとしています。
さて、3/27(水)に「サッカー本大賞2019」が開催されます。これは、2018年に出版されたサッカー本の中から、サッカー本大賞・翻訳サッカー本大賞・読者賞を選出するものです。選考委員によって既に優秀作品10冊が選ばれており、あとは各賞の発表を残すのみとなりました。
※優秀作品10冊については、こちらのページをご覧ください。
過去には、OWL magazineの主筆である中村慎太郎さんの『サポーターをめぐる冒険』が2015年にサッカー本大賞を受賞しました。
サッカー本大賞に関連して、OWL magazineの澤野編集長が「フクロウのふりかえり 2019年2月」で次のように書かれています。
OWLメンバーには無類の本好きであり、北海道コンサドーレ札幌サポーターのふらいくるがおります。彼も来月にデビューの予定です。
彼と私とで2019年の「サッカー本大賞」「翻訳サッカー本大賞」のゆくえについて、追っかけてみたいと考えておりますのでお楽しみに!
この宣言通り、僕と澤野編集長で、「サッカー本大賞2019」の予想対談を行いました。各賞の予想はもちろん、優秀作品の紹介など盛りだくさんの内容です!
対談に入る前に、改めて対談メンバーのプロフィールを紹介します。
澤野雅之
OWL magazine編集長。18年間、書店員として勤務。書店の現場を離れた現在も、本に関わる仕事に携わっている。応援しているクラブは、横浜FC。
Twitter(@masawano)
note(https://note.mu/masawano)
ふらいくる
OWL magazineメンバー。無類の読書好きで、年間120冊程度の本を読んでいる。昨年、独自に「2018年に出版されたサッカー本ベストイレブン」を選定した。応援しているクラブは、北海道コンサドーレ札幌とエンポリFC。
Twitter(@nega9_clecle)
note(https://note.mu/negacle)
それでは、対談スタート!
(対談日:2019/3/16)
発表直前!各賞の行方を予想しよう!
澤野雅之(以下、澤野):そろそろサッカー本大賞です。今年も楽しみですね!
ふらいくる:そうですね。やはりサッカー本のファンにとって最大のイベントですからね!書店員を長く務めた澤野さんと語るのがとても楽しみです。これ、毎年やりましょう(笑)
澤野:是非是非!では、まず翻訳サッカー本大賞から予想しましょう。
ふらいくる:この賞は、著者が外国人である4作品の中から選ぶことになります。澤野さんの本命予想は、どの本ですか?
澤野:私は、『うつ病とサッカー』を選びました。
ふらいくる:僕も同じです!いきなり予想が一致しましたね(笑)当時、ドイツ代表の正GKで南アフリカW杯を前に自殺したロベルト・エンケの伝記です。
澤野:うつ病といえば、イニエスタも自分がうつ病だったとコメントしていましたね。
ふらいくる:エンケが自殺する以前にも、ドイツ代表だったダイスラーがうつ病を理由に引退しています。サッカー選手にも無縁の病気ではありませんね。
澤野:あれだけのプレッシャーの中で、心をコントロールすることは、本当に難しいと思います。選手達がいかに苦しいプレッシャーにさらされているかということを、この本で知ってもらいたいですね。
ふらいくる:心の病とアスリートの関係は、なかなか焦点が当たってこなかったテーマですね。この本をきっかけにして、アスリートはもちろんのこと、誰にでもうつ病はなり得るものだと伝わってほしいです。
澤野:他に受賞する可能性がある本は、何かありますか?
ふらいくる:僕は、対抗馬に『億万長者サッカークラブ』を推します。
澤野:私も同じです。本命も対抗もかぶりましたね(笑)
ふらいくる:近年、サッカー界には多くの富豪が参入しています。おかげでどんどんお金が入るようになりました。メリットも大きいですがその裏で、「ここまで急速に巨大資本が参入することに弊害はないのか。お金がたくさん入るからオールハッピーなのか」ということを問いかけてくれます。
澤野:では、2人とも予想が同じだったので、本命は『うつ病とサッカー』、対抗は『億万長者サッカークラブ』でいいですか?
