小説『ネアンデルタールの朝』⑥(第二部第2章-1)
第2章
1、
「じゃ、10分くらい休憩で」
パートリーダーの中田悠がにこやかな表情で言った。
民喜はペットボトルのお茶を一口飲み、床に座り込んだ。首を左右に軽く回してみるが、のどはこわばったままだ。
体が少しフラフラとする。無理に声を出しすぎて、軽く酸欠状態になっているのかもしれない。首と肩もひどく凝っているようだった。
窓の外を眺める。打ち付けるような激しい雨が降っている。
「民喜っち、大丈夫?」
中田悠が近づいて来た。
民喜は立ち上がり、
「うん。でも、ごめんね。全然つ