🍳一週間のフード・デリバリー関連ニュースまとめ［2021/1/25～31］

正木伸繁 @nbmasaki　🍣デリバリー事業会社マーケ担当

2021年2月1日 07:17

TOP画像は、愛知県の岡崎市にあるダイワスーパーが手掛けるフルーツサンド（fruits and season）です。

店内はフルーツサンド一色！

こちらがマンゴー。

もはや90%がマンゴー。１個約1,500円なり！！！（時価）

おにぎりに例えると、マンゴーが具材でパンがごはん…ではなく、マンゴーがごはんでパンがのり、という比率。
もはやマンゴーを食べるため、つかみやすいように＆手を汚さないようにパンが巻かれている、とも解釈できます（笑）

圧倒的な商品力ももちろんですが、いろいろ見ていくと練られた戦略が見えてきます。

店頭での購入体験を重視
・行列ができていても効率的に捌く工夫（待機者にメニューを配る、モバイルオーダーを導入する等）をあえてしない。
・商品説明等は一切無く、店員と会話しながらじっくり選ばせる。

圧倒的な商品力を生かす
・仕入れ状況によって価格を変動させる→原価の呪縛から解放される
・店内には値段の表記も無し→ついつい買いすぎてしまう（種類によって600円～1500円くらいまでかなり幅がある）
・持ち帰り袋も紙じゃなくビニール製で中身が丸見えなので、持ち歩いているだけで周りの目を引く（考えてみればビニール袋1枚20円も高いと思いますが、店内ではもはや麻痺）※保冷バッグもあり
・さらに最近流行りのビーガン仕様（豆乳クリームですが通常のクリームとなんら遜色なく、むしろこちらの方が美味しいくらい）

プレゼント需要も多そうで、一人4～5個程度は買っているので、客単価は3,000～5,000円くらいにはなるかも。

唯一の欠点はクレジットカード決済が不可なこと。（LINEPay PayPay auPayはOK）

開店時から行列ができるので、UberEats等、デリバリーに対応したらかなり需要はありそうです。

📰プレスリリース

📰フードデリバリーアプリmenu×都市型ホテル「the b ホテルズ」ホテル客室までお食事をお届けするサービス

menu株式会社が運営するフードデリバリーアプリ「menu」は、全国主要都市で都市型ホテルを運営する「the b ホテルズ」と連携し、「menu」での注文にて、客室までお食事をお届けするサービスを開始。

ホテルだとセキュリティ上フロント渡しになることも多いですが、ここでは客室までお届け可能ということですね。

注文時に特別な遷移フローがあるわけではなく、単純にホテルの住所やホテル名、部屋番号まで入力すればOK、ということだと思います。

📰休業中の飲食店がクラウドキッチンに！出張シェフサービス「シェアダイン」、デリバリー対応シェフも登場！

出張シェフサービスの『シェアダイン』は、休業中の飲食店舗をクラウドキッチンとして活用、登録シェフがお客様のリクエストにお応えし、ライフスタイル・ライフステージに合わせたパーソナライズ料理をご自宅までお届けするデリバリーサービスを、期間限定で開催。

緊急事態宣言に対応した期間限定の施策ですが、「休業中の飲食店舗をクラウドキッチンとして活用」とは面白いですね。

また、それだけでなく、シェアダインらしく"シェフ"を選ぶことにより、「シェフとやりとりしながら”パーソナイズ・メニュー”をオーダー」できるあたり、なかなか他では真似できないサービスです。

📰代替肉の「ネクストミーツ」アメリカ上場。SPACによる米国証券市場への参入でナスダックを狙う【NEXT MEATS】

日本の代替肉ブランドとして世界展開を進めるネクストミーツが、SPACスキームによりOTCBBのブランクチェックカンパニーを買収し、実質的にアメリカで株式公開企業となった。

「SPACスキームによりOTCBBのブランクチェックカンパニーを…」と、最初は何が何だかわかりませんでしたが、こちらの記事がとても参考になりました。

日本では代替肉という具体的なプロダクトを作り事業を展開していますが、「ナスダック市場への上場を果たすことで、世界最大の代替肉ブランドを目指す」とあるように、世界展開する上での布石ということですね。

📰ドローンによる医薬品配送の実証実験を実施

株式会社オートバックスセブンの100%子会社である株式会社エー・ディー・イーは、地域活性化に関する取り組みの一つである介護福祉分野における移動支援・生活支援として、訪問医療時の突発的な医療品不足の解消による地域医療の負担軽減を目的に、大分県竹田市宮砥地区でドローンによる医薬品配送の実証実験を実施。

フードではないのですが、実に７つの機関が連携して医薬品＆ドローン配達、ということで、なかなか大規模な取り組みですね。

🗾国内のニュース

🗾デリバリー料を全額助成へ　期間限定で熊本市

熊本市は、感染拡大を防ぐ「新しい生活様式」を促進することを目的に、飲食店の食事宅配サービス利用料を助成すると発表。今回、熊本市が発表したのは、消費者が負担する分の配達料を助成するというもの。