ふらいくる:いいですね!どちらも過去の翻訳サッカー本大賞にはないタイプのサッカー本です。受賞する可能性は高いと思います。
澤野:はじめての予想とはいえ、本に関わるお仕事をしている身としては、全然かすらないということは避けたいですね(笑)
ふらいくる:2人の考えが一致した上での予想なのでなおさらですね。
澤野:しかも、候補作品は4冊だけですよ!これは当てないと(笑)
ふらいくる:そのうち2冊を受賞候補として選んでいますからね。外すわけにはいきません(笑)
【翻訳サッカー本大賞】
本命:うつ病とサッカー 元ドイツ代表GKロベルト・エンケの隠された闘いの記録(ロナルド・レング 著 木村浩嗣 訳)
対抗:億万長者サッカークラブ サッカー界を支配する狂気のマネーゲーム
(ジェームズ・モンタギュー 著 田邊雅之 訳)
澤野:続いて、読者賞を予想しましょう!
ふらいくる:この賞は、フットボールチャンネル上で一般投票を行い、その結果で選出されます。選考委員が選ぶ他の賞とは違いますね。
澤野:私は、読者賞の予想が一番難しかったですね。
ふらいくる:どういったところが難しかったですか?
澤野:どんな層が投票するかによって、票が割れてしまうんじゃないかと思いました。
ふらいくる:投票する方々がどんな方か予想がつかない訳ですね。
澤野:ふらいくるは、読者賞を予想する際に特別気をつけたところはありますか?
ふらいくる:本の発売日を少し気にしました。その年の前半に出版された本の方が、必然的に読者数が多いのではと思います。読者数が多ければ、それだけ多くの人が投票する可能性がありますよね。
澤野:なるほど。では、ふらいくるはどの本が受賞すると思いますか?
ふらいくる:僕は『東欧サッカークロニクル』にしました。
澤野:私も同じです。翻訳サッカー本大賞に続いて、また一致しましたね(笑)
ふらいくる:著者の長束さんは、東欧、特にクロアチアを中心に取材されています。今までの仕事が全部つまった集大成のような本ですね。
澤野:私は、長束さんのイベントに2回ほど行って、ご本人とも話したことがあります。「心はクロアチア人だ」ぐらいの思い入れを持って書いていることが伝わりましたね。
ふらいくる:2回も!僕も行けばよかったです(笑)
澤野:イベントに参加された方が、必ずしもサッカー好きではないことも印象的でした。
ふらいくる:旅や東欧が好きな方も集まっていたということですか?
澤野:そうです。東欧が好きだったり、旅で行ったことある皆さんが「ああ、本に書いてあったこの場所行きました!」みたいな話で盛り上がっていました。
ふらいくる:それだけこの本がサッカー好きに限らず、幅広い層にリーチしているということですね。
澤野:この本の出版で、東欧や旅が好きな方がサッカーを知ってくれるいい機会になったと思います。
ふらいくる:旅といえば、長束さんが、ディナモ・ザグレブのちょっと過激なウルトラスと、モルドバの汎ドニエストルまでアウェイ観戦に行った話が本にありましたね。あの話、僕大好きなんですよ!めちゃくちゃ面白い。
澤野:あれは面白かったですね!
ふらいくる:昨年、読んだ紀行文で一番腹抱えて笑いましたね。仲間と一緒に愉快な旅路を送りながら試合を見に行くという、サッカー旅の一つの醍醐味が感じられます。
澤野:この本が出版された後に、ロシアW杯でクロアチア代表のモドリッチがMVPをとりましたね。あれも大きな追い風でした。
ふらいくる:本の帯もモドリッチ仕様に変わりましたね。W杯をきっかけにこの本を知る方がさらに増えて、読者の幅がより広がった気がします。
澤野:出版のタイミングが非常によかったですね。
ふらいくる:本の出版をきっかけに、長束さんの仕事が広く評価されるようになったのは嬉しいですね。
澤野:対抗にはどの本を選びましたか?
ふらいくる:僕は『ディス・イズ・ザ・デイ』にしました。
澤野:お、私は違うんですよね。『監督の異常な愛情』を推薦します。
ふらいくる:ついに初めて意見が割れましたね(笑)こういうのを待ってました(笑)
澤野:著者のひぐらしさんは、エルゴラッソで大分トリニータの番記者です。本でも、現監督の片野坂さん、以前監督をされていた田坂さんが取り上げられていますね。
ふらいくる:大分サポーターが多く投票するという読みですか?
