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反発まみれのバッドエンド

 皆さんはじめまして、なんて空々しいか。僕は先日最終回を迎えた人気少女マンガ『カラフルペンシル』の原作者の狛北蓮こと亀平溜五朗です。最初にお詫びしなくちゃいけないけど実は俺男なんですよ。別にウソついてなかったし、ここで詫びる必要もないんだけど、読者が僕を女だと勘違いして僕と作画担当の日差ホノカが百合だとかまで言い出したんで、もう正直に話さなきゃいけないと思ったのでここに書きました。僕自身はペンネームを本名の亀平溜五朗にしたかったんですが、編集部の奴にウチは少女マンガやってんだぞ!そんなアホみたいなこと考えないでちゃんとしたペンネームにしろとか言われて仕方がないから日本部尊ってカッコいいペンネーム考えたんだけど、それでも編集者はバカかお前は!どっかの右翼じゃあるまいしとかまたブーブー文句言い出して、それからじゃあ俺がペンネーム考えてやるとか言われてこんな狛犬みたいなペンネームつけられたんですよ。ダサいペンネームだなと思ってももう名前が広まっちゃったんじゃしょうがありません。とりあえずはこの狛北蓮でやっていくしかないです。

 前置きはこの辺にして本題に入ります。僕が今回書きたいのは『カラフルペンシル』の連載中の苦労話なんだけど、多分読者には初耳のエピソードばかりなんじゃないかと思います。だってまずキミらは僕が男だって知らなかったでしょ?百合だって勘繰ってたくらいだもの。僕が男だってわかったら作画担当の日差ホノカとの関係についても別の視点から推察できるよね。だからもうここで彼女との創作活動で起こった出来事を思いっきりぶっちゃけます。


 ハッキリ言って日差ホノカはホントに扱いにくかった。アイツ美大出てるから変なプライドばっかり高くて全然こっちの言うこと聞かないんですよ。それは最初の打ち合わせであった時からわかってました。連載が決まってすぐ編集者と僕で打ち合わせしたんですけど、その席で漫画のストーリを説明したらホノカの奴がへんな理屈をこねてそれでいいんですか?構図として不自然じゃないですかとか新人漫画家のくせにいきなり文句垂れてきて、だからこれは漫画だから多少おかしくてもいいんだよって説明しても、でもおかしいとか言うんですよ。まあ、後からってより、最初からわかってたけど彼女原作付きなんてやりたくなかったから文句言ってただけなんですけどね。でも彼女のデビュー作読んだらわかるけど、絵ありきの漫画なんですよね。このコマを描きたいからこのストーリーにしたってのが露骨に出すぎてるんですよ。だからコマ運びなんか凄い不自然でね。さっと観れば絵はうまいし全然観れるんだけど、いざ読むとなるとコマ運びのあらが目立ってとても読めたもんじゃない。まあだから編集者も原作付きの方がいんじゃないかって考えて俺を選んだんだと思います。でも絵はうまいというかやっぱり光るものがあったんですよ。彼女はたしかに美大出でプライドが高いけどずっと漫画家になりたかったわけだし、原作付きで彼女の才能を活かせたらもしかしたら『カラフルペンシル』は人気漫画になるかもってことは編集者も僕も最初から思ってました。まあそのあと編集者と僕で彼女にあらためて漫画とは何かを説明してあげて、それから漫画だからあまり書き込まないほうが読者だってストーリーに入り込めるよなんてアドバイスしました。たしか打ち合わせの最後に僕はホノカに「君にとっては始めての連載だし色々と苦労することはあるだろうけど、俺は連載二回目だし、気楽に相談に乗ってくださいよ」って言ったんだっけ?そしたらホノカのやつ今まで強気だったくせに急に緊張なんかし始めてね。なんか可愛かったですよ。なんだかんだいっても田舎者だったしあの頃の彼女はホントウブだったなあ。

