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ITパスポート試験合格で取得できる「DX推進パスポート」とは?

こんにちは。
大阪担当の蒲郡みかです。
私は名古屋・福岡・大阪で出版社&新聞社の編集者&ライターを経て、現在は東京のIT企業・株式会社No.1デジタルソリューションのライターとして大阪に住みながら働いています。

2024年の6月に会社が推奨するITパスポート試験を受け合格し、8月に合格証書が届いたのですが、その後 IPA 情報処理推進機構(経済産業省のIT政策実施機関)から「DX推進パスポート」に関するメールが届きました。

ITパスポートを受験するときには知らなかった「DX推進パスポート」の存在。
DX推進パスポートとは一体…?
疑問に感じたので、今回は「DX推進パスポート」について、調べながらまとめてみました。
よろしければ、お付き合いくださいね。

※当記事につきまして、所属企業・グループとは関係なく、あくまでもライター個人の主観的な意見・感想です。ご了承ください。


IPA 情報処理推進機構からのメール内容

ITパスポート試験合格後に、IPA 情報処理推進機構から届いた「デジタルバッジ『DX推進パスポート』に関するご案内」というメール。
メールの内容を、簡潔にまとめると…
ITパスポート試験に合格したので、デジタルバッジ「DX推進パスポート」の発行が可能(発行費用は無料)なので、必要な方は手続きを。
という内容でした。
 
ITパスポ―トに合格すると、無料で「DX推進パスポート」のデジタルバッジが発行可能ということで、一石二鳥というか、お得な感じがします。
せっかくだから発行してもらおうと思いながらも、そもそもDX推進パスポートとは何?
と、疑問が…。
メールを読みながら、調べてみることにしました。

DX推進パスポートとは?

メールでは、DX推進パスポート下記のように説明されていました。

DX推進パスポートは、DX推進に取り組むチームの一員として作業を担う方が、DX推進するために必要な基本的スキルを有することを証明するものです。
DX推進パスポートをSNSやメール等で人材市場にオープンに示すことで、自身のスキルや市場価値を証明することができます。

IPA 情報処理推進機構のメールより

DX推進するために必要な基本的スキルを有することを証明するもの」ということで、バッジを取得することで、スキルをアピールできるものになりそうです。
DX推進パスポートを発行しているのは「デジタルリテラシー協議会」とのことですが、どのような組織なのでしょうか。

デジタルリテラシー協議会とは

デジタルリテラシー協議会について、同協議会のサイトをチェックすると次のように書かれていました。

デジタルリテラシー協議会は、現代におけるビジネスパーソンのデジタルリテラシー「Di-Lite(ディーライト)」の整備と社会標準実装を目指し、官民連携の会議体として設立されました。
当協議会は、情報発信や啓発活動を通じて、社会全体のリテラシーレベルを向上し、日本の産業力強化に貢献します。

引用:デジタルリテラシー協議会
https://www.dilite.jp/about

メールには、下記の説明も記載されていました。
IPA、一般社団法人データサイエンティスト協会(DS協会)および一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が連携し、IT・データサイエンス・AIの3方面からデジタルリテラシーを向上することを目指して、2021年4月に設立した官民連携の会議体です。
同協議会では「IT・ソフトウェア領域」「数理・データサイエンス領域」「AI・ディープラーニング領域」の3領域において、経営者を含む全てのビジネスパーソンが持つべきデジタル時代の共通リテラシーを「Di-Lite」として定義し、そのスキル習得のために「ITパスポート試験」「データサイエンティスト検定 リテラシーレベル(DS検定)」「G検定」の3試験を推奨しています。

「Di-Lite(ディーライト)」とは?

デジタルリテラシー協議会により、デジタル時代の共通リテラシーとして定義されている「Di-Lite(ディーライト)」。
どのようなものなのか、調べてみると「デジタルリテラシー普及のために新たに作られた造語」とのことでした。
デジタルとリテラシーの英単語を組み合わせて作られたそうです。
Di-Lite=Digital+Literacy
また、英語のDelightとかけて、デジタルで楽しい喜びを引き起こすという意味も含まれているとのことです。

参考:「デジタルリテラシー協議会」サイト

DX推進パスポートのデジタルバッジとは?