澤野:そうです。組織票が入る可能性があります。
ふらいくる:過去に、ガンバ大阪について書かれた『ラストピース』が読者賞を取っています。特定のクラブに焦点を当てた本は、そのクラブのサポーターが票を多く入れるかもしれません。
澤野:本の話に戻すけど、ひぐらしさん個人のキャラクターが立っていて面白いですね。結構歯に衣着せぬ物言いもできちゃうし、個人の思い入れをわりとストレートに出します。変に中立でありすぎないところは、サポーターとしては好ましく映るのではないでしょうか。
ふらいくる:嫌みじゃないんですよね。この監督の言っていることが絶対正しいという感じがしない。そこを絶妙なバランスで書ける方だと思います。
澤野:取り上げられている5人の監督もかなり個性が強いですね。監督たちの発言や行動を拾っていくだけでも充分面白いということを、ひぐらしさんご自身が理解されて書かれています。
ふらいくる:表紙やタイトルは、映画の『博士の異常な愛情』のオマージュになっています。ちょっと遊び心がたまりません。
澤野:全般的にユーモアがあって、真面目すぎず、固めな監督本や戦術本とはちょっと違ったテイストで面白かったです。
ふらいくる:さて、予想ですが、本命は『東欧サッカークロニクル』で決まりですね。2人の意見が一致しているので。
澤野:対抗は、意見が割れましたね。どうしましょう?
ふらいくる:『監督の異常な愛情』にしましょう。僕が澤野さんの意見に見事説得されました(笑)
澤野:意見も割れたし、やはり読者賞の予想は難しかったですね。
ふらいくる:正直、自信はありません(笑)
澤野:ふらいくるが選んだ『ディス・イズ・ザ・デイ』も、候補に挙がらなかった他の本も充分受賞の可能性があると思いますよ!
ふらいくる:これくらい2人で予防線を張っておけば、外しても大丈夫でしょう(笑)
【読者賞】
本命:東欧サッカークロニクル モザイク国家に渦巻くサッカーの熱源を求めて(長束恭行 著)
対抗:監督の異常な愛情 または私は如何にして心配するのをやめてこの稼業を・愛する・ようになったか(ひぐらしひなつ 著)
ふらいくる:さあ、最後に予想するのは、サッカー本大賞です!!!
澤野:ここはばっちり当てましょう!
ふらいくる:予想を発表する前に、過去の受賞作を調べていて気になったことが2点ありました。ちょっと話してもいいですか?
澤野:どうぞ!ふらいくるは、本当に過去の傾向をしっかり分析していますね(笑)
ふらいくる:まず、過去に翻訳本がサッカー本大賞を受賞したことは、一度もないことです。この傾向が続くとすれば、元々日本語で書かれた6冊の中から今回も選ばれるのではと思います。
澤野:なるほど。もう一点は、なんですか?
ふらいくる:同時受賞の可能性です。2017年に『「能町みね子のときめきサッカーうどんサポーター」、略して 能サポ』と、『サッカーおくのほそ道』がサッカー本大賞を同時受賞しています。今回も同時受賞が必ずないとは言えませんね。
澤野:確かにそうですね。私は、今回同時受賞の可能性はあると思っています。
ふらいくる:実は、僕もそう思っています(笑)あとで詳しく話しましょう!
澤野:わかりました。ふらいくるは、どの本が受賞すると思いますか?
ふらいくる:『ディス・イズ・ザ・デイ』ですね。いやー、とんでもない本が出てきたなと思いましたよ。
澤野:私も同じです。10年か20年に一つ出るかどうかの小説だと思います。
ふらいくる:そもそもサッカーが題材の小説は、ほとんどありません。そんな中、まさか全国紙の連載小説の題材になるとは思いもしませんでした。
澤野:元書店員の立場からすると「こういう本が売れて欲しい!」という気持ちですね。
ふらいくる:本当にこれは売れて欲しい一冊です!
