新潟市中央区オステオパシー(整体)

『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が、宣伝と趣味を兼ねて小説を投稿していま…

新潟市中央区オステオパシー(整体)

『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が、宣伝と趣味を兼ねて小説を投稿しています。どうぞ読んでみてください。

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  • 小料理屋の悲劇 Kamikawa's Case Files

    現在は交番勤務だが、元は県警の刑事部捜査一課で「捜一の若きエース」と噂されていた警察官・上川の活躍を描く、短編ミステリー小説。上川と顔なじみになった女子大生・宇野が、上川のいる交番に相談に来た。彼女の友人・江藤が、バイト先の小料理屋で起きた殺人事件の重要参考人になってしまい、精神的に不安定になっているという。上川は、事件の解決に乗り出すことにした。

最近の記事

小料理屋の悲劇 #7

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです #6へ戻る 私たちは江藤のアパートまで走った。何が起きているのかさっぱりわからなかったが、あの郵便配達員が真っ当な人間ではないことだけは確かで、私は江藤と宇野を助けることだけを考えた。足の速さは私が一番で、私が最初にドアを開け、江藤の部屋の中に入っていった。 まず、男性の後ろ姿が目に飛び込んだ。その奥、部屋の隅に、宇野がいた。宇野の背後に江藤がいて、宇野が身を挺して江藤をかばっていた

    • 小料理屋の悲劇 #6

      *この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです #5へ戻る 残念ながら、いくら上川を買っている織部であっても、江藤の張り込みに十分な人員を用意することはできなかったようだ。唯一、織部とともにこの事件の捜査をしていた泉野舞子(いずみのまいこ)という女性刑事が、その手伝いに来てくれた。ショートカットで小柄な、元気のよい女性だ。年齢は40歳でバツイチ、県警の大会で上位入賞したことがあるほど柔道が強く、上川のことも知っていて二人はわりと仲が

      • 小料理屋の悲劇 #5

        *この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです #4へ戻る 最後の重要参考人・田部正人だが、越潟駅近くの自宅マンションは留守だった。その時点で午後8時半を過ぎていたが、まだ職場から戻っていないのだろう、と織部は言っていた。織部によると、田部は単身赴任で越潟に来た会社員で、建設用資材を製造・販売する会社の越潟支店に勤めているらしい。 そこで、「会社に行ってしまいましょうか」と上川が言い出したが、「さすがにそれは強引すぎるだろ」と織部

        • 小料理屋の悲劇 #4

          *この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです #3へ戻る 次の訪問先である江藤芽衣のアパートまで車で向かう途中に、織部が言った。「おい、近々犯人を逮捕できると思うって……、いいのか?そんなこと言って。もう見当がついてるのか?」 「できると思う、ですから」おかしそうに上川は答えた。「そう思ってても、できない可能性だって残ってるわけです」 「なんだよ……!政治家の言い訳みたいだな」 「県警内の政治でしくじった俺ですから、そういう

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        • 小料理屋の悲劇 Kamikawa's Case Files
          7本

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          小料理屋の悲劇 #3

          *この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです #2へ戻る 上川は織部に、今晩中に宇野、高坂、田部に会いたいと申し出た。織部はこの事件の捜査をしている刑事であるため、熱心な上川の申し出を、断る理由がなかった。一方、私は上川の見張り役とはいえ、彼が事件を解決しようがしまいが特に関係はないため、正直に言えば早く帰りたかった。だが、そう言い出せる雰囲気ではなかった。 3人とも重要参考人であり、いきなり訪ねた方が得られるものが大きいかもし

          小料理屋の悲劇 #2

          *この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです #1へ戻る 勤務を終えたその日の夕方、私と、一度自宅で休み再び交番で合流した上川は、織部涼介(おりべりょうすけ)の運転する警察車両に乗せてもらい、事件現場である小料理屋『癒し安らぎ』へ向かった。上川は、県警でこの事件の捜査に関わっている織部と連絡を取り、事件の情報を求め、その代わりに自分も事件解決に協力すると申し出たようだった。上川は制服を一度脱ぎ、カジュアルな私服で現れた。織部はスー

          小料理屋の悲劇 #1

          *この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです 越潟(えつがた)県中央部の所轄署である越潟警察署の地域課に勤める私・杉田昇(すぎたのぼる)は、署内の直属の上司と、その上の県警の上司に命じられ、ある男の見張り役をしていた。その男は上川光希(かみかわみつき)という名で、私と同じ越潟警察署の地域課に勤め、ともに交番勤務をしている。彼は、一度県警の刑事部捜査一課に呼ばれ活躍していたが、所轄署に戻っていた。私も詳しくは知らないが、上司との間にト