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妄想からビジョンへ。アイディアをタスクに。雪だるまの煮しめ…?ー雪ん子だるまができるまで<3>

こんにちは!

伝統工芸・奈良一刀彫ブランド「NARADOLL HIGASHIDA」のスタッフ、阪本小雪です。
作家 東田茂一先生のもとで、見習いとして勉強させていただいています。

お盆を過ぎ、猛烈な残暑の日々が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。

NARADOLLでは雛人形や節句の兜を制作しているので、工房はいつでも春の雰囲気。そこに、雪ん子だるまが入ってくると、ちょっと冬の気配が。
でも、窓の外は青い空にギラギラの太陽、入道雲がもくもくと……

いや、まぁ、つべこべ言っても暑いものは暑いですね。

激烈な夏から少し現実逃避。
「雪ん子だるま」のことを書いていきたいと思います。

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前回までの記事では、見習いの私たちが雪ん子だるまを作ることになった経緯や想いについてご紹介しました。

雪ん子だるまができるまで<1>
雪ん子だるまができるまで<2>

さて、「雪ん子だるまを作って届けるぞ!」と意気込んだはいいものの、商品を企画開発して発売するまでには、クリアするべき事柄が山程あります。

デザインは?サイズ感は?
パッケージはどうする?
撮影が必要?場所や予算は?
制作する数量や、販売先は?
役割分担はどうする?

など、など、などなど、、、。

「“かわいい”を入り口に、一刀彫や伝統工芸の世界と日々の暮らしとが繋がってほしい。」その想いをのせた雪ん子だるまですが、実際にお客様のお手元に届けるまでに必要な道のりの長さに、正直なところめまいがするような感覚もありました。

会議は弾むよどこまでも

千里の道も一歩から。まずは打ち合わせを重ね、妄想⇒ビジョンとして共有し、アイディア⇒具体的なタスクに落とし込んでいきます。

個人的にですが、弾む会議が良い会議、だと思っています。もちろん遊びのノリとは一線を画してわきまえることは前提として、議題がなめらかに転がりアイディアが次々に躍り出てくるような“弾み感”のある会議から、よいものが生まれることが多いのではないでしょうか。

雪ん子だるまについての会議にも、いつもそんな軽やかな楽しさが漂っていました。

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私たちは、いつもの暮らしのなかに、そっと一刀彫をお届けしたい。
そのコンセプトをもとに、まずは「雪ん子だるまのある景色」を想像することから始めました。

“こんな雰囲気のところに飾ってもらえたらいいな。”
“こういうテイストのクリスマスアイテムと一緒に並べてもらえたらかわいいだろうな。”
そんな風にビジュアル資料をたくさん持ち寄り、イメージボードにしていきました。

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↑さとちゃんの雪ん子スケッチ、絶妙なかわいさだと思いませんか。よく見ると、マフラーを巻いた雪ん子ちゃんも!最終的には蝶ネクタイのデザインが採用となりましたが、マフラーバージョンもいつか作ってみたいアイディアです。

そして、雪ん子だるまのデザインについては、一刀彫らしい見せ場の作り方や、かわいさの肝になるポイント、私たちの身に付けるべき技術、難しいであろうポイント、コスト感等について東田先生にアドバイスをいただきながら煮詰めていき…

たたき台として作ったサンプル雪ん子ちゃんも、会議で揉まれるうちにみんなの情熱と手汗でこんなに黒くなってしまいました。。。

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ちなみに、これ↑は極端な例ですが、日頃、彫りの練習をしているときに時間がかかりすぎると、木地がすこし茶ばんでしまうことがあります。
これをNARADOLLでは「煮しまる」と言い、「う~ん、かたちは大分良くなってきたけど、まだ煮しまってるな!残念!もう少しスピーディーに彫れるように。」というのは、私が先生からよくご指摘いただく課題点でもあります。

「伝わる」パッケージを作りたい

さて、雪だるまが「煮しまる」ほどの盛り上がりを見せる工芸女子雪ん子プロジェクト会議。
みんなのテンションが最高潮に達したのは”パッケージ”についての部分だったように思います。

もちろん、工芸品も人間も、大切なのは中身。
パッケージはあくまでパッケージです。
そう。たかがパッケージ。

……されど、パッケージ。

何かしらのプロダクトを手にしたとき、そのパッケージからもワクワク感を感じた経験はどなたにもあるのではないでしょうか。

たとえば、プレゼントの包みを開けるときのドキドキ。
その嬉しい気持ちごと取っておきたくて、ずっと捨てられずに保存している包装紙。
百貨店でお化粧品を買って、小さな紙袋を持って帰るときのときめき感。
新しいiphoneの箱の蓋を持ち上げたときの、気持ちよさと驚き。

そんな風に、パッケージも含めてワクワク感をお届けしたいというのは、実はブランド立ち上げ当初から大切に積み重ねてきたNARADOLLイズムのひとつでもあるそうです。

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会議を重ね、雪ん子だるまのパッケージにも、精一杯の工夫を施すことに決まりました。

雪ん子だるまを気に入って選んでくださったお客さまへの感謝の気持ちを、直接お伝えできれば一番良いのですが、そういった機会に恵まれることばかりではありません。
そんなときに、パッケージに込めた工夫でささやかな喜びをプラスできたとしたら、作り手からの感謝をお伝えするという意味合いにもなるかもしれない。
そんな気持ちも込めて、雪ん子だるまのパッケージが出来上がりました。

こうして、雪ん子だるまは少しずつ完成に近づいていくわけですが、、今回はここまでで一度筆を置かせていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

真夏の雪だるま物語、まだまだゆるりと続きます。
それでは、また。

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古都・奈良の地で約900年続く伝統工芸「奈良一刀彫」の修行に励む、職人見習い。奈良一刀彫三代目作家 東田茂一氏に師事。おもに節句人形を制作する奈良一刀彫ブランド NARADOLL HIGASHIDAでの、日々の奮闘記をご紹介します。