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#7 大卒後、2度の退職を経て働けなくなっていた自分。等身大の自分を受け入れてくれた仲間が後押しになり、社会復帰へ。 〜田村紀さんのケース〜

アート思考、システム思考、認知行動療法など、学術的アプローチで「本当のやりたいこと」「人生を通して追い続けたい問い」を見つけ、深め、広げるためのプログラム「NCS(Narrative Career School)」。NCSを卒業し、自分らしい人生を歩み始めた若者たちが語る過去の私、今の私。

こんにちは。田村紀です。
現在は北海道の地元で働きながら、NCSのメンターとして活動しています。

NCSは、2020年6月から受講しはじめました。

大学を卒業後、2つの仕事を経験しましたが、どちらも1年以内に辞めてしまいました。自分の働く環境に、「はまってるな~」という感覚が一切なかったです。一生懸命頑張るけれど、何も生み出せずにいました。周りの人とうまく相談や報告できず常に心が消耗していて、疲れている感覚でした。

どうせまた働いても同じことになるんじゃないかと思って、動けずにいました。そうして毎日だらだら過ごしている時に、NCSの「本当にやりたいことを見つけるワーク」を知り、参加。なんとなく、「好きなことをやっても生きていけるんじゃないか?」と思って、一歩踏み出す決意をしました。今思えば、NCSに入る、つまりそこにお金を払って自己投資するということは、「自分に正直になる」という覚悟があったんだと思います。

実際にNCSを受講した結果、ありのままの自分を受け入れ、前に進むことができました。その背景には、自分のありたい姿を後押ししてくれる仲間の存在がありました。

■NCSで変わったこと:「等身大の自分でいたい」心からの願いに気づき就職へ

NCSのプログラムには、過去の家族との関係やトラウマを振り返り、行動するときの障壁を探るワークがあります。これにより障壁を受け入れ、自分の心からの願いに気づくことができました

僕は親に否定され、自分を押し殺し続けてきた結果、感情を出して笑ったり、自分の意見を言ったり、表現したりすることが苦手になりました。

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小学校高学年の時に母が再婚してから、僕は義父と上手くいかず、愛のない態度や言動を受け続けていました。勉強や生活態度のことで、手をあげられたり詰められり。時々ご飯も抜かれて、ボロボロになるまで泣いて苦しんでいました。

「勉強しなさい」「家事を手伝いなさい」と、説教をされた内容は客観的に正しかったかもしれないです。当時の僕が、義父が思う「良い子」じゃなかったかもしれないな、って。

でもそこに、義父が我が子を想う愛はなかったと思うのです。態度や言動から、なんとなく「面倒なことは起こすな」という感じの冷たさが伝わってきました。子供として愛せないのに、親であろうとした義父の教育から、僕は理不尽さを感じ続けてきました。本当に自分のことを想って言葉を掛けてくれたなら、自分の至らないところを改善できていけたな、と。

また、幼少期からいくつか習い事に通わせてもらっていました。柔道、空手、水泳、塾・・・と、どれも僕には向いておらず、無理矢理やらされている感覚でした。成果が出ないから「頑張っても良いことがない」と。その感覚はいつも同じで、義父や母との関係が比較的良かった時期でさえ、全く結果が出ませんでした。きっと、親が僕の気持ちを無視して、習い事をやらせ続けたことが原因なんだと思います。

でも同時に、心のどこかで「もっと自分を愛して、そのままの自分を受け入れてほしい」と親に期待する自分がいました。精神的にいつもボロボロだった自分は、人生のどこかでグレてしまってもおかしくなかったはずです。それでも今までやってこれたのは、そんな願いがあったからなのだと思っています。

僕の好きな曲に、元ボクサーの竹原ピストルさんの「カウント10」があります。ボクシングではダウンを宣告されてから、10秒以内に立ち上がってファイティングポーズを取らなくてはいけません。竹原さんは「1〜9カウント目は神様のような類に問答無用で数えられる。でもカウント10だけは、自分の諦めが数えるもの」という内容を歌にしています。「どうして自分の家庭だけが不幸なのだろう?」そう考えたこともありましたが、最後のカウント10で起き上がり、「自分で自分の人生を決めたい」ーそう思うのです。

