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【インタビュー】ピアノ+リコーダー+鍵盤ハーモニカの個性派ユニット「おんがくしつトリオ」──結成4年目の“トリオ”と“ごもく”を語る

ピアノ + リコーダー + 鍵盤ハーモニカ。子どもの頃に一度はさわったことのある3つの楽器で、ときにレトロなオモチャのようにかわいく、ときにハッとするほど色っぽいオトナのサウンドを聴かせてくれる、摩訶不思議な三重奏団……

それが「おんがくしつトリオ」。

おんがくしつトリオ
ピアニスト内藤晃の呼びかけで結成され、2015年1月始動。「音楽室で使ったあの楽器、実はこんなに面白い!」をコンセプトに、ピアノ・リコーダー・鍵盤ハーモニカの編成で、上質なアンサンブルを本気で追求している。楽しいアレンジと演奏がインターネットや口コミで話題を広げ、これまでに北海道から福岡県まで16都道府県で公演やワークショップを開催。札幌コンサートホールKitara、ミューザ川崎シンフォニーホールなどの全国主要ホールに招かれ、小学校でのスクールコンサートも19校を数える。2017年秋、海外留学したリコーダー中村栄宏の後任に下中拓哉が加入。NHK-FM「横浜サウンドクルーズ」、インターネットラジオOTTAVA「PrimeSeat Salon」などに出演。2019年、2ndアルバム「ごもくやきそば」をリリース。
https://artist.aremond.net/ongakushitsutrio/

それぞれソロ・アーティストや作編曲家としても活躍している3人が、なぜこのような個性派ユニットを組んでいるのか? 2ndミニアルバム『ごもくやきそば』の聴きどころは? 

いかにも「仲良し3人組」な和気あいあいとしたムードの中に、アンサンブルへの想いやポリシーがキラッと光る、3人のインタビューをお届けします。
(聞き手:ナクソス・ジャパン)

左から、下中拓哉さん(リコーダー)、内藤晃さん(ピアノ)、
菅谷詩織さん(鍵盤ハーモニカ)。

「くっつけたらおもしろそう」からはじまったトリオ

────そもそも、「おんがくしつトリオ」を結成した理由は?

(内藤晃:ピアノ)鍵盤ハーモニカの菅谷詩織と、初代リコーダーの中村栄宏と、それぞれ別の場所で知り合う機会があったんですが、そのとき「この2つの楽器と僕のピアノをくっつけたらおもしろそうだな」とフッとひらめいたのがきっかけです。
僕はレナード・バーンスタインが好きで、特にヤング・ピープルズ・コンサート(バーンスタインが子供むけに企画していたレクチャー・コンサート)から影響を受けています。「ああいうことをやりたい」という想いが、このトリオ結成につながった部分があるかもしれません。
ただ、「くっつけたらきっとこういうサウンドになるだろう」という明確なイメージがあったわけではないです。そこは2人とセッションしながら探っていった感じですね。始動したのは、2015年の1月でした。

(菅谷詩織:鍵盤ハーモニカ)もう4年になるのかあ。早いですね。

(内藤)自主公演だけでなく、学校やホール公演など、いろいろな舞台に出演してきました。去年は、ミューザ川崎シンフォニーホールの大ホールや桐生市文化会館など大きな会場でも演奏する機会がありました。今では、YouTubeで僕たちの映像を観て出演オファーをしてくださる方もいらっしゃいますね。

2代目リコーダーはムードメーカー!

────2017年秋に、2代目リコーダーとして下中拓哉さんが新たにメンバーになられました。内藤さん、菅谷さんから見て、下中さんはいかがですか?

(内藤)演奏ももちろんですが、アレンジができるのが強いですね。

(下中拓哉・リコーダー)僕は尚美ミュージックカレッジ専門学校の作曲コースの出身なんです。卒業後は、吹奏楽や、小学校向けの器楽合奏の編曲作品を手がけています。
リコーダーの講師もしていて、3ヶ月間で150~200校の小学校を回って指導することもあります。1日4、5校なのですごくハードなんですけど、教えに行った先の学校で、器楽合奏の指導などの新しい仕事のお声がけをいただくこともありますね。

────まさに「おんがくしつトリオ」にうってつけの新メンバーですね。

(下中)リコーダー奏者のなかで、学校での指導にかかわっている方は意外と少ないので、その意味ではそうかもしれないですね。

(菅谷)あと、明るい!!ムードメーカーな感じ。

(下中)えっ。僕、ムードメーカーなんだ!?

(内藤)僕たちの現在のアーティスト写真は、千葉県の海辺で撮影したものなのですが、下中くんはその道中、ジープのなかでずーーーっとマシンガンみたいにしゃべってましたからね。まだ会うの3回目なのに(笑)。
下中くんはラテン音楽が好きなんですよ。好きな音楽ってやっぱり人が表れますよね。

(下中)たしかに、休符で語るタイプではないかも……。

(内藤)僕は逆で、休符で語りたいタイプ。フェデリコ・モンポウが好きなくらいなので。

オリジナル音楽用語「ザー」とは?

