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愛という感情

 恋愛というものにはどうしても肉体的な欲求がまとわりついてしまう。どんなに精神的に人を愛すると言ったところで何割かは肉体的な欲求が占めているのだ。先日私はある女性に付き合ってくれと告白したのだが、彼女は私に上に書いたようなことを私に言ってきたのだ。彼女は私の同僚だか、非常に知的な人間で大学では心理学を専攻していたそうだ、その彼女が私の告白を聞いて次のような質問をしてきた。

「あなたの気持ちはわかったわ。だけど付き合うっていってもあなたは私のことをどれだけ知っているの?私だってあなたのことろくに知らないのに」

 たしかに彼女のいう通りであった。彼女とはそれなりのスキンシップはしていたつもりだ。しかし男女の突っ込んだ会話はしていなかった。だがそんな会話は何度かデートして関係を深めていけばわかりあえるだろう。私はそう彼女に向かってハッキリと言った。すると彼女は私の告白自体が疑わしいと言い始めた。

「私、あなたの告白が信用できないの。あなたは僕は本気で君が好きなんだって言うけど、本気ってどういう本気なの?あなたは私に対してどう思っているの?それを教えて欲しいのよ」

「答えるたって、君とずっと一緒に居たいとかしか答えられないよ。こんな気持ちになったのは君だけだよ」

 私がこう答えると彼女はカッと目を見開いてこちらを凝視した。そして言った。

「ずっと一緒にいたい?一緒にいて何をするの?ずっと二人でベランダで夕日でも見ているつもりなの?そんな具体性のないことを言われてもこっちはなんとも答えようがないわ。もうハッキリ言うわ。あなたの私に対するその感情の中身はどういう構成になってるわけ?まさか私とずっと一緒にいるだけでいいなんてあり得ないよね。あなたの私にたいするその気持ちには何割かは肉体的な欲求が占めているはずなのよ。そうでしょ?」

 私は頷かざるを得なかった。愛には当然肉体的な欲求が混じっている。それはプラトニックラブだって同じことだろう。プラトニックラブは肉体的な欲求を殺すことでかえって盛り上がるのだ。私は彼女を見ながら自分の彼女に対する想いの中に肉体的な欲求がどのぐらい占めているか考えてみた。その私に向かって彼女は再び私に聞く。

「で、あなたの私に対する気持ちの中には肉体的な欲求はどれぐらいあるの?分かりやすくパーセンテージで答えて。正直に言いなさいよ。嘘をついてもすぐわかるんだから」

 パ、パーセンテージ?正直に答えろ?そんなことを言われてもすぐに答えなんか出ない。私は自分の彼女に対する想いを確認するためにあらためて彼女の全身を見つめた。その大きな瞳、それを遥かに上回る大きな胸、まるでろくろのように腰、そして胸に匹敵するほど大きなヒップ!ああ!いけない方のパーセンテージが急激に上がってしまう。しかし正直答えなくてはいけない。自分の気持ちをありのままにパーセンテージで答えなくちゃいけない。その私に向かって彼女が最後通告を出してきた。

「はい、考える時間は終わりよ。早くあなたの私への想いの詳細をパーセンテージで答えなさい!」




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