こうして「等身大の自分でいたい」という心からの願いに気づけたことで、働くことに対する変なプライドがなくなりました。今までは希望通りの業界ではあるものの、「本社が丸の内にある」「広告代理店」のように、世間的に聞こえがいい会社を選んでいました。

でも今は「アルバイトの清掃員」。モテたいのに清掃員って、そんな自分が一番カッコ悪いんですが(笑)それでもいい意味で、「人と話すのが疲れるから、今は営業はできない」という自分を認めることができました。逆に、背伸びせずに、今の自分にできることをやってやろう、という気持ちになりました。NCSに入る前までは働くことが怖いと思っていたので、今の自分に合っていて、続けられる仕事を選ぶことができたのは大きな一歩だと思います。それをやりながら現在は、youtuberなどの自己表現活動を続けて、自分と同じような境遇にいる人達を勇気づけられるようなそんな存在になれる方法を模索しています。


■NCSで得られたもの:自分を受け入れてくれる仲間の後押し。「誰もが自分らしさを出していく」を実現すべく表現活動を開始!

前述のワークも重要ですが、NCSの真価は「自分の価値観について聞いて寄り添ってもらい、ありたい姿を後押ししてくれる仲間の存在」にあると僕は思っています。そうした人対人の中で生まれていく心地の良さや癒しのようなものに触れ、「自分が受け入れられる環境にいていいんだ」と自分を認め、前に進むことができました。

仕事をやめたとき、地域にある相談窓口に悩み相談をしようとしたことがあります。でも、何回電話しても、電話中でつながらなかったのです。世の中の多くの人が自分の思ったことを話して、受容してくれる場を求めているんですよね。NCSには自然と、人を好きになり、思いに寄り添える人が集まってくるのです。

そんな仲間の支えがあったから、自分にも他人にももっと「いいね!」と言える存在になりたくて、2020年9月からNCSのメンター講座を受講しはじめました。NCSの設立者である喜多さんから、人との向き合い方を徹底的に教えてもらいました。もう少し経済的に自立したら、本格的にメンターとしてNCSの運営に関わっていきたいです。

また、「誰もが自分らしさを出していく」を表現したいです。自分が作った何かを見て、「自分らしく生きていきたいな」と思う人を増やしていきたい、と。具体的には、THE BLUE HEARTSの「リンダ リンダ」という曲にあるように、写真には映らない、内面にある美しさみたいなものを表現していく、どぶねずみエンターテイナーになっていきたいです!

その1つの目標として、将来、アニメを作成したいです。登場するキャラクターがストーリーの中で、いろんな選択をしていきます。そんな場面を通して、面白おかしく、でも心が温まるような、泥臭さもある、そして「自分を愛する大切さ」を感じられるような作品を表現していきたいなと思っています。

また現在は、以前から手掛けていたYouTubeのラジオ番組を再開し、絵やキャラクターを描く練習もしています。ポエムも書いたので、良かったら読んでいただけると嬉しいです。

心にパンチをするボクサーになりたい。
最近も結構しんどい。
自分がやりたいことの方向性が、なんとなくは分かったが・・・、コレだ!と言えるものには出会えていない。
何かをクリエイトする方法は沢山あるが、何が自分らしくを体現させてくれるのか。
もどかしいが、一つ一つ試して、生きていきたいと思います。
常に心のどこかで、現実的に考えて・・・とか、それをやって結局何になるんだよ・・・と冷めた自分がいる。
倒せる日もあるし、倒される日もあるけど、僕が創った何かを見た誰かに、自分らしく在りのまま生きていってほしい。
やりたいと思えた情熱を大切にしたい。

■おわりに:NCSを受講しようか迷っている方へ

ここまで読んでくださったみなさま、ありがとうございます。

繰り返しになりますが、NCSのワークはとても魅力的です。やりたいことが見つかります。でも、やりたいことを実現させるために本当に必要なのは人との関わりや、自分が周りに受容されているという経験だと僕は思います。

NCSに何か惹かれるのは、今の生活で何かモヤモヤしていることがあるからではないでしょうか?

自分の価値観や思いを表現し、「めっちゃいいじゃん!」って言われることを積み重ねたとき、自分は変われるし、本当の自分の願いに近づけると信じています。この受容される感覚を是非、もっといろんな方に味わっていただけたら嬉しいな、と思います。


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インタビュアー・ライター:鈴木美朝

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