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今日の一言 4冊目

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今日の一言 4冊目
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2017年2月の記事一覧

「下り坂を感じ取る」見一葉落、而知歳之將暮

一葉の落つるを見、歳の将に暮れなんとするを知る
―見一葉落、而知歳之將暮―

[原文](淮南子 説山訓)
見一葉落、而知歳之將暮、睹瓶中之冰、而知天下之寒。以近論遠。

[書き下し文]
一葉の落つるを見、歳の将に暮れなんとするを知る、瓶中の氷を睹(み)て、天下の寒きを知る。近きを以て遠きを論ずるなり。

[原文の語訳]
木の葉が一枚落ちるのを見て、まさに歳が暮れようとしているのを知り、瓶の水が凍っ

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「有言実行は難しい」言之易而行之難

言うは易く行うは難し
―言之易而行之難―

[原文](塩鉄論 利議)
言者不必有徳。何者、言之易而行之難。

[書き下し文]
言う者は必ずしも徳有らず。何となれば、之を言うは易く之を行うは難し。

[原文の語訳]
立派なことを言う者が必ずしも徳があるとは限らない。なぜか、言うことは簡単だが実行することは難しいからである。

[解釈]
口先だけで実が伴わないということです。

風呂敷だけ大きく広げる

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「ツケは回ってくるもの」悪之来也、己則取之

悪の来たるや、己則ち之を取る
―悪之来也、己則取之―

[原文](春秋左氏伝)
悪之来也、己則取之。

[書き下し文]
悪之(の)来たる也(や)、己(おのれ)則ち之を取る。

[原文の語訳]
悪いことがやって来るのは、自身が招いたものである。

[解釈]
悪い意味での自業自得、悪事のツケは回ってくるということです。

手を抜けば後始末をしなくてはいけなくなるし、先送りすればあとで切羽詰まることにな

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「無駄な批判はしない聞かない」悪語不出口、苟言不留耳

悪語は口より出でず、苟言は耳に留めず
―悪語不出口、苟言不留耳―

[原文](説苑)
悪語不出口、苟言不留耳。

[書き下し文]
悪語は口より出でず、苟言は耳に留めず。

[原文の語訳]
悪口を言わず、その場しのぎの言葉には耳を貸さない。

[解釈]
人の悪口は言わないのはもちろん、相手からのその場しのぎの苦しい弁明や言い訳、軽率な言葉は聞き流すということです。

他者の悪口や批判、噂話や意味のな

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「精鋭に絞り込む」兵務精不務多

精を務めて多を務めず
―兵務精不務多―

[原文](十八史略)
兵務精不務多。

[書き下し文]
精を務めて多を務めず。

[原文の語訳]
兵士は精強なることに務めて人数の多さに務めるべきでない。

[解釈]
兵士は精鋭を揃えることを念頭に置き、無駄に多く集めるべきではないということです。

ラインナップも幅広く揃えると、それだけ作業手間や在庫管理が大変になります。絞り込むことが大事です。特に大手

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「情報を漏らさない」将謀欲密

将の謀は密なるを欲す
―将謀欲密―

[原文](三略)
将謀欲密、士衆欲一、攻敵欲疾。

[書き下し文]
将(しょう)の謀(はかりごと)は密なるを欲し、士衆は一なるを欲し、敵を攻むるには疾(はや)きを欲す。

[原文の語訳]
将は作戦を隠すことを望み、兵士は一致団結することを望み、敵を攻撃するときは敏速なことを望む。

[解釈]
大将は作戦を隠し、漏れないようすることを望むということです。また一致

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「あらかじめ目処を立てる」謀定而後戦

謀定まりて後戦う
―謀定而後戦―

[原文](新唐書)
謀定而後戦。

[書き下し文]
謀(はかりごと)定まりて後戦う。

[原文の語訳]
作戦が確定してその後戦う。

[解釈]
作戦をきちんと立ててから戦うということです。無謀な戦いはしないという基本的なことです。

たとえ少数でも、勝算を得ることができる作戦を立てればよいのです。

