「匠の技の大全集はない」大巧無巧術
大巧は巧術無し
―大巧無巧術―
[原文](菜根譚 前集)
大巧無巧術。
[書き下し文]
大巧は巧術無し。
[原文の語訳]
巧者は巧みな術を見せない。
[解釈]
卓越した人はその技巧をさらりとやってのけるということです。
また、匠の技を習得するのに近道になるような術は無く、地道な鍛錬が必要ということでもありそうです。
秘伝の中には一子相伝、口頭伝承など、書き表したものがない場合もあります。
戦の時代、軍師は戦略の真意や全体像をわざわざ伝えることはしませんでしたし、主君は心の中をむやみに晒すことはしませんでした。
できる人はわざわざ特技を主張したり、でしゃばったりしたいということです。匠と呼ばれる人は寡黙で、人がマネできないようことを当たり前のように簡単にやってのけるものです。
「これであのお店の味を再現」といっても、家庭で全く同じものができあがるわけではありませんね。紹介していない隠し味や一手間が実はあるのです。
組織では部下を育てるための社員教育といっても、何でもかんでも教えることはせず、自分で考える力を身につけることで育てます。優秀な人材は教材だけで簡単に育成できるわけではないのです。
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