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シンプルにする為に

「愚直なほど簡潔に。(Keep it stupid.)」
マクドナルドを全世界に拡げたレイ・クロックが大切にしていた考え方の一つです。

フランチャイズビジネスを世界展開していく為に、
味、オペレーション、サービス、クリンネスなどの品質管理から
付加価値へ繋げていく為に必要な考え方だと私は認識しており、
一定レベル以上を保っていく為には「愚直に」「簡潔に」が大切だと捉えました。

「簡潔」というと、「シンプル」という言葉が出てくるのですが、
私は、シンプルにするということは一般的な言葉のイメージ以上に大切と考えます。

もちろん、シンプルにすることの危うさというものも存在するのも事実です。
文脈と前提条件を間違えてしまうと、なんでもかんでもシンプルがいいと
考えがちになって、何でも簡単で手軽で省略された「情報」を得るだけになります。

時には時間を掛けることも、複雑なことを複雑なまま理解することも
大事なことは前提ではあるのですが、ことビジネスに限っては、
シンプルさが強みになることが本当に多いと考えています。

では、どうやってシンプルにするのでしょうか。

私が普段行っている方法としては、「見える化」です。
オペレーションやフローなどを全て書き出した上で、
本当に必要なことを残し、簡潔にできる内容を置き換える、省くなどを行います。

その作業は「本質を抽出する」行為にも似ていると考えていて、
いかに必要な要素を絞って、必要な要素以外の工程を削っていくことを表します。

この行為を行うことで、工程自体がスリム化し、
中身がより簡素化されることによって、オペレーションも均一化でき、
透明度が高まることによって、カイゼンのし易さも高まると考えています。

仮に、属人化している業務が仕事の中に存在するのであれば、
それは過度に複雑化していることが前提だと考えており、
簡素化することによって、誰でもできる業務に生まれ変わる事ができます。

また、感覚的なシンプルさでいうところで言えば、
私は収斂すること、研ぎ澄ましていく行為もシンプルさに繋がると考えており、
デザイン要素にも転用できるのかなと考えております。

その場合、「心に刺さる」という深層心理にディープに掘っていく事が
大事だと考えており、この行為を丁寧に行っているのが、絵画といった
芸術であったり、商業的にはプロダクトの洗練された製品に繋がると考えます。

その過程は、1mm単位もしくはそれ以下の細かな要素の微調整により、
圧倒的な試行錯誤とトライアンドエラーで生み出されると考えており、
見る方の目線や動作や感情ですら、イメージしデザインすると考えます。

結果的に、シンプルにするという行為自体は、
全然シンプルでなく、圧倒的な試行錯誤と、考え尽くす思考が辿り着く、
泥臭い行為の集合体という矛盾もあり、非常に面白いなと個人的には思います。

シンプルにするという行為そのものが強みであり、
武器になるとも考えていて、単純に受け取る側ではなく、
生産する側に立った場合に、シンプルというものの価値は理解できるのかなと。

そして、シンプルにした後、シンプルに捉えた後の
問いこそが本質に近いものだと考えていて、大事なことに近づく行為
そのものが面白さにもつながってくるのかなとも感じます。

シンプルにすること、それ自体は構造的な解決のような要素がありますが、
究極のシンプルというのは、美しさにも繋がるのではないのでしょうか。

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