地元でエンターテイメントをつなぐ
コロナ禍を経て、働き方を変えた方も多いと思う。私の身内も週の半分は在宅になった。そもそもパソコン業務が主の人はどこにいても仕事は出来るはず。給与体系の関係でちゃんと時間労働がなされているか確認しずらいとかの理由ではない、成果物による報酬や、目に見えやすい労働の場合、自宅でも対応ができることがコロナ禍ではっきりしてしまったので、企業としても改革の意味で在宅は勧めている。むしろ全員出てこない前提でオフィス面積が縮小やそもそも会社の所在地を郊外に移すなどもでてきた。
さて、音楽業界はどうだろう?人が分散した土地に住むと、そこでエンターテイメントを娯楽にしてくれる人口が増えるはず。音楽業本人がどちらかと言えば曲作りや音源を提供する側だと必ずしも家賃の高い都心に住居を構えなくても仕事ができる。
働き手が郊外に住居を移すとその土地で家族が形成され、その土地で豊かな暮らしを求める。そこで音楽を含むエンターテイメントの興行が行われると集まる人数が増えていく。それが本当は望ましいし、誰にとってもウィンウィンなんだけど実際はどうだろう。コロナ前より少しはその傾向が出てきたのではないだろうか?
東京を目指して出てきた人達の中でも、コロナ禍で実家に戻った人も多い。そのまま生活の拠点を実家に戻した人もいる。そこでの音楽活動再開もあるだろう。
さらに、このところ聞くのが50代を過ぎて親元の介護があり地元に戻っていく人の話。音楽をやめて戻る人もあれば、レコーディングや創作活動中心だからある程度問題なく戻れる人もいるようだ。知人は、月の半分を実家のある土地で過ごし、親の介護をしつつ、そこで昔ながらの友人とライブ活動をしている。あとの半分を都内でスタジオ仕事をする。家族全員で彼の実家に移り住んだこともありなんとか家族で介護を分担しているそうだ。
また、都内に家はあっても地元の実家を改造してスタジオにして録音や創作活動はそこに拠点を移す人もいる。バンドマンだけじゃないけど(演劇畑の知り合いも地元で劇団や演劇講師などの仕事をしてる)、ネットの環境がコロナ禍で急速に整ったこともあり、生活の仕方の選択肢が急激に増えたように思う。親元に帰る、実家に帰る、子育てをのびのびと、家賃が安いところに住む、などなど。いろいろな意味づけをした上で地元に帰る人が増えているように思う。
余談だけど先日のNHKで見たサカナクションの山口さんが「東京に出て行く覚悟」みたいな話があった。私は東京生まれ東京育ち、新宿に数十分で出れるようなところで生まれ育っていると、東京に対してそういった覚悟の意味があまりわからない。覚悟がないからダラダラしてるのかもしれないなとふと思ってしまった。
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