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夏の短歌2023⑧【短歌】-別れ-

点かないよ いつまで経っても ガスコンロ
ゴミだらけの部屋 からっぽだ

集合は いつもお前が 遅刻して
そんなことさえ 寂しく思う

蝉時雨 今日ははたまた 人時雨
はじめての夏 戻らない夏

つないだ手 温もりはもう 消えかけて
カップルだらけの 花火が残る

見ることも 話す聞く嗅ぐ触れることも
できないんだなあ 夜に駆け出す

停車駅 ずっと扉が 開いてて
生温い風が 心地良く思う

アンロック そっと閉めた さようなら
やけに今日は 月がきれいだな

目にしみる メガネのレンズ 手垢だらけ
君の気持ちと 吸い込んでみた

ずっとこのま 線香花火 途中まで
この時夏が 終わる音がした

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