新潟市中央区オステオパシー(整体)

『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が、宣伝と趣味を兼ねて小説を投稿していま…

新潟市中央区オステオパシー(整体)

『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が、宣伝と趣味を兼ねて小説を投稿しています。どうぞ読んでみてください。

マガジン

  • 深夜に消えた客 Kamikawa's Case Files

    営業をしていたマンションの一室で、整体師の天城幸助が毒を飲んで死んだ。誰かが室内にいて、彼とともに飲食をし、部屋の鍵を閉めて出ていった痕跡があった。しかし、それが誰か、なぜ鍵を閉めて出ていったのかが、謎だった。現在は交番勤務だが、元は県警の刑事部捜査一課で「捜一の若きエース」と噂されていた警察官・上川の活躍を描く、短編ミステリー小説第2作。

  • 小料理屋の悲劇 Kamikawa's Case Files

    現在は交番勤務だが、元は県警の刑事部捜査一課で「捜一の若きエース」と噂されていた警察官・上川の活躍を描く、短編ミステリー小説。上川と顔なじみになった女子大生・宇野が、上川のいる交番に相談に来た。彼女の友人・江藤が、バイト先の小料理屋で起きた殺人事件の重要参考人になってしまい、精神的に不安定になっているという。上川は、事件の解決に乗り出すことにした。

記事一覧

深夜に消えた客 #7

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです #6へ戻る やってきたのは、毎度おなじみの宇野凛々子だった。 「え?宇野さ…

深夜に消えた客 #6

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです #5へ戻る 翌日は上川は休日で、その次の朝、私は彼と再び交番で顔を合わせた…

深夜に消えた客 #5

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです #4へ戻る 天城の自宅を出た私たちは、一度事件現場となったマンションの前を…

深夜に消えた客 #4

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです #3へ戻る 事件現場のマンションから、歩いて10分弱のところに、天城の自宅は…

深夜に消えた客 #3

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです #2へ戻る 私たちは再びマンションの中に戻り、今度はエレベーターの脇にある…

深夜に消えた客 #2

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです #1へ戻る 翌日の夜、私は上川に誘われ、事件現場となったマンションに向かっ…

深夜に消えた客 #1

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです 今年もまた前年のような猛暑になるのかどうかを心配していた、2024年の初夏だ…

小料理屋の悲劇 #7

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです #6へ戻る 私たちは江藤のアパートまで走った。何が起きているのかさっぱりわ…

小料理屋の悲劇 #6

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです #5へ戻る 残念ながら、いくら上川を買っている織部であっても、江藤の張り込…

小料理屋の悲劇 #5

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです #4へ戻る 最後の重要参考人・田部正人だが、越潟駅近くの自宅マンションは留…

小料理屋の悲劇 #4

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです #3へ戻る 次の訪問先である江藤芽衣のアパートまで車で向かう途中に、織部が…

小料理屋の悲劇 #3

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです #2へ戻る 上川は織部に、今晩中に宇野、高坂、田部に会いたいと申し出た。織…

小料理屋の悲劇 #2

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです #1へ戻る 勤務を終えたその日の夕方、私と、一度自宅で休み再び交番で合流し…

小料理屋の悲劇 #1

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです 越潟(えつがた)県中央部の所轄署である越潟警察署の地域課に勤める私・杉田…

深夜に消えた客 #7

深夜に消えた客 #7

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです
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やってきたのは、毎度おなじみの宇野凛々子だった。

「え?宇野さん?」彼女を見て、私は声を出した。

上川は、大笑いをしていた。

「あははは!宇野さん、何でまた、このタイミングで!そりゃ驚くよな、杉田も!あはははは」

「え?え?何ですか」宇野は私たちの様子を見て、不思議そうな顔をした。

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深夜に消えた客 #6

深夜に消えた客 #6

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです
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翌日は上川は休日で、その次の朝、私は彼と再び交番で顔を合わせた。

「あの夜、泊まったんでしょ?事件現場に。どうだった?」私は尋ねた。

「静かなマンションだね。よく眠れたよ」

「よく眠れるな……」私は呆れた顔をした。

「もう寒くないからね。エアコンつけないで布団かけないで、ちょうどいいぐら

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深夜に消えた客 #5

深夜に消えた客 #5

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです
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天城の自宅を出た私たちは、一度事件現場となったマンションの前を通りかかり、そこから越潟駅に向かう方向へ、5分強歩いた。大通りに面した9階建てのマンションがあり、そのうちの一室に、事件現場の部屋の大家が住んでいた。大家は越潟市内で事務所を経営する弁護士で、榎本信哲(えのもとのぶてつ)という男性だっ

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深夜に消えた客 #4

深夜に消えた客 #4

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです
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事件現場のマンションから、歩いて10分弱のところに、天城の自宅はあった。大通りから折れて少し細い道に入ったところにある、まだ新しい一軒家だった。2階建てでこぢんまりとした、赤い屋根に白い外壁の家で、駐車場にはセダンが一台止められていた。夫婦二人で住むには十分な間取りだろう。整体師はこの家を建てら

