見出し画像

その寸前で気がつけばよかったのに・・・

 皆さんは大失敗した時にあの時気がつけばよかったなぁ〜。なんて後悔する事はありませんか?いやむしろないという人の方が珍しいでしょう。まぁ愚問ですね。今回は私のそんなあの時気がつけばよかったなぁという体験談を書きます。

 私は釣りが趣味なんですが、この前ボートを借りて海まで行って釣りしてきたんですよ。だけどですね。いざ海に来て釣り糸にルアーつけようとしたらルアーないんですよ。ああ!その時やっぱりいつも肝心なとこで忘れるんだからって自分のボケっぷりを恨みましたね。これじゃ釣りできないじゃん。今日一日どうするよ。こんな寒空で日向ぼっこしてろってか。

 そうやって散々自分に毒づいていたらなんかでっかいさかなみたいなのがこっちに泳いでくるじゃないですか。私はそれ見てもしかしたらカジキマグロかって思って思わず網持って掬いましたね。だけどカジキマグロじゃありませんでした。なんか頭が黒いけど全身ベージュ色のつまんない魚でした。しかもその魚、魚のくせに溺れていたのか息ぜいぜいしてるんですよ。だから私気持ち悪くてその魚捨てようとしたんですよ。だけどです。自分のボートの周り見るとカジキマグロとかナポレオンフィッシュとかヤバい魚がウヨウヨ泳いでいるじゃないですか。

 私思いましたね。この魚ひょっとしたらエサに使えるぞ。コイツを釣り針にブッ刺してぶん投げればカジキやナポレオンやもしかしたらサメなんか釣り上げられるかもって。私の性格は思い込んだら一直線なんで早速魚の首のところに釣り針ブッ刺そうとしたんですが、魚の奴がやたら抵抗するんで結局釣り糸を何十巻にしてくくりつけてやりました。そして竿を思いっきり振りかぶってカジキマグロの方にぶん投げてやりました。だけどです。何故か魚の奴が私の方に戻ってくるんですよ。私頭にきましたね。バカヤロ!お前はカジキマグロの餌になるんだよ。大人しく食われてこい!俺がお前らを一緒に釣り上げてやるから!だけど今このバカ魚を怒鳴りつけてしまったらせっかくのカジキマグロが逃げてしまいます。それでしょうがないから竿を震わせて魚に逃げるなと圧をかけました。

 そしたらです。なんとカジキマグロの群れの中からサメが出てきたんですよ。サメが私のもとに泳いでくる魚を食べようとしてるんです。その時魚があり得ない事だけどハッキリ言葉を喋ったんですよ。魚はこんな事言ってました。

「馬鹿野郎!俺は魚じゃねえ!ちゃんとした人間だ!お前俺を殺す気か!」

 ……そこで彼の声は途切れました。そこで彼はサメに食べられてしまったんです。私は彼がサメに食べられる寸前にようやく彼が人間であることに気付いたんですが、マジで後悔しましたね。もっと早く人間だって気づいてあげられたらよかったなってホント思いました。今振り返ると、あの時私は大海原にいる人間は自分一人だって思い込んでいたんですね。だから彼を魚だって思い込んで人間だと気づいてあげられなかった訳です。まぁこれが私のその寸前に気がつけばよかったのにっていう体験談です。私はこれに懲りてそれから海で魚を見かけたら必ず話しかけて人じゃないか確認するようにしています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?