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奈良一刀彫職人見習いチーム、初めてのプロダクト制作に挑む…!ー雪ん子だるまができるまで<1>

はじめまして、こんにちは!

伝統工芸・奈良一刀彫ブランド「NARADOLL HIGASHIDA」のスタッフ、阪本小雪です。
作家 東田茂一先生のもとで、見習いとして勉強させていただいています。

このたび、共に見習いとして勉強している“さとちゃん”と一緒に、あるプロジェクトを動かしていくことになりました。

その名も「NARADOLL HIGASHIDA 工芸女子プロジェクト」!!
(女子って名乗っちゃう年齢?というツッコミは甘んじて受けます。)

そもそも、奈良一刀彫って?

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<初代・藤井泰山作「井筒」>

古都・奈良の地で、約900年という長い長い伝統を培ってきた伝統工芸「奈良一刀彫(ならいっとうぼり)」。私たちの師である東田茂一先生は、その伝統を受け継ぐ三代目として作家活動をし、また一刀彫ブランドNARADOLL HIGASHIDAを立ち上げました。

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NARADOLL HIGASHIDAでは、“奈良一刀彫本来の姿を目指す”をコンセプトに、デザインを取り入れて現代に調和させたものづくりをしています。

「伝統」は、とても尊く大切なものです。ただし、その冠が付くことで、現代を生きる私たちの日常との距離が生まれてしまう一面もあります。

時代を遡ると、奈良一刀彫は庶民の暮らしのなかに自然に馴染んだ、よくある工芸品だったといいます。

私たちは、そんな奈良一刀彫を現代の人々にとっても身近な存在にしたいと願い、歴史や伝統を理解したうえでの「原点回帰という進化」に挑戦しています。

伝統工芸で「工芸女子プロジェクト」って…?

私自身は、NARADOLL HIGASHIDAの雛人形に強く惹かれ、「勉強させてください!」と門を叩きました。今から1年数ヶ月前、30歳のときです。

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絶対にこのおひな様を作りたい!と勢いよく飛び込んだものの、初めて触れる伝統工芸の世界に対する不安は大きく。きっと厳しいしきたりやおっかない師匠、先輩たちにこてんぱんにしごかれる日々を耐える下積みが待っているに違いないと震えていました。

年齢的には、遅いスタートです。しかも「約900年続く伝統工芸」というからには、きっと現代的な価値観とはかけ離れた修行(奉公?)が必要で、生活を犠牲にし人生の全てを捧げる覚悟を決めなくてはならないとさえ思っていたのです。だって、想像を絶する困難を乗り越えなければ、こんなにかわいいおひな様を作れるようになれるわけがない。だけど、それでも、やりたい…!と。

今思えば極端すぎますが…(笑)。そのくらい私にとって馴染みのない、なんとなくのイメージでしか知らないのが「伝統工芸」の世界でした。

ところが蓋を開けてみると、東田先生はそんな私のガチガチに凝り固まったイメージ(ある意味偏見…)を一変させる、先進的で軽やかな考え方をもって一刀彫に取り組んでいる方でした。

“一刀彫をもっと身近なものにしていきたい。だから、見習いとして学んでいくなかで感じること・気づいたことを隠す必要はない。どんどん発信して、一刀彫や工芸のことを知ってもらおう。”
そんな風に背中を押してもらって、この工芸女子プロジェクトは始まりました。つまり、一刀彫見習いの私たちが、日々の修行のなかで見つけたことをどんどん紹介していく取り組みです。

世の中にはいろいろな考え方・経験をもった人がいるので、もしかしたら不愉快に感じさせてしまったり、お叱りを受けることもあるかもしれません。見習いの分際で前に出てくるなどけしからん、と。私自身も半分くらい(いや、30%くらい?)そういう思いはありますし、おこがましいよなぁと思っています。正直こわいです。

だけど、やってみようと決めました。伝統工芸の世界に興味を持ちながらも、接点がなく、閉じた世界というぼんやりしたイメージだけが先行していた自分。そんなイメージをもっているのは案外、私に限ったことではないのかもしれないと思うからです。
工芸に携わる方々への敬意と憧れを胸に、僭越ながら末席に連ならせていただきたいと、(これまた大袈裟かもしれませんが)思っています。

何より、この1年と数ヶ月、恐る恐る歩み始めた工芸の世界はめっちゃくちゃ楽しい。次から次へと、ワクワクするような楽しいことばかりです。

この先にはさらに、まだまだ知らない、大きくて深い世界が広がっています。そこでこれから私たちが味わっていく楽しさや苦労、もしかしたら大ピンチなども、面白がって見ていただければいいな、と願っています。

さて、ヨチヨチ歩きで踏み出した私たちの第一歩は、初めてのプロダクト「雪ん子だるま」の企画製作へと続いて参りますが、長くなりましたので今日のところはここまで。


「雪ん子だるま」全10色、まもなくデビューします。

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NARADOLL HIGASHIDA工芸女子チームによる「雪ん子だるま」全10色。2019年10月1日より、NARADOLL HIGASHIDAのオンラインショップにて販売を開始します。


なぜ「雪ん子だるま」を作ることになったのか、どうやって作っているのかなど、お伝えしたいことはたくさんあります。
このnoteでは、私たちなりのものづくりエピソードをゆるりとお届けしていきますので、どうぞゆるりとお付き合いいただければ幸いです。

あらゆる工芸が、人々の毎日をちょこっといい感じにする。そんな未来に続いていくことを願って。

それでは、また!

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<昨年の夏、初めてノミを握った日>
手前/小雪、右/さとちゃん、左/NARADOLL工芸女子チームリーダー恵子さん。


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NARADOLL HIGASHIDA HP

NARADOLL HIGASHIDA Instagram
https://www.instagram.com/naradollhigashida/



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