スーちゃんのプール、3回戦目、リベンジマッチ!
【スーちゃん年長、チャンさん小2、ピーちゃん1歳の頃】
退会の申し出をした日の夜、思いがけず刈り上げコーチから電話がかかってきた。
「せっかく始めたのにもったいないので、もう1回だけでも来てみてください!お母さんと一緒にプールサイドに来てもらって構いませんので。私、明日15時の幼児クラスのコーチしてるので、待ってます!」
刈り上げコーチの勢いに押され、もう一回連れていってみることにした。
ちょうどその後チャンさんの小学生クラスがある日だったので、タイミングがよかったというのもある。
さあ、リベンジマッチだ!
当日、みんな(ピーちゃんは抱っこ紐)でロッカーまで一緒に行くと、スーちゃんは着替えることさえ拒否…。
どうしたもんかと困っていると、様子を見に来た刈り上げ先生が「そのままでいいですよ!」と言ってくれたので、洋服のまま南国のプールサイドへ行く。
グイグイくるタイプの刈り上げコーチは、「イエーイ!スーちゃん!」とハイタッチを求めてくる。
スーちゃん、あからさまに顔を横に背けてスルー。
ハッハッハッ…
困って乾いた笑い声を発する母。
それでもガツガツくる刈り上げコーチは「じゃあ、抱っこしてあっちまで行ってみよーう!」と大げさに両手を広げる。
これもスルー。
母、むしろおかしくなってしまい笑う。
母、このコーチ、嫌いじゃないぜ。
全くめげない刈り上げコーチが「うーん、どこかに友達いないかな?」とプール全体を見渡しながら指さす。
すると、『チャンさん…』とスーちゃんが小さな声でつぶやく。
「ん?チャンさんってだれかな?わかりますかチャンさんって?」
兄です、と私が横のチャンさんを指さすと、
「あ!お兄ちゃん!ごめん、一緒に着替えてきてくれないかな?」「スーちゃん、お兄ちゃんと一緒ならいい?」
コクリと、スーちゃんが頷く。
えー?!とかなり顔をしかめたチャンさんだったが、刈り上げコーチの勢いに押しされ、スーちゃんと一緒に渋々更衣室へ。
幼児クラスに入れられたチャンさんはかなりムスッとしていたが、一緒に水着になったスーちゃんの顔には明るさが戻っていた。
サンキュー兄貴!
他の子たちと合流し、刈り上げコーチの話を一緒に聞く二人。
けれどスーちゃんは大きなプールには入ろうとせず、何やら小さなプールの方を指さしている。
その先にいるのは、体験コースの時に習った優しい女性コーチ。
同時にチャンさんが解放され、こっちに戻ってくる。
どうやら、あっちでなら泳ぐと言ったらしい。
スーめ!!
それからスーちゃんは、優しいコーチの元、小さなプールの方で楽しそうに泳いでいた。
そうして、スーちゃんは、プールを続けてみることにした。
その優しいコーチのクラスでならという条件付きで。
でも、続けるきっかけをくれたのは、刈り上げコーチと、チャンさんだよね??
御恩を忘れるでないよ。
世話が焼ける弟よ。
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チャンさんが陰の立役者ってこと忘れないで!
結局、若さとビジュアルででコーチ選んだ?!
小学生で幼児クラスに交じるチャンの気恥ずかしさ
チャンさんの気持ちも考えてよ!
刈り上げコーチは素敵なコーチ。今ではスーちゃんも好き。
優しいコーチも素敵なコーチ。今でもスーちゃんは好き。
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