澤野:「サッカーの小説を書いてもどうせ売れないよ」という風潮は、今まであったと思うんですよね。ここで売れなければ「やっぱりそうだよね」と言われて、芽が摘まれてしまいます。
ふらいくる:その通りだと思います。
澤野:私は、売れて欲しいを通り越して、「売らなきゃいけない」ぐらいの使命感すら感じています。
ふらいくる:いやあ、熱いですね。澤野さん、熱すぎますよ(笑)
澤野:作者の津村さんが選ぶ選ぶ言葉のセンスがすごく素敵です。サッカーやその周辺の色々な魅力を、分かりやすく端的に伝えてくれます。
ふらいくる:サッカーに限らず何かにのめり込んでいる方は、みんな登場人物に共感できると思います。サッカーが好きな方じゃなくても、是非おすすめしたい一冊です。
澤野:まさにこれは私たちの物語なんですよ。それを読むと「これは私のことだ」とか「これは、知り合いの○○さんだ」とか誰かに投影して、この本の話をしたくて仕方がなくなります。読んだらきっとそういう気持ちになるはずです。
ふらいくる:「私たちの物語」、いいフレーズですね!何度も繰り返しになりますが、本当に素晴らしい本が出版されました。
澤野:昨年この本と出会えたのは、本当に幸せでした。日本サッカー界のことを思っても、津村さんというこれだけ豊かな表現力や文章力のある人をこれから決して手放してはいけませんよ。
ふらいくる:お互いちょっと熱く語ってしまいましたね。対抗馬どうしましょう?「該当なし」でも構いませんよ(笑)
澤野:対抗も選びましたよ(笑)『東欧サッカークロニクル』です。
ふらいくる:おお!僕も同じです。サッカー本大賞は、翻訳サッカー本大賞と同じく2人とも一致しましたね。この本の素晴らしさは、読者賞の予想で思う存分語ったので、そちらを読んでください。
澤野:もし同時受賞があるとすれば、この2冊だと思います。単独受賞なら『ディス・イズ・ザ・デイ』ですね。
ふらいくる:まったく同じ意見です!まさか予想の意図まで一致するとは(笑)
澤野:ジャンルが小説とノンフィクションと違うので、本来は同じ土俵で比べるものではないのかもしれません。その意味では、毛色の違う作品と、素晴らしい書き手が同時に受賞することは、非常によいことかもしれないですね。
ふらいくる:もう結論はでましたね。本命は『ディス・イズ・ザ・デイ』で、対抗は『東欧サッカークロニクル』にしましょう。
澤野:そうしましょう!これは文句なしです。
ふらいくる:「ただし同時受賞の可能性あり」ということも付け加えておきますね。念のため予防線です(笑)
【サッカー本大賞】
本命:ディス・イズ・ザ・デイ(津村記久子 著)
対抗:東欧サッカークロニクル モザイク国家に渦巻くサッカーの熱源を求めて(長束恭行 著)
※ただし、同時受賞の可能性あり。
他の優秀作品を紹介しよう!!!
ふらいくる:各賞の予想がおわりました!お疲れ様です!
澤野:はじめてなのでどんな感じか手探りでしたが、なかなか大変でしたね。
ふらいくる:ただ、残念なことに予想で名前が挙がらなかった本には、まったく触れられていないんですよね。どれもいい本なのですが。
澤野:それならこの場で残りの本も紹介しましょう!!!
