見出し画像

エコツーリズムW受賞で今度の観光を考える

エコツーリズム大賞(環境大臣賞)優秀賞とJAPAN OUTDOOR LEADERS AWARD 大賞という大きな賞を
W受賞するという光栄な機会に恵まれて

少しバタバタしていたので、
ちゃんと自分の気持ちをまとめておきたいなと

今思うのは率直に観光の力を諦めずに良かった
自然体験活動による人作りの想いや価値を
信じて良かった

コロナ禍での葛藤

実はコロナ禍でずっと自然体験の価値について考えていた

-自然体験は不要なものなのか?
-本当にそれでいいのか?

自分の好きなものが世の中から不要になっていくような感覚を覚えた
もっと言うならばあってもなくてもいいような
社会的に悪いものだと言われているようで
なかなかの強い葛藤があった

お金がなくても感動は作れるんだと弱気な自分をだましだまし前を向いて抗って、抗って、少しでも自分の決断に後悔ないようにどうにか今の全力を出し切れるように向き合っていた日々。それでも志し共にした大事な仲間との別れなどもあると歩いている一歩一歩が正しいんだと思えなくなったりもして、自信を持った現場作りというものがなんだか難しく感じていた

だから色々な想いを乗り越えての受賞は自分の想いが対外的に認められたみたいで嬉しかった
そして同時に賞にふさわしい活動をしていかないとと身が引き締まる思いがした

コロナ禍にここまで追い詰められる事がなければ今までの想いを形にして表現する事もなかったなと

そして冒頭の率直の気持ちに繋がる
観光の力を諦めずに良かった
自然体験活動による人作りの想いや価値を信じて良かったと

今では海での自然体験活動は社会にとって必要なものだと胸を張って感じている

エコツーリズム大賞(環境大臣賞)とは

1つ目の賞が第18回エコツーリズム大賞(環境大臣賞)優秀賞受賞
 
エコツーリズムに配慮した観光に取り組み事業者、団体、自治体などを対象に優れた取り組みを表彰するもの

エコツーリズムとは自然や文化といった地域資源を活かしながら、持続的にそれを利用して守る事を目指した観光の在り方だ
 
ツーリスト(観光客)は自然への理解を深め、ツーリストが落とすコインにより「観光経済」「環境保全」「地域社会」がバランスよく発展していくものだ

エコツーリズム大賞とは観光経済を地域と環境に配慮した形で発展させていく取組を表彰するもの
 
大変光栄な事に我々の取り組みがなんと優秀賞を頂くことになったのだ

JAPAN OUTDOOR LEADERS AWARD とは

そして2つ目の賞がJAPAN OUTDOOR LEADERS AWARD (ジャパンアウトドアリーダーアワード)2023大賞受賞
 
日本中には様々なフィールドのアウトドア指導者がいる
 
四季折々の自然の中、山から川から海から自然のフィールド全域に対して、様々なアウトドア活動による優れた人作りの取り組みを選考するアワードだ
 
それぞれの指導者のアウトドアによる人作りやの哲学や想いなども選考の基準になってくる
 
アウトドア活動により日本の未来の為に優れた人作りをしている人を表彰するものである
 
消費するレジャーではなく「ソーシャルアウトドア」といって社会をより豊かにする機会としてのアウトドアとして活動を実施している想いのある人達を表彰するもの

大変嬉しく光栄な事にこちらが大賞を頂く事になった

大賞はアウトドアによる人作りに対して日本一優れた想いのある指導者という事になり自分にとっては素晴らしく嬉しい賞に今までの色んな想いと相まって感極まって涙を流しながら受賞させて頂く事になった

決め手は「人作り」

-こんな大きな賞をなぜ受賞できたのか?

W受賞の決め手は「人作り」でした

海の体験を通しての人作りに対する想いや取り組みが優れていたという事でそれはとても誇らしい事だ

設立当初からナチュラルブルーは海を「楽しむ」から得る「支える喜び」を皆で一緒に作っていこうと沢山の人作りを行っていた
 
そしてOcean to allという会社理念は「人と自然の架け橋」になり、すべての人に海を伝えて行こうというものだ
 
「エデュテーメント」(エデュケーションとエンターテイメントの掛け合わせ)という手法を使って、多様性を持って海を伝え続けるダイビングショップだ
 
2歳~65歳まで老若男女、また様々な身体障がい者たちとユニバーサルに、世界中から地域の人までグローカルに、「海×観光×教育×保全」で生まれる多様な価値を様々な人とシェアして環境に配慮した人達を作りだしている
 
観光客へのダイビングサービスから地域の学校教育やグローバルな企業研修、キャンプでは伝統漁体験やサンゴ保全をしたり、オンラインで海洋教育を世界中に発信したりと様々な形で海を伝えている
 
