「下り坂を感じ取る」見一葉落、而知歳之將暮

一葉の落つるを見、歳の将に暮れなんとするを知る
―見一葉落、而知歳之將暮―

[原文](淮南子 説山訓)
見一葉落、而知歳之將暮、睹瓶中之冰、而知天下之寒。以近論遠。

[書き下し文]
一葉の落つるを見、歳の将に暮れなんとするを知る、瓶中の氷を睹(み)て、天下の寒きを知る。近きを以て遠きを論ずるなり。

[原文の語訳]
木の葉が一枚落ちるのを見て、まさに歳が暮れようとしているのを知り、瓶の水が凍っているのを見て、天下の寒さを知る。

[解釈]
目の前の小さな変化に気づいて季節の移り変わりを感じる。ちょっとしたことで先のことに気づくということです。

一葉落知天下秋(一葉落ちて天下の秋を知る)という言葉もあります。

この文でいくと「秋」や「寒さ」など下り坂の兆候を表しているようです。早落ちの葉が一枚落ちるということで、何やら不穏な兆候と受け取ってもyいのかもしれません。感じ取ったならば、早めの対策に取り掛からなくてはいけませんね。

かといって葉を落ちないようにしたり、水を凍らないようにすることは、自然の道理に対しようとするやや無謀な行為です。ここはすでに始まっている未来の結果をあらかじめ受け入れて、それにこれからどう対応するかを考えなくてはいけないということです。

いつまでも好調が続くと過信せず、少しでも停滞を感じたら早めの対策や、次の一手を打ち出さなくてはいけません。本当は好調時から策を練り、いつでも対応できるようにしておきたいものです。

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