ありふれた「実家じまい」より、伝聞多めの祖母の過去編/ある歌人神官がみた明治(2)
ありふれた「実家じまい」より、伝聞多めの祖母の過去編(2)
タツの母は引き揚げの苦労からか結核を患い、屋敷の離れで療養していたが、やがて他界。タツはそのまま祖父、祖母を支えながら暮らしていた。私たちに思い出話をする時、「田島のおじいさん、おばあさん」と呼んでいたことを覚えている。
田島のおじいさんは、亡くなる際にタツに屋敷を相続させた。これはタツの主張だから、真実はもはやわからない。おじいさんには息子(タツにとっては叔父)もいたが、神社とは異なる多忙な業種に務めており