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あなたはあなたのままで、もっと元気に生きていける (「繊細さん」の本/武田友紀)


本を買うときのレビュー欄が苦手です。

自分が読んでみたいと思って、その本の値段や売っているお店を調べようとすると、必ずその情報にくっついて、本のレビューが目に入ってくる。

細かな内容が見えなくても、”この本はみなさんから星いくつで評価されていますよ〜”というのが視覚的にわかり、5つ評価の★が3つくらいだったりすると、買おうと思ってた気持ちが少ししゅんとする。
何で人気がないのだろう?とレビュー欄を見に行ってしまうともうダメで、まだ読んでもいない本のイメージがどんどん人の言葉で塗り固められていく。

その結果、読んでみたい!とわくわくしていた気持ちは、3つの★とネガティヴレビューに押しつぶされ、最終的に私はその本を買えなくなる。


「そんなの気にしなきゃいいじゃん」

いつも人にそう言われる時、『自分は細かいことを気にしすぎなんだろうか』と考えたり『そうだよね、忘れて自分のことに集中すればいいよね』と割り切ろうとしてきたけど、全然うまくできなかった。
いろんなことがやり過ごせない自分が何度も嫌になった。
なんでこんなにもたくさんのことを感じ、考えてしまうのだろう。
いつも自分を責めていた。自分を好きになれなかった。


初めて「繊細さん」の本を書店で見つけた時、もしかして自分に当てはまるところがあるかも?と興味を持ったけど、自分が繊細だと、色んなものに刺激を受けて潰れてしまう弱い人間だと認めてしまうのが怖くて、手に取れなかった。
それくらい私は何かに怯えていた。


読んでいくと、びっくりするくらい自分の話ばかりだった。

えっ、こんな風に思ってるのって私だけじゃなかったんだ
そうそう、思考が巡りすぎて答えが出せないの!
近くに機嫌の悪い人がいるとすごく気になる

そっか、私はHSP(Highly Sensitive Person)だったのか。
すごく気持ちが楽になった瞬間だった。

一番勇気をもらえたのは

繊細さんは自分のままで
元気に生きていける
(単行本 「繊細さん」の本 p52)

という言葉。
今まで自分を責めてばかりの日々だったけど、自分を変えるのではなく、自分が自分のままで元気に生きていける方法があるのだと、そうはっきり伝えてくれたのがとても嬉しかった。安心できた。


本には、繊細さんに向けた実践的なアドバイスがたくさんあります。
もし自分が、人より環境の変化に気付きやすいな、とか、人の機嫌に左右されやすい…、など当てはまるところがある場合は、繊細さんかもしれません。

下記に診断テストのリンクを添付しますので、気になる方はぜひやってみてください↓↓
(アメリカの心理学者・エレイン・アーロン博士(HSPの提唱者)が作成した診断テスト、日本語です。)


この本を読んで初めて気が付いたのは、私は目から取り入れる情報がすごく多いということ。
・リビングの電気の明るさが少し暗くなっていると、すぐ気が付く。
・何も話していなくても相手の表情や雰囲気で、相手の機嫌や考えていることが何となく分かる。
・美しいものや色が綺麗なものを見ると、すごく元気になる。

一方で、スマホやテレビなど、目から情報がどんどん入ってくるとすごく疲れる。
情報が多いのが苦手というのもあるんですが、ラジオなど耳から入ってくる情報よりも、ネットニュースやテレビからの情報はすごく疲れる。

それに気付いてからは、テレビを見る時間を減らしたり、LINEのネットニュースを見れない設定にしたら、すごく楽になりました。
(LINEのニュースを非表示にできるって知ってました!?設定から通話履歴タブに変更できます。知ったとき、目からウロコでした〜〜無駄にスマホをいじっている時間も減るし、一石二鳥〜〜〜!)


「繊細さん」の本は、ぴったりの方にとって自分を楽にできるノウハウがたくさん詰まっています。
読むたびに共感するところがあって、すごく勇気をもらえます。

一方で、時間が経ってくると、あんなに共感したのに私の生活は何も変わってない!何もできてない!と自分を責めたくなるかもしれません。(私はそうでした)
なので、読む時には共感できたポイントに付箋を貼っておいて、落ち着いた時に見返して、一つずつ実践していくのがおすすめです。
私も折に触れて読み返し、元気をもらっています。


日々を快適に生きてくために必要なヒントがたくさん詰まっている一冊。
自分の感受性に悩んでいる人に届き、少しでも救いとなる一冊になりますように。




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