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あの夏のルカ

「あの夏のルカは、みんな大好きぼくのなつやすみだった。」

◎”受け入れない者はいる、でも受け入れてくれる者もいる”

偏見とか差別とか、そういったことを人間なぜするのかと言ったら、結局自分たちとは違うからだと思うんだよね。歴史的に遡れば原因ってのはちゃんとあるんだろうけど、そんな時代に生きていない我々からすると、差別とかをする理由って大それたものなんて特に無くて、でも自分たちとは違うから、その違いを恐れてか、多勢に無勢で潰しにかかるんだと思う。
今作でも人間とシーモンスターとの間にある確執って物語の中では特に触れられてなくて、そこをもっと知りたかったという本音もあるが、でもそういう忌々しい暗い過去を見るより、国籍、性別、違いを越えた友情ある未来を見るべきという思いのようにも感じる部分でもある。
だからそういった自分たちとの違いを、恐れるのでは無くて、興味関心をもって知ろうとする事が大事なんじゃないかなって。
漫画の話になるんだけど、ワンピースで光月おでんが浜辺で虐められてるイヌアラシたちを助け、いじめた人間たちに説教するんだけど、その時の言葉がずっと頭から離れないというか、心に残ってて、差別とか偏見とかこういった問題の、ある種核となるポイントを突いてるんですけど、
「恥を知れ貴様ら、異形を恐れるは己の無知ゆえ」 
これに尽きると思う。
そういった問題を、胡散臭くなく、でも子供たちにもちゃんと分かるように描かれていたのが凄く良かった。

◎ルカとアルベルトの夏の暑さよりも熱い友情がたまらん!

この物語の主人公ルカと親友アルベルトの男同士の友情が、夏の甲子園よりも、埼玉県熊谷市よりも、T.M.Revolutionよりも、TUBEよりも、松岡修造よりも、なんなら広辞苑よりも、六法全書よりも、厚い!じゃなかった、、熱いんだよ!!
ルカとアルベルトのような夏の出会い、発見、夏に生まれる友情の特別感って、リアルの世界でも共感できる夏の醍醐味だと思うし、2人が一緒にバイクを作るとこなんて、夏休みの自由研究そのものだったし、そこに街で出会った女の子ジュリアを加えた負け犬チーム3人の関係性が凄く良くて、映画のラストなんてもう全ディズニー映画の中でも1番って言っても過言ではない最高のエンディングで、涙腺ぶっ壊れ案件←😭
日本語吹き替えを担当した人たちも凄く良くて、特にルカの吹き替えをした阿部カノン君の声が、これまたたまらんのですわ!
ルカというキャラクターと凄くマッチしてて、少年っぽさ、無邪気さ、ちょっと臆病で、でも友達思いでってのが声色だけで分かる感じ←

◎志茂田景樹よりもカラフルなビジュアル

アニメーションはPixarの得意とするところなんで言わずもがななんですけど、とにかくもう眼球がワクワクするぐらい色彩豊か!
北イタリアの港町の感じは、今すぐにでもパスポート片手に飛行機に飛び乗りたいぐらいシャレオツで、美しく映え映えのエモエモ←
さらには監督のエンリコ・カサローザは日本のアニメが大好きな親日家であり、宮崎駿、スタジオジブリに多くの影響を受けていることもあり、我々日本人が親しみやすいアニメーションとなっていた。所々で感じるジブリ要素もこの映画の魅力の一つだった。

ヨルシカのボーカルsuisが歌う「少年時代」とも相まって、かなりノスタルジックに溢れ、エモーショナルが詰まっている、とても温かなサマーファンタジーアドベンチャー。
暑い季節にピッタリ、心をシュワっとさせてくれるサイダー映画でした!!

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