何事も目的から目標を立て、作戦・戦略・工程表の作成から段取り・

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「時空間を掌握する」得時者昌、失時者亡

時を得る者は昌え、時を失う者は亡ぶ
―得時者昌、失時者亡―

[原文](列子)
得時者昌、失時者亡。

[書き下し文]
時を得る者は昌え、時を失う者は亡ぶ。

[原文の語訳]
時に恵まれたものはさかえ、時に恵まれないものは滅ぶ。

[解釈]
時運を活かす人は栄え、機を逸する人は滅びるということです。

タイミングをしっかり捉えられるか、また自らチャンスを作り出せるかといったところでしょうか。

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「奪っている意識を」天有時、地有利

天に時有り、地に利有り
―天有時、地有利―

[原文](列子)
天有時、地有利。

[書き下し文]
天に時有り、地に利有り。

[原文の語訳]
天には時があり、大地には利益がある。

[解釈]
天は時や季節があり、大地は食料などの利益があるということです。

人はそれを頂戴しているのですが、ここでは前後の文から「授かっている」というよりも「盗んでいる(奪っている)」という考え方のなるようです。

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「素早く集中させる」戦如風発

戦うこと風を発するが如く
―戦如風発―

[原文](三略)
戦如風発、攻如決河。

[書き下し文]
戦うこと風を発するが如く、攻むること河を決するが如く。

[原文の語訳]
戦うときは疾風が吹くように、攻めるときは河が決壊するほど。

[解釈]
疾風怒濤に近い意味ですね。勢いがあれば風のように素早く、氾濫する川のように勢いがあるということです。

良き指導者のもとで組織が一丸となり、士気も高まって

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「要求のすべてまでは丸呑みしない」譬猶抱薪而救火也

譬へば猶ほ薪を抱きて火を救うなり
―譬猶抱薪而救火也―

[原文](戦国策)
譬猶抱薪而救火也。

[書き下し文]
譬へば猶ほ薪を抱きて火を救うなり。

[原文の語訳]
譬えるとさながら薪木を抱えて消火に行くようなものです。

[解釈]
「抱薪求火」の由来です。消火に行くのに火がつきやすい薪を持って行く、相手の要求にひたすら応えていると自分の身がもたないということです。

他人を擁護したら自分も炎

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「匠の技の大全集はない」大巧無巧術

大巧は巧術無し
―大巧無巧術―

[原文](菜根譚 前集)
大巧無巧術。

[書き下し文]
大巧は巧術無し。

[原文の語訳]
巧者は巧みな術を見せない。

[解釈]
卓越した人はその技巧をさらりとやってのけるということです。

また、匠の技を習得するのに近道になるような術は無く、地道な鍛錬が必要ということでもありそうです。

秘伝の中には一子相伝、口頭伝承など、書き表したものがない場合もあります

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「相手の虚をつく」撃其懈怠、出其空虚

其の懈怠に攻撃し、其の空虚に出ずる
―撃其懈怠、出其空虚―

[原文](孫子)
撃其懈怠、出其空虚。

[書き下し文]
其の懈怠(けたい)に攻撃し、其の空虚に出ずる。

[原文の語訳]
油断しているところを攻撃し、警戒していないところに出る。

[解釈]
勝利に向けては相手が無防備なところを攻めろということです。

準備ができてないところを攻めることで相手を動揺や混乱させることができます。サプライ

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「慌てず騒がず対処する」卒然臨之而不驚、無故加之而不怒

卒然として之に臨むも驚かず、故に無くして之を加うるも怒らず
―卒然臨之而不驚、無故加之而不怒―

[原文](留侯論)
天下有大勇者、卒然臨之而不驚、無故加之而不怒。

[書き下し文]
天下に大きな勇を有する者は、卒然として之に臨むも驚かず、故に無くして之を加うるも怒らず。

[原文の語訳]
天下に対して大きな勇気をもつ者は、突然のことに遭遇しても驚かず、理由なく被害をうけても怒らない。

[解釈]

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