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NAVICUS九州CEOが語る - LOCALと生きる -


プロフィール

株式会社NAVICUS九州
CEO 渡邉一平

1979年長崎市に生まれ、高校まで長崎で過ごしました。大学進学をきっかけに32歳まで神戸、大阪に住み関西の「お笑い文化」に触れる事ができたのは今では財産です。関西でWEBマーケティングの会社に就職し、2008年転職を機に事業再生コンサルティングに携わり、32歳まで様々な業種業態の会社の事業を再生する為に正に脳に汗をかきながらやり切りました。そんな中注目されていたのがTwitterをはじめとしたSNS。各業態に取り入れ広報の一部に活用、SNSを一つの武器として事業に携わる事になりました。その後SNSの幅広い可能性に気づき、cafe/洋菓子店/鍼灸院/福祉サービス等多種多様のSNS運営に関わりました。この時は長崎に戻ることになるとは全く思っていなかったのですが、当時の社長に「地方に事業を作る」の号令で長崎に事業を作ろうと長崎を視察しました。結果は「NG」。長崎に事業となりえる魅力はないという厳しい現実が待っていました。今考えると私の提案が全く稚拙でその時の社長の判断は全く間違ってないと思っておりますが、当時は悔しさともどかしさを感じました。
この事をきっかけに長崎の事を考える機会が増え、長崎の歴史や文化に触れる機会を多く持ち、外からが難しいなら「長崎の中の人」になって事業を作り長崎に貢献していく覚悟で長崎にUターン。長崎のアパレルショップに入社、Facebookによる集客を中心にSNS運用を担当。また小規模通所介護施設「ひばり」を開所し、その後放課後等デイサービス2店鋪を開所し、運営に従事する中で地域の課題に向き合い、地域を巻き込み音楽イベントの開催や長崎南倫理法人会の開設・設立に携わるなど様々な取り組みを行う中、SNSを中心としたWEBマーケティングの会社を作るというプロジェクトに参画する事となりました。
2022年10月株式会社NAVICUS九州の立ち上げ時から常務取締役として参画、2023年3月CEOに就任しました。

地方創生の難しさ

地域への貢献は捉え方とスタンスがとても難しいと感じています。例えば、
・自治会に入り主体的に活動する
・公共の場所を綺麗に保つ(ゴミ拾い)
・ボランティア活動として地域イベントを開催する
・小さなコミュニティを作る(高齢者等社会的弱者のサポート)
など、どれもこれも非常に大事な取り組みではあるし、個人で出来る立派な地域への貢献ですが、ふと「これで地域って元気になるんだっけ?」「いわゆる地域創生のための動きになっているんだっけ?」と長崎にUターンして10年経って10年前の長崎に貢献するんだ!という思いはどんなスタンスだったかと考えるようになりました。
地方というのは、ビジネスモデルが作り辛い(儲かりにくい)、「人」という資源が圧倒的に少ない、という良く聞く課題は確かに思い当たる事も多く、地方創生にトライする事はとてもタフな事だなと考えるようにもなりました。とはいえ、「大好きな長崎」「生まれ故郷である長崎」と共に成長出来る可能性をずっと探り続けています。

株式会社NAVICUS九州

SNSマーケティングの会社を長崎に作る。その話を聞いた時すぐに「はい!喜んで!」と返事した事を覚えています。NAVICUS九州に関わる人を紹介いただき、全てのピースがはまっていく何かを感じました。

「NAVICUS」という社名には、我々の存在意義を示す複数の意味合いが込められています。
まず最初の由来として、NAVICUSは、人を「靡かす(なびかす)」という意味を持たせてます。これは、私たちが事業を通じて、人々が自身の選択や行動をより良い方向へと向けることを促す使命を果たすことを象徴しています。
また、NAVIGATION(導く)とCUSTOMER(顧客)の二つの英単語を組み合わせた意味もあります。これは、私たちがクライアント企業のコンサルティングやSNSマーケティングの伴走支援を行い、彼らをより良い結果に導く役割を担っていることを示しています。それに加えて、一般の生活者もマーケティングを通じてより良い選択へと導く意味合いも含まれています。
これら全てが合わさり、「カスタマー(クライアント企業・一般生活者)をナビゲートし、全体を靡かしていく存在」、つまりより良い社会へと皆を導く企業であるという私たちの理念を表現しています。

NAVICUS九州のメンバー構成は
①「東京でSNSマーケティングの先頭を走っているマーケッター」且つ長崎大好き
②東京から福岡にIターンした財務に強い元外資系コンサルタント
③長崎でウェブメディアを運営する東京からのUターンWEBマーケッター
④長崎の老舗企業で副社長をつとめ、その後東京に移り若い人にチャンスを与え続けるため人と人を繋げる架け橋
⑤わたし
⑥青年海外協力隊のボランティアでマダガスカルに派遣経験を持つ元バンカー
⑦名古屋で育ち京都→長崎と様々な場所に住む元大手コンビニの商品開発担当であり2児の母

