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クリスマスプレゼント修好通商条約。

昔々の冬。



のんべんだらりと小五になった私。



毎年恒例、
親にクリスマスプレゼントの打診をします。


「あのさぁ~」








「パークゴルフのクラブっていいよなぁ~」






じじいかよ。笑



今振り返るとですが、
当時は周りで流行っていました。


近くの大きめの公園に、
パークゴルフ場が幾つかありまして、
友達が遊んでいるのを見て欲しくなったのを覚えています。





親は言います。





「もう小5でクリスマスプレゼントなんて

買う"わけない"でしょ。」








なんで"わけない"んだよ…




姉は買ってもらってたじゃねぇかよ…



とほほ…。





早々と打診のジャブにカウンターを貰って、
意気消沈の私。




しかし諦めません。

子供というのはずる賢くそしてしつこい。
親を根負けさせるほどです。



クリスマスまでのおよそ一か月。


あの手この手いろんな角度から、
ジャブを打ち込みます。






「○○君は持ってるんだよなぁ」

「ゲームよりいいよなぁ」

「家族で遊べていいよなぁ」

「じぃちゃんも誘えるよな」

「パークゴルフ場は無料開放なんだよなぁ」




… 



親の鉄壁ディフェンスにかすりもしません。

"無視"という名のスウェイ




パークゴルフのクラブはピンキリですが、
近所のスポーツショップでは、
最低でも一、二万くらいしていた記憶があります。



高い。
高すぎる。


せめて5,6千円ならな…




ムリかも…




いや、諦めるのはまだ早い。
25日の朝まで全力を尽くすんだ。




食い下がっていけ!
隙あらばお手伝いだぞ!



"ハズレ"の塾講師







そしてクリスマスイブの夜。




親の雰囲気を見るに、

五分五分の勝負と見た私。




買ってもらえたようで、
買ってもらえてないような…




"プレゼントなし"という事実が怖くて、
もう探りのジャブを放てません。




変な顔でケーキを食べ終え、
翌朝、運命の日を迎えます。





朝6:00。




はっと枕元を見渡します。




ドキドキ…



あっ!



プレゼントがある!!!
やった!!





しかし、
どう見てもティッシュ箱くらいの大きさ。




嫌な予感がします。



「ゴルフのクラブじゃない…」





ポジティブに考え直します。





「いや、これは付属品で本体は居間とかにあるのかも…」





ゆっくりと包装を解くと、




ドキドキ…





ゲームキューブのコントローラー。


シックスセンス初見時





全てを悟った私は

何故だか悔しく、

涙が止まりませんでした。





ゴルフクラブは買ってもらえなかった
ということ。




また、親が友達や兄弟と遊べればと思って、
ゲーム機のコントローラーを買い与えてくれたということ。




そして、

私はそのゲーム機を持っていないということ。





親はゲームに全く明るくなく、
私が任天堂64を良く遊んでいたから、
良かれと思い買ってくれたのだと思います。





私は泣きわめきながら、
親に猛抗議しにいきました。





親は冷たく一言。





「知らない」





私は年に一度のクリスマスを
満足ゆくものにしたかった気持ちで
いっぱいでした。





そして、
延々と泣きつかれた果てに私は思いました。




サンタの秘匿性やサプライズ性が
プレゼント交渉を難しくしているんだ…と。



泣かないでよベイベ~♪




一週間後…





お年玉を握り満面の笑みで買い物をする私。





そこには、
新品のプレツーを脇に抱える私の姿がありました。





ゴルフクラブ買えよ!笑



完。







あとがき


「サンタはいる。」

昔アンビリーバボーの心霊写真特集で、
背景にサンタが猛スピードで駆けている写真が投稿されていて、


本当にサンタは存在すると幼心に信じてきっていました。


皆さんもそうでしたよね。




えっ?



おしまい。




ゲームキューブはその二年後に買いました。笑

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