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やりたいことをやること

私は現在片田舎で、自由な学校と普通な学校で子どもたちと関わる仕事をしている。
そんな中で気づいた大事なことを、この記事では書いてゆくよ。

前回記事では、オルタナティブスクールとはなんなのか、そしてその中でも私がスタッフをさせてもらっているまめの木の特色をまとめてみた。

今回は、やりたいことをやることで一体どんなことが起こっているか、そして私たちはどんなサポートをしているか、書いてみようと思う。

やりたいことをやる中での、子どもたちの心の変化、成長

やりたいことをやる中で
子ども達の間ではこのような心の変化、成長が起きている。

まずは、恐る恐るやっていたのが、やりたいことを思ったようにやっていいんだ、と安心して、表現してくれるようになる。

それはお菓子作りだったり、絵だったり、ポケカのデッキだったり、踊りだったり、演奏だったり、ダンスだったり、編み物だったり、スライムだったり。

初めてやることでも、繰り返す中で自分で必要な材料は何か、把握していき、だんだんと、準備し、完成したら片付けまでが自然にできるようになる。

その中で自分のスタイルが確立していくし、

それが得意になれば、やりたい子に、一緒にやる中で教えたり、一緒に作ったりする。
教えたりする中で、そのことをより深く知ることになるし、
自分というもののこだわりを知ることになる。
一緒に作る中で役割分担をすれば、
その子に、自分のやりたくない仕事ばかりを押し付けると、一緒にはできなくなるから、
自分が大変なことを請け負ったり、自然とするようになる。

また、できあがれば、
他の子の作品と見比べることで、もっと自分が気にいるような作品を作ろうとしたり、
そのうちだれもがあっと驚くことまでするようになる。

また、例えば、自分が作ったものを壊された時とか、ケンカとかが起きたりする。
それでもいい。それもしてみなければわからない。
ケンカをすれば、経験をした子が、それ以上やるとあかんわ、と仲裁する子が出てきたり、
みんなで何が起きたか話し合えば、客観的な視点にもなることができて
ケンカを仕掛けた方も、実は何か不満があってそれをうまく表現できなかっただけだったことに気づく。
そうすれば、次からちゃんと言葉で伝えることができるようになるし、
する必要のなさがお互いの間で共有され、そのようなことは自然としなくなる。

そうしてむしろそれぞれがしたいことにそれぞれ集中しはじめる。

そうして今度は、ハマっていたことを、やめてしまってもいい。
なぜなら、いつかまた始めるチャンスはいくらでもあるし、
一旦辞めてしばらく寝かせたら、以前より違うことを思い付いていたり、
以前よりかはずっと楽に上手くなっている自分がいることにも気づく。



このように、
ここに書いたことも、毎度うまくいくわけではない。
それでもいい。
一朝一夕でわかるようなことではないから、段々と分かればいい。



子どもたちの中には自らから進んで何でもやる子と、
内向的であまり表に出さない子もいる。そんな子からも表現してもらえるように、こんなことに気を付けている。

スタッフとして気を付けていること

子どもたちがやりたいことをやる流れの中で、スタッフとして気をつけていることは

別に、これといってやりたいことがなくてもいいということ。
それは大概、今やっていることが実はやりたいことだったと気づいてないだけだったり、ときには休むことも大事だから。

一番初めのとっかかりを一緒にとっかかってみることで
やってみたことがないことを始める抵抗を減らすこと、

やってくれた前提を、しっかり認めてあげることを忘れないこと。
その上で、作業的な部分や、片付け、に関してはこうしたらもっと良くなるで、
ということを一緒にやりながらフォローすること、

出来上がった作品に対して、いいものだけを褒めることはしないこと。
(ぐちゃぐちゃにできたとしても、それでもいい)
ここはもっとこうしたほうがいいんじゃないか、と、自分の好みを植えつけるようなことをしないこと。

悪いことはしてはいけない、と
子どもたちの間に入り“すぎ”てしまわないこと。
悪いことはしてはいけない、とスタッフが入りすぎてしまうと、
なぜダメなのかを深くまで理解しないまま、
自分の中のモヤモヤを自分で言葉にして相手に伝えることができないままになってしまい、
結局は同じことを繰り返してしまい、そうなっては本末転倒だからである。

なんでも手伝いすぎたりしないこと。
こっからはいけるな、と思ったら間違えても、失敗してもいいから、
信じて、あとは任せる。

ちゃんと納得のいく理由を説明して理不尽な思いをさせないこと。
もしくはお互いが納得すること。



大体こんなことに気を付けている。

そうしていくうちに、最初はほぼ反射的に苦手だったことも、
あ、なんだ。大丈夫じゃん、と、そんなふうに
食わず嫌いだったことだって、いつの間にかこなせるようになっている。



ここまでで総じて、

だから、私たちのスクールでは
子どもたちがやりたいことをやることが一番の軸なのだ。

やりたいことをやるのも、決して楽な作業ばかりではない。
しかし、気持ちが“楽”なのはいい。
一見大変なことでも、自分の気持ちが嫌がってないから
軽々できるし、みんなで乗り越える人間関係ができているから、
自分だけ虐げられたような嫌な気持ちの中でやらなくていい。
これは、大いなる前進力なのである。

まめの木では、こんなことが起きている。

ここまで読んでくださってありがとう。

また次回もお楽しみに。

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