市民のデリバリー利用を促進しつつ、飲食店を手助けする施策で、詳細は熊本市のHPに載っています。

基本的な流れは、
　①宅配サービス側が該当注文における配達料をゼロにして配達
　②月次で取りまとめて熊本市に請求
　③配達料分の金額が入金
というものです。

実際にどのような変化が見られるのか興味深いです。

🗾【国内初】 ZMP自動宅配ロボット「デリロ」が10店舗の商品を対象顧客にデリバリー　佃・月島エリアで実証実験

ZMP、ENEOSホールディングスおよびエニキャリは東京都中央区佃・月島エリアにおいて自動宅配ロボット「デリロ」を活用したデリバリー実証実験を2021年2月8日～2月26日の間に実施することを発表した。

「飲食店やコンビニなど複数店舗の商品を自動宅配ロボットでデリバリーする取り組みは、国内初。」ということですが、まだ配送先は固定されているようですね。

具体的に商品をどこでピックアップして、どのようにユーザが注文するのか詳細が気になるところですが、エニキャリが入っているということは、ガソリンスタンドに商品が届けられ、それをデリロが配達する、という流れなのかもしれません。

🗾渋谷ストリーム／メゾンカイザーとミート矢澤コラボ店など3店オープン

渋谷ストリームは、メゾンカイザーとミート矢澤がコラボレーションした「ミートカイザー」を2021年春オープンすると発表。「ミートカイザー」は、メゾカイザーの木村周一郎氏が、最高級黒毛和牛を使用した極上ステーキ・ハンバーグ専門店「ミート矢澤」とタッグを組んだ新業態。

面白いコラボですね。「ミートカイザー」という名前もカッコいいです。

また、「2月中旬には、有名店の商品やデリバリーサイトの人気メニューなど複数の業態を1つの厨房から提供する"ゴーストレストラン"をスタート。」とあるように、商業施設のレストランも変化が見られますね。

🗾シャトレーゼ、亀屋万年堂を買収　和菓子FC展開へ

総合菓子メーカーのシャトレーゼホールディングスは、「ナボナ」で知られる老舗菓子メーカー、亀屋万年堂を買収した。同社と生産会社の亀屋万年堂製菓の全株式をシャトレーゼグループが取得し、子会社とした。

「山梨の新店舗をモデル店として、21年度以降に全国でフランチャイズ展開を進める計画。」とのこと。

（蛇足ですが、亀谷万年堂のHPのURLは"navona.co.jp"なんですね驚）

🌎海外のニュース

🌎フードデリバリー「Wolt」が約550億円の資金調達、日本では100都市での展開を目指す

Woltは世界の新規都市への進出と経営基盤の強化を目的として、約550億円の資金調達を実施。累計調達額は約888億円となった。ジャパン・カントリーマーケティングマネージャーの新宅暁氏によると、今回調達した資金は日本市場においては主に基盤強化のために使われるという。

日本では順調にエリアを拡大してきていますね。

また、記事には「現在、日本ではコンビニ、スーパーマーケットやさまざまな小売店と話をしていて、上半期には何かしらの取り組みをスタートさせたいと思っています。」とあるように、デリバリーの第２段階ももうすぐ始まりそうです。

🌎ウーバーは、なぜ法人向けクーポンを強化したのか？：小売業者を惹きつける、新たな一歩

競合であったポストメイツの買収を完了した同社は、クーポンプログラムのウーバーバウチャーズを全面的に刷新すると発表。今回のビジネス向けのアップデートでは、企業が自社ロゴを使って顧客に（ウーバーで利用可能な）クーポンを送ることができるようになる。

「今回のバージョンでは企業が独自のクーポンプログラムを作成し、それぞれ個別にカスタマイズすることができる。」とありますが、これは今後日本でも展開されるていくのか気になります。

特に外食チェーン店は存分に活用してきそうですね。

🌎【コカ・コーラ】、新商品はウォルマートからドローンで宅配！ＩＴマーケティング販促？

コーヒーとコーラをミックスした新商品｢コカ・コーラウィズ・コーヒー｣を発売したコカ・コーラは、ドローンを使ったマーケティング・キャンペーンを行う。流通チェーン最大手のウォルマートとドローン開発スタートアップのドローンアップと提携し、ウォルマートからドローンを使って無料で利用者に新コーラを届けるというもの。

コーヒーとコーラをミックスした商品…は置いといて、ドローンを販促活用するとは、どちらも斬新ですね。
「炭酸飲料であることから、空輸中に揺れて爆発をしないよう厚手のダンボールに入れられている。」とのこと（笑）

ウォルマートはドローンの活用が進んでいます。

🌎海外注目7社から見るFoodTechスタートアップのトレンド

この記事ではFoodTech動向を象徴するように思われる海外スタートアップで注目の7社をご紹介。
※本記事は2020年10月にCoral Capitalが主催した記者向け勉強会の概説セッションをまとめたもの。このセッションは動画でもご覧いただける。

RappiやInstacartというデリバリーサービスだけでなく、フードテック界隈のスタートアップが紹介されています。

🌎ドイツで当日配達サービスの停止相次ぐ。理由は需要が少ないため。

ドイツの大手宅配便業者の多くは、当日配達サービス提供を停止している。理由は非常に単純で、ドイツでの当日配達の需要があまりにも少ないからだ。

フードというわけではなくあくまでもEC宅配という立ち位置だと思いますが、面白いですね。

「顧客は、注文したその日に商品が配達されることにあまり関心がなく、正確な配達時間を適切に通知されることの方が重要であると考えている。」ということで、これはもはや国民性なのでしょうか。

以上。

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