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コント集

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オチのない世界で僕らは一体何を語ればいいのだろう。
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2020年6月の記事一覧

惑星探索 前編

ジャーニー・フロンティア号 2121年6月30日。この日は人類にとって新たなる記念日になるだろ…

20

すべてを忘れて一からやり直す

すべてを忘れて一からやり直すということ。私はそのことを公園で散歩している時いつもそれを考…

36

たったひとりのロックフェス

みんな、聞いてくれ。もううんざりするぐらい聞かされてみんなイヤになってると思うけど、俺も…

23

遅れます

「やっぱり遅れます」  とある千佳のLINEを見て真司はやっぱりと思った。あいつやっぱりそう…

17

期待しないで……

「私に期待しないで……そんなことをしても悲しくなるだけよ」 「なんでそんな態度を取るんだ…

19

父と娘

「オマエってやつは!いったいどうしてこんな人間になったんだ!子供の頃は純粋なだったオマエ…

23

愛ってなんですか?

告白 「一体どうしたんだ。君のような優秀な生徒が赤点を取るなんて!テストの答案見たとき僕はびっくりしたぞ。全然見当違いな答えばかり書いて。担任としてこれは放っておけないよ。なにか悩みでもあるのか?」 「先生……私どうしていいかわからないんです。最近ずっとおかしくて、いつも先生の授業を受けるたんびに変な気分になっちゃって……。もう自分で自分がわからなくなっちゃった。ねえ、先生。愛ってなんですか?この気持ちを愛って呼んでいいんですか?」 「お前……」 「ごめんなさい!先生にはきれ

もういいだろ?

「もういいだろ?僕たち出会ってからずいぶん経つけど、やっぱりこのままじゃいけないと思うん…

17

誘拐犯

 僕が彼女を最初に見たのは昼下がりの公園だった。ベンチに座った彼女は日差しに照らされて眩…

18

至極の一杯

 都内某所にあるラーメン屋『至極のラーメン』の店主はこだわりの男である。いつも朝一からス…

38

リモート終了

「離れてからずっと君とのことを考えていたんだ。そしてやっとわかったんだ。やっぱり僕たちは…

18

絶滅危惧種

 これはとうとう自分たちの危機と彼らはスマホを立ち上げ、リモート会議をはじめた。とうとう…

16

解散危機

 パンクバンド黄門ブラザーズは解散危機に瀕していた。ボーカルのMITOとギターのSUKEが一週間…

22

愛妻物語

 後ろからすすり泣く声が聞こえるなか、平次は目を瞑り遺影に向かって静かに合掌していた。遺影の中には在りし日の妻の富子の優しい表情が写っている。この遺影は十年ほど前に富子が近所の写真屋で撮ったもので、写真を気に入った富子は、この写真をぜひ遺影にして欲しいと平次にお願いしていたものだった。  平次と富子が結婚したのは49年前であった。銀行に勤めていた平次は偶然入った喫茶店で売り子をやっていた富子にたまたま出会い、そして一目惚れしたのだ。一目惚れした平次は仕事が終わると毎日喫茶店