デジタルリテラシー協議会が推奨する資格、「ITパスポート試験」「DS検定 リテラシーレベル」「G検定」に合格することで、合格資格に応じたDX推進パスポートのデジタルバッジが発行されます。
 
1種類の合格で「DX推進パスポート1」、2種類の合格で「DX推進パスポート2」、全て合格すると「DX推進パスポート3」が発行されます。

出典:デジタルリテラシー協議会「DX推進パスポート」https://www.dilite.jp/passport

ITパスポート試験のみに合格している場合、「DX推進パスポート1」のデジタルバッジが発行されるので、「IT」の部分だけオレンジ色になっているデジタルバッジが発行されます。
 
デジタルバッジについても、メールに記載がありました。

〇デジタルバッジについて
デジタルバッジは、資格や学習履歴を電子的に証明するデジタル証明です。オンライン上にて発行され、資格の保有状況や学習履歴を任意で共有・公開することができます。また、国際標準規格に準拠したものはオープンバッジと呼ばれ、自分専用のオープンバッジウォレットを開設することで、取得したバッジを一元管理することができます。さらに、ブロックチェーン技術を利用して改ざんを防ぐ、信頼性の高いデジタル証明を行うものもあります。同協議会から発行するものは、ブロックチェーン技術を活用したオープンバッジです。

〇DX推進パスポートの申請費用・発行期間について
申請に費用はかかりません。
通年で受け付け、申請から1カ月程度で発行する予定です。

〇DX推進パスポートのデジタルバッジ発行元に関して
DX推進パスポートはデジタルリテラシー協議会が管理、発行、運営しています。
また、DX推進パスポートはオープンバッジ(デジタル証明)です。世界標準の技術標準規格に沿い、株式会社ネットラーニングが同協議会の委託を受け、運用しています。

IPA 情報処理推進機構のメールより

ブロックチェーン技術により改ざんも防止対策もされている、信頼性の高いデジタルバッジを得られるのは魅力ですね。
このデジタルバッジは、SNSやメールで使用できるそうです。
メール署名などに使用している事例も紹介されていました。

出典:デジタルリテラシー協議会「DX推進パスポート」https://dx.ipa.go.jp/dx-suishin-passport

3つの試験の特徴をチェック

DX推進パスポート取得につながる資格は、デジタルリテラシー協議会が推奨する「ITパスポート試験」「DS検定 リテラシーレベル」「G検定」の3つです。
「ITパスポート試験」は有名ですが、「DS検定 リテラシーレベル」「G検定」はどのような検定なのか知らない方も多いのではないでしょうか。
それぞれの検定についても調べてみました。

G検定(ジェネラリスト検定)

「G検定(ジェネラリスト検定)」は、Di-Liteの「AI・ディープラーニング領域」として定義されています。
 
G検定(ジェネラリスト検定)

G検定とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する、AI・ディープラーニングの活⽤リテラシー習得のための検定試験です。
ディープラーニングをはじめとする、 AIに関するさまざまな技術的な⼿法やビジネス活⽤のための基礎知識を有しているかどうかを確認できます。
体系的にAI・ディープラーニングを学習することで、「AIで何ができて、何ができないのか」「どこにAIを活用すればよいか」「AIを活用するためには何が必要か」が理解できるようになり、データを活用した新たな課題の発見やアイデアの創出が可能になる、デジタル施策の推進に自信が持てるようになるなど、あなたのビジネスやキャリアの可能性が飛躍的に広がります。

引用:一般社団法人 日本ディープラーニング協会「G検定とは」
https://www.jdla.org/certificate/general/start/

AIの定義やさまざまな手法や仕組みについて体系的に学べ、法律や倫理の問題など、AIのビジネス活用に必要な知識を身に付けることができる内容とのこと。
生成AIの活用にも役立ち、気を付けるべきポイントも理解できるそうです。
試験時間は120分で、多肢選択式の知識問題が200問程度出題。
受験費用は、一般:1万3200円(税込)、学生:5500円(税込)。
オンライン実施で、自宅や職場で受験できるのも魅力です。
ITパスポートに比べて試験日が少ないので要注意です!(2024年は年間6回、1月・3月・5月・7月・9月・11月の開催予定)。
早めに申し込みましょう。

データサイエンティスト検定™リテラシーレベル

「データサイエンティスト検定™リテラシーレベル」は、Di-Liteの「数理・データサイエンス領域」として定義され、検定試験は一般社団法人データサイエンティスト協会が実施しています。
協会は“社会のビッグデータ化に伴い重要視されているデータサイエンティスト(分析人材)の育成のため、その技能(スキル)要件の定義・標準化を推進し、社会に対する普及啓蒙活動を行う”ことを目的としています。
 
