妊娠…遺書

パパへ

ダーリンのベイビーを産むことを許してくれてありがとう。私頑張って産むからね。それとパパに謝らなければいけない事があります。私パパのことを今まで誤解していました。家族の事を考えない、そして毛だらけで全身真っ黒なダーリンを人間と認めない冷たい人だと思っていたのです。それは私の誤解でした。パパはただ不器用なだけだったんですね。不器用だからダーリンをなかなか人間とは認められなかった。そりゃそうです。あんなウキーッとか言ってバナナ頬張っている人なんかパパの回りにはいないですからね。パパ、これからもママと仲良くしてあげて下さい。そしてベイビーの事よろしくお願いします。

追伸
今まで育ててくれてありがとう。

ママへ

私はもうすぐこの世から消え去ります。ダーリンのベイビーを残して…。ママ今までありがとう。私の味方はママだけだった。ママだけよ。毛だらけで全身真っ黒なダーリンを人間として認めてくれたのは。ママはダーリンを人間として認めないパパを必死で説得してくれた。ホントにありがとう。私は感謝の気持ちを死ぬまで持ち続けるでしょう。ママ何も恩返し出来なくてごめんなさい。それにベイビーまで押しつけて！私はその事を思うと死んでも死にきれません。ママさよなら。

追伸
ママ、何も知らずにパパのことを酷く言ってごめんなさい。私達もパパとママのような夫婦になりたかったです。ではさようなら。

弟へ

アメリカではちゃんとお勉強してる？キミは頭はいいのに怠け癖があるから気をつけてね。お姉ちゃんもうすぐいなくなっちゃうけど寂しがらないでね。キミとは別れるのはお姉ちゃんも辛いです。こんな事になるんだったらもう少しお話ししとけばよかったと思います。キミの思いやりずっと忘れないよ。

追伸
もう毛だらけで全身真っ黒になった？いい？早くそうならないとアメリカじゃ相手にされないんだからね！

ダーリンへ

…何も書けない。…ダーリンに何も書けない！だっていないんだもん！ ああ！せめてもう一度逢いたい！毛だらけで全身真っ黒なあなたの温もりを肌で感じたい！ああ！ あなたを死んでからも愛しています。

追伸
あなたのベイビー産みます！