この7人の個性豊かなメンバーでSNSをメインとし「長崎の企業」「自治体」「個人」に対し全力で応援できる土台ができた事で、本気で長崎の事を考え実行出来るチームが整いました。また、それぞれの1人だとブレてしまう意志も、5人それぞれの強い意志をしっかり受け止め実行に移すことでチームとして「地方創生」に対する強固な意志の集合体になれています。
働く環境もフルリモートを取り入れ、どこからでも長崎に貢献できる仕組みを作り、多くの人が働きやすい環境を作ることで、様々な場所から長崎を応援できる状態を作ります。様々な場所(地方)に関わることで、共通するローカルの課題に直接触れ、長崎の企業だけではなく様々な地方の仕事に取り組みながら様々な地方の知見や情報を長崎に活かし、長崎での経験を他の地方に活かす事で相互に良い影響を与え続けながら成長していきたいと考えています。
働く環境や人も常に変化する。新しい取り組みではなく、「的を射た環境作り」の中で大きく動く時代の変化に対応していきたいと考えます。


mission:PartyForALLに込めた想い

この言葉は、私の経験から1人ではできる事が限られる、チームが本気になってこそ「新しい風」が起こり初めて変化がうまれるという事から、私たちに関わる全ての人々をチームの1人と考え様々な考え(多様性)を当たり前のものとして、個々の「創造性」=「本気」を形にする事で「地方創生」が成り立つと強く信じる事で、地方に関わる全ての人を応援し、また応援される事をmissionとして掲げました。
また、地方創生は中の力だけでは不十分な事も多く、長崎を客観的に外から見れる人も受け入れる事で大きな「新しい風」を作り出すことができるという想いも含まれています。

事業内容

NAVICUS九州は専門領域であるSNSを通じて企業様や自治体(LOCAL)のコミュニケーション支援をしています。企業様の目的に合わせ、SNSを起点とした戦略コンサルティングや社内担当の育成、運用代行、アカウント分析、SNS広告運用、SNSキャンペーン事務局対応など幅広くサポートしています。
またNAVICUS九州はパートナーである自治体様と同じ目線に立ち、得意ジャンルであるSNS運用で地域のファンになっていただけるような取り組みを自治体様と一緒に考え、サポートしています。さらに自治体様向けには、ふるさと納税の支援に強みを持っており、地方自治体の抱えるふるさと納税に関する課題に対し、全体の戦略設計からプロモーション企画の立案と実施、ポータルサイトの実運用、素材提供、SNSやメールマガジンを通した継続寄付の創出までトータルで支援しています。また、今後はLOCALに特化したサービスも充実させて行く予定であり、LOCAL企業としての強みを最大化するべく、SNSを活用して様々な取り組みをしていきたいと考えています。


  1. 「LOCALブランディングの再構築」

    • 地域ブランディングの取り組みを地域住民と協働で行います。地域住民の意見やアイデアを募集し、SNS上で共有するプラットフォームを作成します。

    • 地域住民が自ら地域の魅力を発信し、地域への愛着や関心を高めることで、共同体意識を醸成します。

  2. 「LOCAL企業支援」

    • LOCALの企業同士がコラボレーションし、共同のプロモーション活動を行います。SNS上で地域内のお店同士が情報を共有し、相互に紹介する仕組みを構築します。

    • 地域住民と小売業者とのコミュニケーションを活発化させるため、SNS上でのクチコミやレビューの投稿を促し、お店と顧客の間に信頼関係を築きます。

  3. 「LOCAL情報の共有と連携」

    • 地域住民自身がSNSプラットフォームを運営し、地域情報の共有や交流の場を提供します。地域住民同士が情報を発信し、コミュニティ内での交流や情報の共有を活発化させます。

    • 地域のイベントやニュース、地域の魅力を発信するだけでなく、地域住民同士のつながりを深めるためのトピックやグループを設け、コミュニティの形成を促します。

  4. 「LOCALの若者支援と人材育成」

    • 地域の若者を対象にしたSNSマーケティングやデジタルスキルの研修プログラムを、地域住民や地元の企業のメンターとの協働で実施します。

    • メンターと若者がマンツーマンでコミュニケーションを取りながら、実践的なプロジェクトに取り組むことで、地域コミュニティの中での交流やつながりを促します。

  5. 「LOCALとの協業による地産地消の推進」

    • 地元農家や加工業者と地域住民との協働プロジェクトを展開します。地域住民がSNSを通じて地元の農産物や特産品の需要や注文を募集し、共同購入や配送を行います。

    • 地元産品のストーリーや生産者の情報をSNS上で共有し、消費者と生産者とのつながりや信頼関係を深め、地域コミュニティの結束力を高めます。

これらのアイデアを一つ一つ実行していくことにより、地域住民が参加し、コミュニティ内でのつながりと協働を促進することができます。地域の魅力を発信するだけでなく、地域コミュニティの形成や共同体意識の醸成にも重点を置いた取り組みを行うことで、地域創生をさらに活性化させることができます。

長崎は全国で1番多くの灯台を有しています。この事実は長崎が多くの船を灯台によって導いてきた事を示しています。次頁掲載の写真は長崎にある灯台から写した1枚で、私たちNAVICUS九州は多くの船を正しい航路に導いてきた灯台のように、お客様を導く光となれるように行動指針をLIGHTHOUSEと名付けて多くの人に関わっています。


LOCALと共に生きる

私の生まれ故郷長崎は、まさに都市部から地方への人口流動と地域活性化が重要な議題となっています。私たちはまさにLOCALと共に歩む企業であり続け、長崎にある素晴らしい環境で働く喜びを感じてもらう事と同時に、様々な地方に携わることで長崎の再発見を促し、貢献する事業として存在し続けたいと考えております。SNSは、情報の拡散力と個人の声を組織的にまとめる力を持つことができます。この姿はまさに地方創生そのものではないかと考えています。


“長崎経済研究所「ながさき経済2023年夏号」寄稿“

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