根峯しゅうじ|kindle小説家

ねぶしゅうじと読みます。 【kindle】http://onl.la/48iexJj…

根峯しゅうじ|kindle小説家

ねぶしゅうじと読みます。 【kindle】http://onl.la/48iexJj 「不機嫌なクリスマス」 「チャコの世界とほうれん草の男」 「冷たい猫のスープ」 「ありふれた何気ないことばをさがして」リリース。 現在「不機嫌なクリスマス」英訳出版Project進行中

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        • 短編小説|六月の雨
          0本
        • 短編小説|ロスト・アーモンド
          12本
        • 【徒然】ねぶしゅうじはもの想うあし
          15本
        • 【小説】悲しみで花が咲くものか side-A
          42本

        記事

          短編小説|ロスト・アーモンド no.12

          あの一件に思い至ってからというもの、ほぼ毎日のようにmeijiのボール型チョコレートを口にするようになっていた。 あの一件とは、つまりボール型チョコレートの中の空洞の違和感と、食感の記憶に思い至ったことだ。 僕は帰宅時につけ、ロクと戯れの最中につけ、風呂上りにつけ、冷蔵庫を開けてチョコレートを奥歯で噛みしめるのが習慣になっていた。  僕の脳裏にこびりついていて、突然蘇ったあの感覚は、いったい何だったのか。  でも幾度となく繰り返し、チョコを噛み締めたところで、空洞の食感は

          短編小説|ロスト・アーモンド no.12

          短編小説|ロスト・アーモンド no.11

          翌日はシフトが無かったため、昼まで寝て過ごすつもりだった。  しかし惰眠を貪る僕を、ロクは許してはくれない。 すっかり深い眠りに沈み込んでいた僕の呼吸は、突然苦しくなる。そればかりか、顔の辺りが重たい。  すぐに見当がついた。ロクが僕の顔の上で丸くなっているのだ。 上体を起こすとともに、顔の上のロクを両手に抱える。新鮮な空気をいっぱいに吸い込むと、ロクが小さな声を上げる。  僕はロクに苦情を伝える。 「ロク、苦しいよ」 ロクは僕の手を離れ、何か訴えるように玄関に向かう

          短編小説|ロスト・アーモンド no.11

          短編小説|ロスト・アーモンド no.10

           少なくとも、あのチョコレートに違和感を持ってるのが僕だけではないことが分かった。  そしてチョコを冷やして食べているのも、僕だけではなかったのだ。  それにしても考えれば考えるほど、納得がいかない。  冷やせる環境にいれば、当然冷やして食べるのだけど、常温であのチョコを食べるには少し無理があるように思える。空洞が大きいせいで、チョコレートは脆く崩れてしまう。ミルクチョコなので、特に高温多湿には弱い筈だ。  どうしてそんなチョコを開発し、おまけに市場に送り込んだのだろ

          短編小説|ロスト・アーモンド no.10

          短編小説|ロスト・アーモンド no.9

           深夜勤務は一人で担当することが多い。  その日の勤務も夜勤メンバーを見送った後は、一人で業務をこなしていた。  定期的に棚の前出しをしたり、棚のほこりを払ったり、朝の荷物が届くまでは、実は殆ど手持ち無沙汰な時間だ。  来店があり、入店のチャイムを片手間に聞きながら、僕は作業に没頭する。  足音から一人客だと分かる。  ちょうど僕が作業していた製菓棚に足音が近づいてくる。  棚の埃を払うハタキを動かす手を止めて、客の邪魔にならないようにと移動する。僕が客に背中を向

          短編小説|ロスト・アーモンド no.9

          短編小説|ロスト・アーモンド no.8

           散歩から戻ってから、夜食とも朝食とも昼食ともつかない食事を摂る。  シャワーを浴びて、ベッドに潜り込むも、結局寝付くことが出来なかった。  仕方なく本を取り出し、コーティング物理学の世界に浸る。 ”この世界は常に始まり続けている。現在が噴出したその瞬間、過去も未来も同時に噴出する”  そんな件に想いを馳せていると、無性に脳が糖分を欲し、冷蔵庫からチョコレートのパッケージを取り出す。このチョコは冷やして食べると触感が倍増するのだ。  パッケージから一粒のチョコを取り出し

          短編小説|ロスト・アーモンド no.8

          短編小説|ロスト・アーモンド no.7

           深夜から翌朝のラッシュまでの激しい勤務を終え、朝九時すぎに部屋に戻った。  ロクは食器棚の隙間に隠れていて、僕が見つけると、いったん籐の椅子の上に落ち着く。  食事を作ろうか、そのまま眠りに就こうかと迷いながら冷蔵庫を物色している僕に、ニャ~とロクがひと鳴きする。  それからおもむろにロクは玄関に向かい、もうひと鳴き。  僕はロクに訊ねる。 「ロク、珍しいね。散歩に行きたいのか?」  それに応えるように、ロクはまたひと鳴き。  ロクは普段あまり散歩には行きたがらない。部

