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「離れてからずっと君とのことを考えていたんだ。そしてやっとわかったんだ。やっぱり僕たちは離れちゃダメなんだって。ずっとふたりでいなきゃダメなんだって。最初は自分を見つめ直すいい機会だなんて思ってたけど、一人でいる時間が続くといつも隣にいるはずの君が居ないことに耐えられなくなったんだ。君の方を向いてもそこには空っぽの椅子があるだけだ。声を駆けても返事なんか聞けやしない。はっきり言って自分がこんなに弱い人間だなんて思わなかった。君が居ないだけでこんなに胸が張り裂けそうになるほど苦しくなるなんて思わなかったんだ。やっぱり僕たちはずっと一緒にいるべきなんだ。二人はずっと体ごと繋がっているべきなんだ!」
「ちょっと、里見くん。何いきなりわけのわからないこと言ってんの!ここ何処だと思ってんのよ!」
「何処だって構わないじゃないか!オフィスで告白しちゃいけないって法律でもあるのか!僕は会社が休業の間、君のことをずっと考えながらリモートワークしてたんだ!やっぱり隣に君がいなきゃダメなんだよ!だから早く僕と付き合おうよ!付き合って愛を確かめあって、そして結婚しようよ!もうたまらないんだ!」
「すみませ~ん。誰か助けて~。この人ストーカーで~す!」

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