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🥮不意の弔問客と、ぎりぎりの返礼菓子 11/30

この日(11/30)は、午後三時に私の義両親が、実家に弔問に来ると言うことで(義両親も高齢な上、やや体調が良くないので葬儀そのものは無理に呼ばなかった)、午前中はちょっとゆっくりしてから行こうと、遅めに起きて風呂に入っていたら、午前10時30分に、母からの電話が鳴り響いた。

今度はなんだ。

とりあえず、至急上がって折り返すと、
あんた今どこにおるとね、もうなんもわからんで大変なんよ!
たった今来てくれんね!」

と言い出した。

状況がよく掴めず、義実家の来訪は午後なのだから慌てなくてもいいと言うと、
だって人がいっぱい来たとよ、4人も来てからもうあれ(菓子)はなくなったとよ!」
と言う。

4人?

よく聞いてみたら、町内の老人会の副会長の鈴木さん(仮)たちが、なんと連れ立って四人で来たらしい。
不意の来客にしては多いと思うが、菓子は五つ買ったはず。

「落ち着きぃよ。
 4人なら一個余っとろうもん。
 義実家には一個あればいいけん、とりあえずそれを出しとき。」

すると、思いもかけない返事が来た。
だって、今から渡鳥さん(仮)が来るとよ!
 渡鳥さんも香典持ってくるやろうけん、渡鳥さんに渡したら足らんめーが!」

はい?
何故ここで渡鳥さん?
これもよく聞いたら、渡鳥さんから、「今から行っていいか」と言う電話があったらしい。

いや、渡鳥さんこそ近所の友達なんだから、事情を話して明日にしてもらえよ。

そう言うも
「だってももう家出とるよ。
 歩きよう。」
と言う。
あー、成る程、渡鳥さんとの電話はついさっきの話ではなかったらしい。

もうどうしようもないので、義実家が来る前に、私が追加で近所の菓子屋でいくつか箱菓子を見繕って買ってくるからと宥め、とにかく「あんた早く来てよ」と言いまくっていったが、ぷちっと電話を切った。

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ちなみに渡鳥さんが香典以外に持ってきた菓子がこれ。

めっちゃ分かってる。

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そして電話を切って、スマホを見ると何やら留守電が入っている。母かと思ったら、先日電話していた教会の牧師だった。

教会に伺う日時の調整だが、12/8(水)の午前中に設定する。
月火水がご都合が良いとのことだが、月曜にはデイサービスが入る。
その翌日に予定を入れると、母がまたズル休みをしかねないと思っての設定である。

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午後1時過ぎに実家に行くと、実家(というか母)は混乱の坩堝にあった。

まず午前中に生協の配達が来たはずだが、玄関にトマトと缶詰が置き去りにされていた。

それから台所に行くと、母は何故か一生懸命、消費期限間近のコーヒーのドリップパックをビニール袋に小分けしていた……。

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何がしたいのかよく分からなかったが、流しの前に大根がごろんと忘れられているのを見ると、相当に焦っていることは分かる……ような気がする。

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ともあれ、玄関のトマトだけ台所に回収して、菓子屋に行くと伝える。

菓子屋で念のため二千円ほどの箱菓子を五箱注文し、その日用の茶菓子も買い、ついでに隣の地元の名産品の店で母が自分の系統の親戚に約束していた名産品を発送しようかと思ったら、なんと、その店は午後1時30分から午後3時まで昼休みと言って閉めていた。驚いた。

午後1時36分だったので、7分早ければ入れたのか?と微妙な気持ちになりつつ、菓子を持って実家へ。

実家に戻って車から降りようとしたら、再び母親からの電話が鳴り響いた。

今度はなんだと思って出たら、父がジャズソングを習っていたという講師の先生が弔問に来たいと言ってきたので菓子が足りないと騒ぐ。

正直、そんなこと焦って電話してこんでええのやで。

今、追加で5個買ってきたばかりやから十分足りると宥めるが、慌てるともう簡単な算数もできないようで、今日一個義実家に、明日一個先生に渡しても三個残ると教えた直後に「結局何個残るとかね」と言っていた。

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客間の掃除も確認し、後は義実家を待つばかりと思っていたら、午後二時半、突然母親が、
「あんた、あの花の写真がない。
あれがないと晴れんやろ。」
と言い出した。

いや後30分ですが。

母の言っているのは、兄の職場から頂いた供花のことである。
こうなったらテコでも譲らないので、仕方ないので近所のコンビニに駆け込み、慌ててプリントする。

実家の駐車場に戻ってきた午後2時45分、配偶者から
「いったい今どこにいるの?」
と言う電話がかかってくる。
なんとうちの母は自分が頼んだのも忘れて、私のことを
「いったいどこに行ったんでしょうねえ。」
と言ったらしい、おのれ。

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ただこの、義実家が来たとき不在だったことは尾を引いて、義実家が持ってきてお供えしためちゃくちゃ立派な羊羹を見落とし、買ってきた茶菓子のことを忘れ、とりあえずテンションの上がった母が喋りまくるだけのもてなしとなってしまった。

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夕方。

昼間、注文しそびれた名産品の店がネット通販に対応していることに気づき、インターネットで母の希望の返礼品を注文する。

が。

タブレットで注文していると、とりあえず喋らずにはいられない母が横からひっきりなしに話しかけてきて返事を要求するので非常に邪魔くさい。

入力を間違うから黙っていてくれと言っても黙っていられないのが認知症。

その後、少し離れの掃除をしておこうと見たら、わかってはいたが汚い。

なんだこの絨毯の上の黒いの?

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ベッドの向こう側(紙の文字情報が見えないように加工)。

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あと、汚過ぎて吐きそうと思ったがこれを加工すると汚さが伝わらないと思って敢えて未加工。

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父の過去使っていた汚れた枕。

うっかりすると、母はこんなものまで捨てないでおこうとするので、うん、捨てる。

断固として断捨離を実行してくれるわ。



投げ銭歓迎。頂けたら、心と胃袋の肥やしにします。 具体的には酒肴、本と音楽🎷。 でもおそらく、まずは、心意気をほかの書き手さんにも分けるでしょう。 しかし、投げ銭もいいけれど、読んで気が向いたらスキを押しておいてほしい。