          短編小説|ロスト・アーモンド no.7

          短編小説|ロスト・アーモンド no.6

           やはりどうしても気になってしまい、帰宅してからもチョコレートのパッケージを取り出して、眺めてみる。  かくれんぼを終えて、籐の椅子の上で毛繕いをするロクが不思議そうに僕を見つめている。  パッケージを眺めながら、チョコレートを一つ口に運び、齧ってみる。  カリッと音が鳴り、口の中でチョコは豊潤に溶け出す。その音を聞いたロクは耳をピクリと動かした後、籐の椅子から飛び降りて、僕の足元にまとわりつく。 「ロク、いくら君からのお願いでも、猫にチョコは食べさせられないよ」  僕が

          短編小説|ロスト・アーモンド no.6

          短編小説|ロスト・アーモンド no.5

           翌日のアルバイトは、日中の勤務だった。  昼のピークを終えた後、田端さんと棚の前出しを終わらせ、夕方の便が届くのを待つ。田端さんもベテランなので、彼女と組む日はやるべきことを終えて、おしゃべりをすることが多い。  そんな中、田端さんが僕に訊ねる。 「戸田君ってさぁ、チョコレート好きだよね?」 「そうですね。普段は食べないんですけど、読書するときはどうしても欲しくなるんです」 「へ~、読書ね~!」  田端さんは読書という言葉に大袈裟に反応する。 「私、本なんて読ん

          短編小説|ロスト・アーモンド no.5

          短編小説|ロスト・アーモンド no.4

           ロクとの生活も半年になろうとしていた。  相変わらず、帰宅後のかくれんぼはお互いの習慣で、僕としてはもう玄関の扉を開けた時点で、大方ロクの隠れ場所が分かるようになっていた。  とはいうものの、狭い我が家ではそれほど隠れ場所が豊富ではないこともあるのだが。  それから休日の楽しみである読書も、ロクがいる事で新たな色合いを見せていた。  その休日も僕は昼近くまで惰眠を貪り、冷蔵庫の中の食材を在り合わせて昼食にした。ロクにも休日のお楽しみであるちゅ~るを与え、僕は籐の椅子を陣

          短編小説|ロスト・アーモンド no.4

          短編小説|ロスト・アーモンド no.3

           ロクとの生活も半年ほど経過していたが、大家さんが心配していた様に、部屋の壁や床をロクが爪で引っ掻いたり、傷つけたりすることは無かった。  僕が不思議に思うほど、彼は部屋の物を汚したりもしなかった。  排泄物は教えた通りきちんとトイレで済ませるし、食事をまき散らすことも、棚の上の物を荒らすこともなかった。  それでいてロクが好奇心が無いとも言えないのは、いつも狭い場所に隠れて遊ぶのが好きなところだった。  僕が出かけて帰ると、ロクは必ずどこかに隠れている。  まるで僕に挑戦

          短編小説|ロスト・アーモンド no.3

          短編小説|ロスト・アーモンド no.2

           とりあえず管理会社に連絡をしようとスマホを手にし、結局そのスマホはテーブルに置く。  考えてみれば、大家さんがすぐ隣に住んでいるのだし、そちらをあたってみることにする。  大家さんは自宅に二匹の猫を飼っている。きっとこの黒猫の赤ん坊を、どうにかしてくれるのではないかと考えたからだ。  早速Amazonの箱ごと子猫を抱え、大家さんを訪ねてみる。  インターホン越しに事情を説明すると、大家さんは玄関から急いで出てきてくれた。大家さんは独り身のお婆さんで、僕とは顔を合わせると、

          短編小説|ロスト・アーモンド no.2

          短編小説|ロスト・アーモンド no.1

           休日はコーヒーを飲みながら、本を読み耽る。  コーヒーのアテにはチョコレート。  これが最上の時間だ。  籐の椅子に身体を預けながら本の世界に飛び込むのは、何とも言えない幸福感を僕に与えてくれる。カフェインは優しく神経を刺激し、チョコレートは豊潤にして甘く脳を溶かしてくれるのだ。  休日は昼近くまで眠り、ゆっくり起きて、冷蔵庫の中の有り合わせで食事を作り、貪る。その後はお待ちかねの読書タイムという流れだった。  その日はストックしておいた筈のチョコレートが見当たらず、

          短編小説|ロスト・アーモンド no.1