 というわけで僕らの連載漫画、狛北連原作・日差ホノカ作画の『カラフルペンシル』がスタートしたんですが、編集部が連載前から大々的に宣伝してくれたので最初から人気が出ましたね。勿論掲載誌の人気トップだったわけじゃないけど、上位だったんで、初連載のホノカは勿論、二回目の連載をやってる僕だってアガりましたね。僕らはこんなにすぐに人気になると思ってなかったからお互いどうしようなんて言ってね。かなりビビってましたね。連載の最初の頃は僕が常にイニシアティブをとってました。あんだけ強気なホノカでもやっぱり連載は始めてじゃないですか。彼女は困り果ててよく僕に相談しに来たんですよ。次のコマが描けないんだけどどうしたらいい?って。だから僕は下手なネームなんか書いてあげましたよ。そんなわけで最初のうちはホノカは僕の指示通りに描いてましたね。構図はここ。コマ運びはこう。スクリーントーンをあまり使用しないほうがいいって事をうるさいぐらい言ったんですけど、ホノカのやつ僕の言葉をいちいちメモにとってるんですよ。最初の打ち合わせのあの強気な態度が嘘みたいでした。

 だけどある程度連載が進むとホノカにも漫画家としての自我が目覚めてきたようで徐々に僕に反発してきたんですよ。僕が絵について助言すると絵を描いているのは私なんだからうるさく言わないで!とか拒否るようになったし、コマ割りの提案してもあまり聞いてくれなくなったし、肝心のストーリーすら僕の提案に連クンは女子の気持ちがわかってないとか言って露骨に嫌がるようになったし、連載を続けていくとそういう僕と彼女の価値観の違いというのがもうだんだん現れて来たんですよ。でもまぁそれでもなんとか対立しながらも僕らは連載を続けました。なんといっても『カラフルペンシル』は二人の大事な子供みたいなものだし、その子供の前で親のケンカなんて見せられないでしょ。だから僕らは互いに意見をぶつけ合いながらいつも創作してましたね。

 だけどある時から彼女が僕への反発からか勝手にコマ割りを決めてストーリーを変えるようになったんですよ。恐らく『カラフルペンシル』の人気が爆発してドラマや映画になって異常に注目されてきたんで彼女の漫画家としてのプライドが増長したのが原因だと思います。実際彼女は何度も僕に「『カラフルペンシル』を描いているのはあなたじゃなくて私なの!」って言ってましたから。だから僕も言ってやりましたよ。「でもストーリーを書いてるのは俺じゃないか。俺のストーリーがなきゃいくら絵がうまくてもお前の漫画なんか誰も読まないよ」って。そしたら彼女ブンむくれちゃってもう口も聞かないとか言って多分それからですよ。彼女が僕のストーリーや僕の提案したネームと全く逆のことをやり始めたのは。

 お陰でその後しばらく『カラフルペンシル』無茶苦茶になってしまいました。読者からもストーリーの辻褄が合わないとか批判がありましたけど、それもこれも全部彼女のせいです。ホノカが僕への幼稚な反発からそんなことしたんです。編集部は当然激おこでこんな事が続いたら打ち切りだぞって脅してきました。僕はもう彼女と一心同体だと思っていたし、ホノカとは一刻も早くよりを戻さなければならないと考えました。僕は彼女に向かって僕らは二人でこれからずっと『カラフルペンシル』を育てていかなきゃいけないんだとメールで激しく訴えました。だけど彼女は僕のいうことなど全く無視してメールさえ返してきませんでした。

 これじゃあ仕方がないと僕はどうしたらいいかしばらく考えたんですが、その時いい案がひらめきました。そうだ。ホノカは俺に反発してわざと逆のことやってるんだから、自分も逆のことをやればいい。ホノカに自分の意図した構図やストーリーと逆のことを指示すれば彼女は自分の意図通りの構図やストーリーにしてくれる筈だ。僕は思いついたら即実行と早速メールで彼女宛に自分の意図とは反対の構図で描いたネームと原稿を送ったんですよ。すると彼女は翌々日に嫌味ったらしく『ありがとう!あなたのネームと原稿全部逆にしてやったわ!』と書いてきました。僕は自分の名案にやべえって思いましたね。ホノカは美大出だけど所詮田舎者で単純だったからまんま僕の罠にハマってくれたわけです。

