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恐怖の新聞配達。

クソガキ中学一年生。




ドン引きするほど反抗期突入の私。




家族間の衝突が多い時期とも重なり、
今すぐにでも自立し、
家を出たい気持ちに駆られます。




早く大人になりたい。





皆さんもそういった時期あったと思います。
(今は赤子に戻りたいです。)




そういったわけで、
不良の先輩にアルバイト先(新聞配達)を
紹介してもらいます。



もう気持ちだけは立派な大人。




ですが仕事がこなせたかというと、
ペーペーの未熟ちゃん。




なかなか配達先や新聞の種類が覚えられず、
毎回必ず未配していました。





雨の日にはびしょ濡れの新聞を
突っ込みまくりクレーム殺到。




菓子折りをもって、謝りに周ったこともありました。


反省はするが、同じ轍を踏む私





そんな凹凹(へこへこ)な三年間でしたが、

一つ思い出深い"奇妙"な体験がありました。





当時インターネットが爆速で拡充していた時代。





私は朝から晩までオカルトに夢中になり、
全ての都市伝説や怖い話を読んだ
といっても過言ではない、
オカルトマニアでした。





怖いもの見たさというのは不思議ですよね。
ついついクリックする手が止まらず…




その日は配達の日。





寝ずにそのまま新聞配達の時間が
来てしまいました。





秋から冬にかけての真っ暗な早朝深夜。





ぼーっとした頭で、
配達を進めていきます。




私は怖がりなタイプではないのですが、




なんだかいつも一軒だけ嫌な雰囲気を感じる
古いマンションがありました。





特に最上階の奥の奥。
非常口の緑の明かりが
ぎりぎり届かない暗い厚手の扉。




そこに日刊スポーツ。




いつも怖いので、
ダッシュで新聞を差し込み、
不穏な妄想をかき消しながら、
階段を下りていきます。





しかしどうでしょう。





その日はなんだか”妙に”嫌な予感がしました。

寝ずにオカルトを詰め込んだ私




外は寒風が吹いているのにもかかわらず、
マンション内は湿度が高く、
むわんとしています。





蛍光灯の明かりがちらつく中、
きょろきょろ周りを見渡しながら、
最上階、角部屋へと向かいます。




一番上のフロアは以上にひび割れが多く、
ここだけ異質な空間に思えます。







珍しく心臓が爆裂に鼓動しています。






「大丈夫…だよな…」





頭の中にはオカルトインターネット展開中。




スポーツ紙を持つ手にも力が入ります。





そろりそろり…




「ヨシ、オッケ、ツイタ。」




誰もいない空間で気丈にふるまうこと、
山のごとし。

張り詰めに張り詰めた私




「カシャン…」



新聞を差し込んだその時。




「ズリュッッ!!」







入れた直後、
新聞を介して引っ張られる私!






私「あぁっっ!!!」

(120db飛行機のジェット音)





あまりの緊張状態に一寸の針。





それはこの静寂な早朝を揺るがすには
十分すぎる絶叫でした。




これに驚いた家主。




扉「うぉっ!」





くそ…

すぐに何が起きたかを察知し、
脱兎のごとく建物を出る私。


/うぉっ!\


事務所に戻ると、
電話が一本入っていた事を伝えられます。




私「クレームか…大人は嫌いだ!」





少しずれた思春期を心の中に吐き捨てていると、
内容はどうやら、私に対しての謝罪だったらしい。




ちょっとしたいたずら心で驚かせてしまってすみません。と
単身の年配の方だったようだ。





事務長に訳を話すのが
恥ずかしいと感じた私は、




「いえ、別に何もありません。」





そう斜に構えて、
朝日に向かって斜めに走っていくのでした。



あとがき


予想外の所から、驚かされると
自分でもびっくりするリアクションが
出てしまいますよね。



人生で新聞配達を5年弱くらいしましたが、
実はこれ年に一回くらいある現象です。




早起きな方はできるだけ早く読みたいのでしょうね。
せっかちな人、気持ちわかります。




おばけなんて嘘さ

と言いたい所ですが、



実家にはしゃれこうべと
私が写った心霊写真がありました。
(野球場にて友人と)




お化け信じています。笑




おしまい。




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