連載小説『ネアンデルタールの朝』⑧(第一部第2章‐2)
2、
民喜はかがみ込んで、雨どいの下にガイガーカウンターを近づけてみた。土壌から5センチほどのところで、しばらく測定器を固定する。
6.23マイクロシーベルト。
立ち上がって、今度は軒下を測ってみることにする。しゃがみ込み、土壌から5センチほどのところに測定器を近づける。
だいだい同じ数値、6.34マイクロシーベルト。
4年ぶりに訪れた実家――。予想はしていたが、やはり家の敷地内は高い放射線量を示していた。
ガイガーカウンターは先月ネットで購入したものだ。学生の民喜でも購入可