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深夜に消えた客 #3

深夜に消えた客 #3

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです
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私たちは再びマンションの中に戻り、今度はエレベーターの脇にある階段を使って、2階へ向かった。そして209号室のドアホンのチャイムを鳴らすと、若い男性がそれに応答し、ドアを開けて姿を見せてくれた。半袖半ズボンの寝巻姿だった。20代前半に見える。背が高くやせていて、髪の毛を真ん中で分けていた。

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深夜に消えた客 #2

深夜に消えた客 #2

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです
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翌日の夜、私は上川に誘われ、事件現場となったマンションに向かった。12階建てで、古いがきれいに管理されている建物だった。現地集合で、私が着くころには上川がすでにいて、数分すると泉野がやってきた。小柄でショートカット、バツイチの、柔道が強い女性だ。泉野の上司で上川とも親しい織部警部は、忙しいため、

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深夜に消えた客 #1

深夜に消えた客 #1

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです

今年もまた前年のような猛暑になるのかどうかを心配していた、2024年の初夏だった。私が日勤を終え帰ろうとする頃、当直でそのまま交番に残る予定の上川光希(かみかわみつき)を、宇野凛々子(うのりりこ)が訪ねてきた。上川は、同じ交番に勤務する私の同僚だ。彼は元々県警の刑事部捜査一課にいたが、そこで上司とトラブルを起

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小料理屋の悲劇 #7

小料理屋の悲劇 #7

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです
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私たちは江藤のアパートまで走った。何が起きているのかさっぱりわからなかったが、あの郵便配達員が真っ当な人間ではないことだけは確かで、私は江藤と宇野を助けることだけを考えた。足の速さは私が一番で、私が最初にドアを開け、江藤の部屋の中に入っていった。

まず、男性の後ろ姿が目に飛び込んだ。その奥、部

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小料理屋の悲劇 #6

小料理屋の悲劇 #6

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです
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残念ながら、いくら上川を買っている織部であっても、江藤の張り込みに十分な人員を用意することはできなかったようだ。唯一、織部とともにこの事件の捜査をしていた泉野舞子(いずみのまいこ)という女性刑事が、その手伝いに来てくれた。ショートカットで小柄な、元気のよい女性だ。年齢は40歳でバツイチ、県警の大

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小料理屋の悲劇 #5

小料理屋の悲劇 #5

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです
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最後の重要参考人・田部正人だが、越潟駅近くの自宅マンションは留守だった。その時点で午後8時半を過ぎていたが、まだ職場から戻っていないのだろう、と織部は言っていた。織部によると、田部は単身赴任で越潟に来た会社員で、建設用資材を製造・販売する会社の越潟支店に勤めているらしい。

そこで、「会社に行っ

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小料理屋の悲劇 #4

小料理屋の悲劇 #4

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです
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次の訪問先である江藤芽衣のアパートまで車で向かう途中に、織部が言った。「おい、近々犯人を逮捕できると思うって……、いいのか?そんなこと言って。もう見当がついてるのか?」

「できると思う、ですから」おかしそうに上川は答えた。「そう思ってても、できない可能性だって残ってるわけです」

「なんだよ…

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小料理屋の悲劇 #3

小料理屋の悲劇 #3

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです
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上川は織部に、今晩中に宇野、高坂、田部に会いたいと申し出た。織部はこの事件の捜査をしている刑事であるため、熱心な上川の申し出を、断る理由がなかった。一方、私は上川の見張り役とはいえ、彼が事件を解決しようがしまいが特に関係はないため、正直に言えば早く帰りたかった。だが、そう言い出せる雰囲気ではなか

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小料理屋の悲劇 #2

小料理屋の悲劇 #2

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです
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勤務を終えたその日の夕方、私と、一度自宅で休み再び交番で合流した上川は、織部涼介(おりべりょうすけ)の運転する警察車両に乗せてもらい、事件現場である小料理屋『癒し安らぎ』へ向かった。上川は、県警でこの事件の捜査に関わっている織部と連絡を取り、事件の情報を求め、その代わりに自分も事件解決に協力する

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小料理屋の悲劇 #1

小料理屋の悲劇 #1

*この物語は、『新潟市中央区オステオパシー(整体)』の施術者が創作したフィクションです

越潟(えつがた)県中央部の所轄署である越潟警察署の地域課に勤める私・杉田昇(すぎたのぼる)は、署内の直属の上司と、その上の県警の上司に命じられ、ある男の見張り役をしていた。その男は上川光希(かみかわみつき)という名で、私と同じ越潟警察署の地域課に勤め、ともに交番勤務をしている。彼は、一度県警の刑事部捜査一課に

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