ふらいくる:いいですね!もういくらでも話ができますよ(笑)
サッカーことばランド 世界で拾い集めたへんてこワード97(金井真紀、熊崎敬 著)
澤野:様々な国のサッカーにまつわる言葉と、その由来をイラストと一緒に学ぶことができます。私は、娘と一緒に読みました。絵本を読む感覚と近いので、家族で楽しみながら読めますね。色々な国の文化や、考え方を楽しむことができます。
ふらいくる:サッカーを通して、世界中の色々な国を知るきっかけになりますね。僕の父親もサッカーが好きなのですが、僕が幼い頃にこの本があれば、きっと僕と一緒に楽しむために買ってきたでしょうね(笑)
日本サッカー戦記 青銅の時代から新世紀へ(加部究 著)
澤野:すごく分厚くてなかなか読むのは大変ですが、正しい日本サッカーの歴史を後世に伝えるためには必要な本ですね。
ふらいくる:著者の加部さんは、以前にも『サッカー通訳戦記』や『サッカー移民』といった歴史の証言を拾い集めた上質な歴史本を手がけています。今後も、また違った視点から日本サッカーの歴史をひも解いて欲しいですね。
MLSから学ぶスポーツマネジメント 躍進するアメリカサッカーを読み解く
(中村武彦、LeadOff Sports Marketing 著)
ふらいくる:著者の中村さんは、アメリカでスポーツビジネスを学び、実際にMLSで働いていました。アメリカサッカーの専門家だからこそ書ける話が満載ですね。
澤野:日本のサッカー興行を盛り上げるためには、間違いなくアメリカのエンターテイメントな雰囲気作りは必要です。すべてアメリカの真似をすべきとは思いませんが、この本を読んで参考になる部分は多いと思います。
メスト・エジル自伝(メスト・エジル 著 小林玲子 訳)
ふらいくる:エジルは昨年、アイデンティティの問題に関わるドイツ代表引退問題で少し話題になりました。そういった彼の内面の葛藤について、かなり核心まで語っています。
澤野:自伝が評判になるためには、ある種本人のスター性も必要です。しかし、この本はスター性以上に語られるテーマや背景がしっかり書かれているところが高い評価に繋がっていると思いますね。
レッドカード 汚職のワールドカップ(ケン・ベンシンガー 著 北田絵里子 訳 手嶋由美子 訳 国弘喜美代 訳)
澤野:サッカーW杯招致の汚職を取り上げています。ちょうど最近、2023年のサッカー女子W杯の開催国に日本が正式エントリーしました。東京オリンピックの疑惑も含めて、日本も無関係ではいられない内容ですね。
ふらいくる:ここ近年、こういった汚職がしっかり摘発されるようになった印象がありますね。昔からサッカーが好きな方には、時代の変化を感じ取れる一冊です。
まとめ:2018年のサッカー本を振り返って
澤野:最後に、まとめをしましょう。今回のサッカー本大賞全体を振り返ってどうでしたか?
ふらいくる:今回は本当に幅広いジャンル、切り口の10冊が集まりましたね。賞をとった本に限らず10冊すべてを、本が好き、あるいはサッカー好きの皆さんに是非読んで欲しいです。
澤野:2018年は、W杯イヤーでした。出版社も当然W杯のタイミングに合わせて、これだという本を用意してきたと思います。見てみると、やはりどの本もすごく力が入ったものが出版されましたね。
ふらいくる:優秀作品の本だけではなく、他のサッカー本もいいものがたくさん出版されましたね。2018年は、サッカー本豊作の一年でした。
澤野:また、雑誌のリニューアルやオンラインコミュニティ開設など、時代の流れもあってサッカーに関わる出版社が各々新しい舵を切り始めた年でもありました。
ふらいくる:確かにそうですね。僕もフットボリスタ・ラボに所属していますが、あれも新しい舵取りを象徴する動きの一つです。
澤野:長いスパンで見ても、転換期の節目として後々語られる年になったと思いますね。
ふらいくる:今後サッカー本の世界では語り継がれる1年になるかもしれません。
澤野:だから、今回のサッカー本大賞に選ばれる本は、その流れの象徴的な本として語られるでしょうね。そう考えると、やっぱり『ディス・イズ・ザ・デイ』に受賞して欲しいと思います。
ふらいくる:長い時間、ありがとうございました。楽しかったです!
澤野:こちらこそありがとうございました!対談の最初でも話しましたが、この予想は毎年やりましょう!
ふらいくる:サッカー本に関わる業界の方とは、もっと色々話をしてみたいですね。
澤野:この対談を読んだ皆さんの予想もお聞きしたいです。
ふらいくる:おすすめのサッカー本も聞いてみたいですね。お待ちしています!
おまけ:(勝手に)OWL magazine賞
ふらいくる:まとめで少し触れましたが、サッカー本大賞の優秀作品以外にも面白いサッカー本が2018年はたくさん出版されました。
澤野:その通りですね。優秀作品の枠を増やしてほしかったくらいです(笑)
ふらいくる:正直、選ばれてないからといって紹介できないのが本当にもったいないです。
澤野:ならせっかくの機会です。紹介しませんか?
ふらいくる:いいですか?では、おまけの有料部分として付けましょう!
澤野:2018年に出版されたサッカー本で、サッカー本大賞の優秀作品に選ばれなかった本から私と、ふらいくるで1冊ずつおすすめを推薦しましょう。
ふらいくる:推薦した2冊とその著者の方には、我々で勝手に「OWL magazine賞」を送らせて頂きます(笑)
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