 その後はひたすら騙し騙しでしたね。ホノカは僕に逢うたびに「ホラ見てよ。やっぱり私の漫画で人気になったんじゃない!あなたの原稿がなくたって全然イケるのよ」とか言って自慢気に話してました。僕は勿論、編集者もこのことは知っていたのですが、真相をばらしてしまうとホノカが逆ギレして騙したのねとか言って連載やめるとかいい出すのが怖くて何も言えませんでした。僕はそれからも自分の意図と真逆の構図のネームと原稿を送り、ホノカは同じように「また逆に直して挙げたから」とか言って正しい形に修正してくれたんですよ。

 だけどこうして長く一つの作品に関わってくると自然と作者の人格なり、気分が作品に露骨に反映されてくるんですね。僕だって全くそんな意図はないのにこうしてあらためて作品を読んでみるとあの時の僕の心情がまんま現れてしまっている。『カラフルペンシル』の主人公の小日向楓なんてまんま作画の日差ホノカそのまんまだし、相手役の秋景森生は僕そのものです。ストーリーもまんま僕と日差ホノカの関係を写したようなものだし、主人公と相手役の名前をホノカと僕に変えたらまんま実録ですよ。ざっとストーリーを説明しますと、主人公の小日向楓は高校生三年生で漫画家を志望していて進学するかバイトして漫画家を目指すか悩んでいます。そんな彼女を見守っているのが同級生の秋景森生です。森生は不治の病を抱えた少年で将来に悩む楓の相談によく乗っていました。彼は楓の漫画を見てその線の硬さを指摘します。そうして相談に乗っているうちに二人は両思いとなっていきますが互いに思いを打ち明けることが出来ずに……。という話です。この文章を最初から読んだ人はなんとなくわかったと思うけど僕は日差ホノカは最初から好きでした。じゃなかったらこんなに一つの作品に熱中することはなかったからね。あの反発も愛するがゆえに起こったことだと思ってた。僕はマジで『カラフルペンシル』を自分とホノカの赤ちゃんみたいに思っていたし、『カラフルペンシル』の連載が終わって漫画が無事成人して独り立ちしたら日差ホノカに思いを告白するつもりだったんだから。

 そうしてとうとう『カラフルペンシル』は最終回を迎えました。当然超人気漫画の最終回だから僕らだけじゃラストは決められない。原作の僕と作画の日差ホノカと編集部員と、あとは出版社の幹部クラスまで呼んでの大会議ですよ。でも会議では結末は決められなかったですね。誰も楓と森生の結末は決められなかったんですよ。楓に漫画家になれと応援した森生。しかし彼はまもなく病に倒れてしまう。それを知った楓は編集者との面談をドタキャンして森生の元に駆けつける。それから二人はどうなる。ってとこでみんな悩んでしまったんです。読者からは森生君を殺さないでとか手紙やメールやTwitterで送ってくるし、だけどストーリー的には森生が死んで読者を泣かせまくったほうがおいしいしってことで意見は二分して結局は僕らにすべてを任せることが決まって会議は終了しました。

 会議が終わってから僕はホノカと場所を変えて話し合いました。だけど最終回を迎えるっていうのに、だからかもしれないけどホノカのやつはまだ僕に反抗するんですよ。「最終回は私が決める。これは私の漫画なんだから!」とか言って。だから僕は今度こそ本気で怒って説教してやりましたよ。「そんな事いつまでもこだわってないでもっと真面目に漫画の事を考えてくれよ。僕らは誰に向けて漫画を描いているんだ?出版社のため?読者のため?あるいは君のプライドのため?全部違うんだ!君と僕の漫画の登場人物のためだよ!彼らを生かすために君と僕はこうして漫画を描いているんじゃないのか!いま僕らは小日向楓と秋景森生の命を託されている。君と僕はどんな形でも二人を活かす事を考えなくちゃいけない。だから二人で考えようよ!彼らにとってどれが一番正しい結末なのか!」