──全員それぞれ異なる個性があって、しかも全員アレンジができるというお三方ですが、「おんがくしつトリオ」のアレンジはどういう分担で行っているんですか?

(菅谷)立候補制ですかね。だいたい、レパートリーを提案する人が、すでに編曲のイメージを持っていることが多いので、その人が担当することが多いです。で、その人がベースになる楽譜をつくって、それをもとに3人でセッションしてみて調整していく感じですね。

(内藤)アドリブ部分は、個々人に任せることが多いです。鍵盤ハーモニカのパートには「ザー」って書くことがあります。そうすると鍵ハモが「ザー」ってやるんですよ。

──「ザー」?????

(内藤)弦楽器風に、包み込むように和音で音を出すという意味です。

(菅谷)ホントに楽譜に「ザー」って書いてあって、そのあとは白紙で16小節。

(下中)リコーダーに関しては、楽譜に当たり前のように「2本で」って書いてあってビックリしました。要するに、リコーダー2本を口にくわえて同時に吹くことなんですが、学校でそういう吹き方の勉強はしないし、古楽演奏でもやらないわけで……。

(内藤)だってほら、和音を出してほしかったりするから。

(下中)ソプラノ+ソプラノとか、ソプラノ+アルトならまだしも、「テナー+バス」って書いてあったりしますからね……!
といいつつ、最近は僕も自ら「2本で」という指示を書いています。このトリオにはやっぱり2本吹きが必要だと悟ってしまいました。サウンド的な意味でもそうですが、見た目のインパクトも大きいですからね。コンサートでも真っ先に「2本で吹くやつすごかった~!」という感想を言ってもらえたり。すごいのはそこだけじゃないんですけど(笑)。

(内藤)ピアノで、指をすべらせるグリッサンドという弾き方をすると、「あれすごかった~!」って言われるのと一緒ですね。

2ndミニアルバム『ごもくやきそば』~自薦ポイント「ここを聴いて!」

──さて、おんがくしつトリオの2ndにして新生トリオ初のミニアルバム『ごもくやきそば』がリリースされました。クラシックからエルトン・ジョンの名曲までさまざまなジャンルの曲が5トラック収録されていますが、バラバラの曲をただ寄せ集めているのではなく、統一されたテイストがあるなと思いました。まさに『ごもくやきそば』ですね。

おんがくしつトリオ 2ndミニアルバム『ごもくやきそば』
2019.2.15リリース
CD,  音楽配信(通常音質&ハイレゾ)

1. オー・シャンゼリゼ
2. デカリシモ
3.《くるみ割り人形》から<トレパック>
4. Your Song
5.《動物の謝肉祭》から<フィナーレ>

Amazon, 楽天ナクソスミュージックストア,
e-onkyo music, mora, iTunes Store, Spotifyなどで販売・配信中。詳しくはこちら

(内藤)アルバム全体が「おんがくしつサウンドに染まっている」と感じていただけたらうれしいです。

──このアルバムの中に「ザー」はあるんですか?

(菅谷)あります!!「Your Song」(トラック4)は「ザー」だらけです。楽譜見て、「ああこれはザー担当ね」って。

(内藤)ピアノがメロディを取って、リコーダーとハモらせて、それを背後で鍵盤ハーモニカが包み込んでいる、という曲ですね。

(下中)2本吹きもしてます!すごく自然に聴こえると思いますが、とても頑張ってるので気づいてあげてください。重ね録りしてるわけじゃありませんよ~!

(菅谷)私がぜひ聴いてほしいのは、鍵盤ハーモニカの「両手弾き」が多い「オー・シャンゼリゼ」(トラック1)ですね。両手で弾くのはピアノだとあたりまえのことですが、鍵盤ハーモニカだと、左手が逆手になるので難しいんですよ。この曲は特に、右手と左手でまったく違う音を奏でているので、ふたりで弾いているかのように聴こえると思います。自分としてはしてやったりですね。

(内藤)「動物の謝肉祭」(トラック5)も、サウンドの層が厚い曲。たった3人で、しかもリコーダーや鍵盤ハーモニカのような、よちよちしたイメージの楽器でやっているようには聴こえないんじゃないかな。

(下中)この曲はピアノも大変ですよね。原曲は2台のピアノなのに、それを1人で弾かなきゃいけないので。

──「ごもく」の編成の妙なのだと思いますが、この曲、クラシック音楽のように聴こえないですね。ディズニー映画で動物がおっかけっこしているときの劇伴曲のように聴こえます。

(内藤)そうですね。この曲はYouTubeに動画も上がってるので、ぜひそちらもご覧いただければ。映像も見ると、ええぞう?

(菅谷)………………って、書いといてください(笑)

●次回コンサートはこちら
2019/05/18 (Sat) おんがくしつトリオコンサート
ヤギヤ(石川県金沢市)
https://artist.aremond.net/ongakushitsutrio/schedule/

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