「データサイエンティスト検定™リテラシーレベル」は、データサイエンティストの実務能力と知識を証明する試験です。
データサイエンティスト初学者、これからデータサイエンティストを目指すビジネスパーソン、データサイエンティストに興味を持つ大学生や専門学校生などを検定の対象としています。

『データサイエンティスト検定 リテラシーレベル』(略称:DS検定® ★)とは、アシスタント・データサイエンティスト(見習いレベル:★)数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムが公開している数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)におけるモデルカリキュラムを総合し、実務能力と知識を有することを証明する試験です。

一般社団法人データサイエンティスト協会
https://www.datascientist.or.jp/dscertification/what/

試験は、選択式問題で、全国の試験会場で開催(CBT)。問題数100問・試験時間100分です。
受験費用は、一般1万円、学生5000円。
試験期間の予定はサイトに掲載されていますが、毎年いつ実施されるかは書かれていませんでした(※)。
受験する場合は、申込期間内に手続きを行う必要があるので、チェックしておきましょう。
(※)2024年9月現在、第8回:2024年11月9日(土)~2024年12月1日(日)、第9回:2025年3月8日(土)~2025年3月30日(日)が予定されています。
 
試験範囲は、「3つの領域」(データサイエンス力、データエンジニアリング力、ビジネス力)と、「リテラシーレベル:モデルカリキュラム<スキルセット>」(社会におけるデータ・AI利活用、データリテラシー、データ・AI利活用における留意事項)とのこと。
AIの利活用などは、G検定と重なる分野ですね。
「データサイエンティスト検定™リテラシーレベル」の試験範囲は、同協会のサイトに詳しく記載されていますが、「データサイエンス力」の分野では、線形代数基礎、微分・積分基礎、集合論基礎、統計数理基礎などが含まれているので、数学的な力も求められそうです。

ITパスポート試験

「ITパスポート」は、Di-Liteの「ITソフトウェア領域」として定義されています。
“ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験”です。
試験はCBT(Computer Based Testing)方式で、年間を通じて随時実施されています。
受験料は7500円(税込み)。
120分の試験で100問の問題が出題されます。
すべて多肢選択式の問題で、ストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、テクノロジ系(IT技術)の3つの分野から幅広く出題されます。
詳細は、ITパスポートの試験のサイトをご確認いただければと思いますが、受験会場・日程も、2つの検定に比べて圧倒的に多いので、受験しやすいと思います。

私がITパスポート試験にチャレンジしたお話もnoteの記事にアップしていますので、よろしければご覧ください。

DX推進パスポートは誰でも取得できる?

DX推進パスポートは、ITパスポート試験、DS検定 リテラシーレベル、G検定のいずれか1種に合格していることで、「DX推進パスポート1」を取得できます。
2種類合格すると「DX推進パスポート2」、全て合格すると「DX推進パスポート3」を得られます。
ただし注意したい点があります。
それは、ITパスポート試験に合格したタイミング。
DX推進パスポートが発行されるのは、2021年4月以降のITパスポート試験を受験し合格された方のみなので、その前に取得された方は、残念ながら対象外になります。

ITパスポート試験については、2021年4月以降の試験を受験し合格された方がバッジの発行対象者となります。

引用:IPA 情報処理推進機構 プレスリリースhttps://www.ipa.go.jp/pressrelease/2023/press20240131.html

DX推進のスキルの証明となる「DX推進パスポート」。
デジタルリテラシー協議会のウェブサイトに設置された「DX推進パスポート発行依頼」のフォームから申請可能です。

私もさっそく申請してみました。
発行まで1カ月程度かかるようですが楽しみです。
そして、DX推進パスポート3も目指してみたくなりました。
チャレンジした際は、また受験体験記にまとめたいと思います。

あなたの日常にフレッシュな彩りを!
いつでも「Bitter Orange Radio」でお待ちしています。
蒲郡みかでした。

note「Bitter Orange Radio」を運営する、株式会社No.1デジタルソリューションのコンテンツグループは、紙媒体の編集・執筆経験を持つライターと、さまざまな媒体の撮影経験を持つフォトグラファーで構成されたプロ集団です。

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