🖌 父が入院し、病院から筆ペン等を要求する朝3/11
さて父が入院して、やっと安心だと思った翌日の3/11朝午前9時30分。
母からの電話が鳴り響いた。
「あんた!お父さんが大変なんよ!」
(前話はこちら)
あ?
入院して思った以上に病状が悪いことが判明でもしたのかと思った私の予想をいつも通り裏切る母。
「物が何もないから、メモ紙とかiPadの説明書とか筆ペンとか、直ちに持ってきてって言うんよ!」
うるせえ。
「いやそんな物至急じゃないやろ。
私も昼から用事あるけど、午前中寄るから、適当に揃えて持って行くけん。
メモ取ってある?ちょっと読み上げてみて。」
案の定、至急のものは何もない。
メモ紙、筆ペン、油性ペン、水性ペン、iPadの説明書、酸化マグネシウムetc。
「酸化マグネシウムは荷物に入れてる。
他の薬と一緒にいれてるけん。
他のはすぐ揃うやろ、玄関先にメモ置いといてくれたら、適当に揃えていくから。」
そう言ったのだが、母も認知症で手強かった。
昼前に行くと、
玄関先に筆ペンと新品のメモ帳一冊が置いてある。
ものをメモしたメモ紙は?
メモ紙は父の机の上に置き去りにされていた。
しかし重要なのはそこではなかった。
玄関先に茶封筒、表書きに3万円強の金額が書いてある。なんだこれ?
父が要求する荷物はすぐ揃ったのだが(iPadの説明書だけ要求してたので、親切な私は本体も突っ込んでおいた)、これについて母に聞いた。
「ああ、それは、月曜日にコルセット作るからその代金を持ってきてくださいって病院が言ったんよ。」
いやどう考えてもそっちが重要やろ。
そしてついでの母の一言。
「領収書もらっとってね。」
いいけどね?分かるけどね?
そんなこんなで病院に行ったが、やはり昨今のコロナ禍で面会はできない。
それは良いのだが、玄関先に荷物を取りに来た看護師さんが言った。
「あの、洗濯物がこちらなんですけど。」
あー、と思い、今現在足りなさそうな着替え衣類を尋ねる。
「肌着が少なかったかもしれません。」
「肌着ですか、パンツは?」
事務的な気持ちで聞いた私は、看護師さんが一瞬躊躇したのを不思議に思った。
「パンツですか…。
パンツはあの、今オムツをしていらっしゃるので…。」
「ですよねー!!」
オムツ!そうだろ!?病院でも排便介助難しいのに自宅でできるわけがないだろ!?
私は無意味に勝ち誇った気持ちになって帰宅した。
なお、領収書は装具屋さんがきてからという話で先送りになった。
(まだ続くよ)
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