 ホノカは僕の言葉を聞いてハッとした顔をして黙り込んでましたね。あの時の彼女はまるで連載当初の彼女そのままだった。それから僕らは真剣になって楓と森生の事を話し合いました。彼らにどんな結末を与えたらいいのか。架空のキャラのことにこんなに熱く議論するなんて周りから見たらバカだと思うだろうけどあの時の僕らはマジで真剣だった。その際限のない議論の中でホノカはふとこんな事を漏らしたんです。「そういえばこの漫画が終わったらあなたとお別れになっちゃうんだね」って。それを聞いた僕は思わず立ち上がって思わずホノカに告白しちゃいました。いかんと思っても気持ちは止められなかったんです。彼女は僕の告白を聞いてしばらく唖然として僕を見ていましたが、しばらくしてから僕を見つめてこう言ってくれたんですよ。「私もずっとあなたの想いに気づいていたの。だから反発したのよ。あなたの構図やストーリーを逆さにしたのも全部それのせい。だから私も……」僕は手を口に当ててしゃべるホノカを止めました。これ以上ホノカの言葉を聞いたら感情が止まらなくなってしまう。だから僕はこう言い残してホノカの元から去ったんです。「早く家に帰って最終回のネームと原稿を書きあげなきゃ。絶対に君を満足させる最終回を書くから」

 家に帰って僕は一心不乱に最終回を書き上げました。森生は絶対に殺させはしない。僕も多くの読者と同じ気持ちでした。いや、僕の森生を活かすという想いは読者よりも遥かに大きかった。なぜなら森生は僕そのもので、彼は小日向楓、いや日差ホノカと結ばれるはずだったからです。だから安易なお涙頂戴のために彼を殺させはしない。彼は不治の病から奇跡的に回復して小日向楓と結ばれなきゃいけないのだ。小日向楓に会いに病院から飛び出した秋景森生は彼が倒れたと連絡を受けて病院に駆けつけていた楓に会う。彼は楓を見つけるなりその手をとって浜辺へと走る。楓はそんな体で走って大丈夫なの?と聞くが森生は大丈夫さと微笑んだ。そして浜辺にたどり着いた二人は疲れ切って砂浜に寝そべったが、その時森生が漫画完成した?と聞いた。楓はかばんから原稿を取り出して森生に見せた。森生は楓の漫画を読んで思わず涙した。それは明らかに病に苦しむ自分をモデルにした話だったからである。漫画は森生をモデルにした余命幾ばくもない主人公がヒロインとキスをするところで終わっている。この二人はその後どうなったかは漫画ではわからない。だけどと楓は森生に向かって言う。『主人公はそれから奇跡的に助かったの。だって主人公はあなたなんだから』森生はそれを聞いて思わず楓を見る。楓もまた森生を見つめた。波が衝立となり全てのものから二人を隠す。今は二人はアフロディーテに見守られている。愛のざわめきはゆっくりとブランコのように二人を揺らした。そして二人は長いキスを交わす。これが最後のキスなのか。一つになった二人なのにこれが最後のキスだなんて……。二人はそのまましばらく抱き合っていたが、突然森生が楓の胸にぐったりと倒れた。楓は慌てて森生の胸に手を当てたが鼓動は徐々に弱くなっていた。森生はもう終わりだと覚悟して楓にさよならを告げた。しかし楓はそんなには嫌だと言って彼にもう一度キスをしたのだ。ああ!その時奇跡が起こった。楓のキスを受けた森生はみるみるうちに息を吹き返した。そして彼は立ち上がり生まれたままの姿で浜辺に立った。楓は森生の復活に感激して涙を流す。森生は楓に向かって言う。「君の言うとおりだったよ。奇跡が起こったんだ」二人は感激して抱き合った。ああ!二人の愛よ永遠なれ!僕は号泣しながらラストまで書き上げると涙を流したまま日差ホノカに原稿を送りました。もう僕の気持ちをすべて理解した彼女ならこのラストをありえないぐらい感動的に描いてくれるだろう。僕はその日まで寝ていることにしよう!このラストを書くのに疲れ果てた僕はメールを送ってから爆睡してしまいました。