そして今はまた地域の子どもたちが地域の資源を知り、地域を活かし守っていくという持続可能なコミュニティーツーリズム創出に挑戦中だ

これらの一つ一つの取り組みや想いが繋がって今、形を作ろうとしている所だ
その取り組みや想いが認められて本当に報われる思いだ
 
海が楽しいという感動は国境や年齢を超えて誰しも共通だ。今後ももっと多くの人を感動させていきたいなと

感動は人を成長させ、そこには多くの学びがあり
感動し、笑い、夢を抱く事が出来るのは人間だけだ

自分が楽しいと思う事を皆と分かち合いたい。

人生に海遊びを。

そうやって人と海が身近に深く繋がる世界をつくれたら面白い。まずは自分の周りからだけでも

ツアーは海が作り出すものではなく、人が作るものだと
ガイドの自然体験への想いがツアーに付加価値を作り出す

物言わぬ海を解釈して、今まで当たり前に見ていた風景が一瞬にして特別な景色になるように伝える事で、ツーリストの海に対する意識や行動が少し変わっていく

これからも「人と海の架け橋」となる様々な形で海の体験の価値を高めていきたい

海の体験を沢山の人や社会に必要な価値に繋げて「楽しいだけのもの」から生きる上で「必要なもの」になるように

その橋で「何を繋ぐのか」をこれからも考えたい

今後の観光について

コロナが落ち着き戻ってきている中で、
-また本当に同じように元通りでいいのか?

新しい観光を目指さないといけないきっかけ作りにもなったかもしれない

そしてその自然体験活動といった観光は作り手だけが変化していくのではなく、受けて自身も変化しなくてはいけないと感じる

受け手側もただ受動的に受け取るだけではなく一緒に作っていくようなものであればと思う

想いのない観光サービスはただの消費だ

想いを持ったサービスを作るためにはそれなりのコストがかかってくる

今の観光コンテンツは
ただのコモディティ化された安売り合戦になりつつある
ただ大量に人を運ぶためだけの低価格のツアー
悪貨が良貨を駆逐する事態に陥っている

反対にただ高いだけのいらないスペックばかりを兼ね備えたものを高付加価値だと作り手だけが謳ってもただの独りよがりになってしまう

ツーリストのwant to にマッチングしなければいけない
だからツーリストの想いも同時に変わっていかなければいけないわけだ

自然体験は消費するレジャーではなく社会を豊かにしていく社会課題を解決していくソーシャルアウトドアとして受け手は作り手の想いを紡いでいって受け取って欲しい

そうなっていけば、ソーシャルアウトドアとしての観光が世の中を変えていく力になってくると信じている

実は世界の観光は変わり始めている
経済的な指標だけを追いかけるだけでなく今後は、地域や環境にも配慮が求められている

コロナ禍では観光客が来ない分環境が回復して地域も静かになり暮らしやすくなっていたといった事実もある

そもそも観光は地域を豊かにするものだ

-歪んだ観光をどう戻すのか?
-どんな人達に来てほしいのか???

このような問いに対する答えはなんだろう

実は世界では「責任ある旅行者になるための行動」「良い旅行者になる方法」というような旅行者に対する情報発信が増えている。
やはり地域の観光業者も地域の文化や環境にリスペクトがある方に来てほしいのは山々だ

こちらでもお客様を選ぶ権利がある

作り手だけでなく受け手も変わる仕組みが必要だ

それがリスポンシブルツーリズム

今後の人作り

世の中を豊かにする主体性をもったワクワクするものを作る事

例えばそれは病院の中にいて外に出れない子達に海を伝える事だったり、体験格差を解消する事だったり、自分の地域の良さを知り自己肯定感を高める事だったり、地域の子ども達が地域の資源を知り活用し守る事だったり

自然体験活動は大きなソーシャルビジネスになりうる

でも自然体験に価値を見出し、作り手だけでなく受け手であるツーリストも責任ある観光をするには

そのためには社会全体として自然体験の価値を上げていかなければならない

ツーリストに対する教育と同時に社会全体へ自然体験や野外教育の必要性を発信していかなければならない

社会をより豊かにする機会としての生涯教育や社会教育という大きな枠として自然体験活動や野外教育を捉えていき

自然体験の意義などを地域教育観光教育などのキャリア教育に繋がるように教えて行き全国の公教育に取り入れていけるように進めたい

そしてコロナを経てやはり、旅行は人間にとって必要なものだという認識が広がり、旅行というものがライフスタイルの一部となってきている事を受けて、インバウンドに対してのエコツーリズムはより世界を変えていける大きな可能性を持っていると感じる

そのインバウンドに対してオールジャパンで日本の海や自然の素晴らしさを伝えて行けるように繋がっていけたら面白いと思う

日本は海以外でも山や川や雪や多様な四季折々のフィールドが広がる中でこんなにも世界に誇れるフィールドはない

そんな素晴らしい場所での自然体験は世界を変える可能性があるに決まっている

一時のムーブメントではなくコツコツと文化として残していけるように世の中の仕組みとして社会変革として自然体験の価値を上げる事が出来たら面白い 


この記事が参加している募集

アウトドアをたのしむ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?