🍫父母とリンドールのチョコレート
さて、「父がまたまた帰ってこない記事」
の日の、4回目と5回目の、母親が客間に襲来した話をしよう。
(1〜3回目の話はこちら)
4回目、母が手に何か持って客間に来た。
また通帳か!と思った私だったが、母の手にあるのは何か金色の箱だった。
うん?
なんの高級チョコレート?
「あんたこれ、半分に分けてくれん。
お父さんが5個も買って一個だけくれたんよ。」
半分くれるという意味かと思った私は
「いや適当にいる分だけ取って残り玄関に置いてくれてたら、勝手に持って帰るよ。好きなだけ残し。」
と言って母に返事をしたが(4回目)、母は5分も経たずまた来た。
「あんた、やっぱりこれ半分に分けて。」
母は、分ける用に平たい箱まで持ってきていて、面倒くさくなった私はその箱の上に、右1、左1のような要領で片手に一個ずつ持って両手でぽいぽい置き、完全に半分こにするつもりで置いた。
(写真は、自宅に持って帰ってきて数個食べてから撮ったので、平たい箱もないし、個数も違う)
が、違った。
母はそれをみて不服そうに言った。
「そうじゃない、何個あるね?
お父さんがね、渡鳥さん(仮名)の娘さんが、川崎(地名の仮名)で買ってきたチョコレートを気に入ってからね。
これが駅前の高級スーパーだと一個100円で売っとるらしいとよ。
それをお父さんは今度川崎(仮名)に行く時に買ってきて欲しいって言ってから5箱も頼んだとよ。
それで5箱買って1箱だけくれたとよ。
それで娘さんは一箱2000円で買ったらしいけん、
本当は一個いくらやったとやろうかと思って。」
(母の友人の渡鳥さんは、こっちも名前だけ出てくる)
実際はもっとごちゃごちゃしたやり取りだったが、そこか!?
うちの母は高級チョコレートが、本当にお安く買えたのか知りたいだけだった🤣
頭痛がしそうだ。
まあ、事情は分かった。というより察した。
川崎(仮名)には、コストコがある。
渡鳥さんは八十代、その娘さんは五十代だ。娘さんが車を出して買い物に行った時に、リンドールのチョコも買ったのだろう。
おそらくそのチョコは渡鳥さんの娘さん→渡鳥さん→母を経由して、父の口に入った。
しかし我が父ながら図々しくはある。
渡鳥さんは、父の知己ではなく、その娘さんは全く知らないはずなのに、図々しく頼みごとをする神経がいつも通り分からない。
5箱買って、父母で食べようという分は一箱だけなのもよく分からない。
あと、父がチョコレートを必要とする理由はおそらくこれ。
(父は胃癌で胃を切除して以来出先でゼンマイが切れる。ゼンマイじかけのおもちゃか?)
リンドールのチョコは一般の日本のチョコより大きめだし甘いので糖分補給にちょうど良いと思ったのだろう。
まあとりあえず、半分に分けたチョコを私は数えた。
「片方24個やけん、48個と思うよ。」
「それやったら、一個50円を切るね。
スーパーが一個100円やったら、半額以下やね。」
妙なところで暗算にしっかりしたところを発揮して、チョコを半分くれて、母は満足げに去った…
と思ったこの直後の6回目が
「あんた、お父さんが帰ってこんとよ。探しに行っちゃらん。」
であった。以上!
投げ銭歓迎。頂けたら、心と胃袋の肥やしにします。 具体的には酒肴、本と音楽🎷。 でもおそらく、まずは、心意気をほかの書き手さんにも分けるでしょう。 しかし、投げ銭もいいけれど、読んで気が向いたらスキを押しておいてほしい。