 その一週間後、僕はコンビニで『カラフルペンシル』の最終回を読んだのですが、最後まで読んであまりの内容にショックを受けました。ショックを受けすぎて店員の「買わないならさっさと雑誌置け!」という声も聞こえませんでした。僕は仕方無しに雑誌を買うとコンビニを出て近くのゴミ箱に雑誌を怒りを込めてブチ込んだのですが、それでも怒りがおさまりませんでした。何だこの最終回は!俺の原稿と真逆じゃないか!これが彼女の俺に対する思いだったのか!日差ホノカが描いた最終回はこういう話です。秋景森生が倒れたと聞いて日向楓は彼は運び込まれた病院へと駆けつけた。すると病院の門の前に森生が飛び出してきたではないか。彼の後ろには10トントラックが走っているこのままでは森生が!と楓は彼に危ないと叫ぼうとしたが、時はすでに遅し、あっという間に森生はトラックに轢かれてしまった。数日後、森生の葬儀に参列した楓は亡き森生の両親から彼がずっと楓を好きで毎夜海で彼女の名を叫んでいた事を聞かされた。「楓さん、息子はあなたが漫画を描き上げる事を心のそこから願っていました。その漫画をいつか浜辺で一緒に読みたいって言ってたんです。それがどうしてこんなに突然……」楓は森生の家を出ると浜辺へと走って行った。彼と一度も来たことのない海。アフロディーテなどいるはずのない海へ。彼女は夜の海を見ながら在りし日の森生を思い浮かべた。彼女は唇を舐めるとかばんから漫画の原稿用紙を取り出した。あなたはここで私の漫画を読みたかったのね。でもあなたはここまで来れないわよね。じゃあ、あなたが読みやすい場所においてあげるわ!楓は永遠の別れを告げるように原稿用紙を海に向かって放り投げた。「さよなら森生!」

 何だこの結末は!これがお前の俺に対する正直な気持ちか!どこまで俺に反抗すれば気が済むんだ!そんなにまで俺を嫌っていたのか!僕は腹が立ってしばらく誰とも連絡を取りませんでした。当たり前でしょう。自分が渾身の思いを込めて書いた最終回をプライドだけがやたらに高いバカな漫画家に無残に破壊され、『カラフルペンシル』そのものが汚され汚されてしまったのです。ああ!もう世間は非難轟々の嵐、バッシングが止まらないはず!と思ってずっとふて寝していたのですが、ふとたまたま手にとったスマホに『カラフルペンシル』の文字があったので職業病からかついみてしまいました。どうせ避難の嵐だろうでももう関係ないと思って見たのですが、予想と違ってあのひどすぎる最終回がなんと大評判になっているのです。『衝撃的すぎる最終回!理不尽を超えた理不尽!あまりに理不尽な運命に人間の命の儚さを思い知った』などとコメントには絶賛の声が書き連ねてありました。その記事の真下にあの日差ホノカのインタビュー記事があって彼女はその中でこうのたまっていた。

「最終回は一人で全部書いたんです。最初は原作者の狛北連さんがストーリーを書いてくれたんですけど、全くキャラに会わなくて、だから私が一からストーリーを作りました。だってキャラを一番理解しているのはキャラを書いている私であるはずじゃないですか?だから最終回はいつも以上に気合を入れて描きましたね。楓も森生もその他のキャラクターもいつも以上に描き込んでます。最終回では私のというか、女の子の本音的なものも書いています。なんか描いていると、この監獄みたいな所からやっと開放されるっていう気分になってノリノリで描いちゃいました。たしかに今回の最終回には少なからず批判があることはわかってますけど、キッスで人の命が蘇るなんて馬鹿げた話よりはずっとマシだと思います」


 作画の日差ホノカについて今の僕に言うことは何もありません。ただ僕はこの無念の気持をどこにぶつけたらいいのか迷っているだけです。ああ!いくら悔やんでもあの時は戻ってこない。アイツは俺と過ごしていた時間は監獄だったというのか。僕は日差ホノカとは反発しながらもそれでも繋がり続ける磁石みたいなものだと思っていましたが、それはただの誤解だったんですね。まさしく反発まみれのバッドエンドだ。





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