【地方移住】出たの!お父さん、出た出た!(イノシシ)
出会ったのはトトロとネコバスではなく…イノシシ。
この秋からぽつぽつと集落でイノシシが出ることは聞いていた。実際我が家で借りた田んぼもイノシシに荒らされ収穫は2/3になってしまって「イノシシめ~。ガッデム!」となった稲刈りでもあった。
電気柵つけても鼻でほじほじして突破しちゃうらしいし、目撃情報はあるけれどいつも同じイノシシなのか、はたまた別人?で複数いるのかもわかっていない状態だった。
私はまだイノシシに出会っていなかったので目撃談を聞いても
テレビで「熊出た」のニュースを見て「わぁぁ」と思うのと同じような感想を持っていた。
「夜8時くらいに車で帰ってきたら目の前に出てきた!」
(同じ集落のママ友)
「こーんなでっかいイノシシが参道の近くにいた!」
(大きい手ぶりでイノシシの大きさを表現する小柄の方)
「参道に掘って埋めた〇〇が目当てでよく見る」
(○○の部分は聞きそびれたけど参道での目撃談)
…などなど聞いてもいまいち実感がわかず、わかったことは
・夜に出てくる
・とにかくでっかい
とのことだったのでとりあえず、夜暗くなったら出歩くのはやめとこうと決めた。といっても集落には街灯の数が少なくほぼ真っ暗なので歩こうと思ったらヘッドランプかスマホのライトが必須になる。
つい数日前、夫さんの「仕事終わってこれから帰るよ」電話に出れないことがあった。電話の時間は夜6時くらいなので夜ごはんの支度や洗濯・保育園かばんの片づけやらでワーワーしていて出れないことも多い。でも着信があればあと1時間くらいで帰ってくるな、とごはんの時間の目途が付くので助かっている。
あとちょっとで帰ってくるな、という時にその日は星空がとてもきれいなことを思い出した。
「玄関で星見ようよ」
とガールズを誘うとお姉ちゃんが「ちょっと待ってて!」と子供部屋に飛び込んだ。
「星見るだけだよ~なによ~。」
と寒い玄関で次女と待っているとお姉ちゃんが夏祭りで買ってもらったキラキラステッキを手に登場した。
「これ持って外行ったらきれいだとおもうの!」
スイッチを入れるとしゃららららら~♪と音が鳴り3色くらいの輪がハート型をしている上の部分でくるくる回るステッキだ。
私世代的にはセーラームーンしか浮かばず「セーラームーンステッキ」と勝手に呼んでいる。
「ムーンヒーリングエスカレーション!」だよ、と名台詞も仕込み済み。
もちろん次女も使いたがるので
「次女はセーラーちびムーンだよ。」とお姉ちゃん感を出して順番に使うよう促しはしているけれど…いつもそう上手くいくはずもなく。
わーわーどっちが先に玄関で使うかけんかになりながらも外に出ると、星がとてもきれいに出ていた。小さい星が大きい星を取り囲むみたいにぷわっと広がっているのがきれいだな~と思っていると長女が土間の電気と玄関の外灯のスイッチを切る。
「これでもっときれいだとおもうの!」もちろん星ではなくステッキのことである。
ぐるぐるまわしてキレイキレイとやっていると夫さんの軽トラが帰ってきた。軽トラから降りた夫さんはびっくりした表情をしているので「いつもと違うお出迎えに驚いたかな。」と思ったら、
「出た!イノシシいた!すぐそこ坂のぼって曲がったとこ!」
とうとう夫さんも出会ってしまったらしい。もうすぐ家だ~と真っ暗の中車のライトに突如浮かび上がったのがイノシシですごくびっくりしたという。こっちに向かってきたらどうしよ、と思った瞬間軽トラとは逆の進行方向に向かっていったとのこと。
一気に都市伝説化していた私の中のイノシシが実体化した。そんな近くでイノシシがふごふごしていたのに我が家はのんきに電気を消した家の前でこどもたちとのんびりしてたのか。目の前の畑に来なくてよかったとほっとした。
結局目撃したのは夫さんだけど、イノシシもクマもサルも出る集落に住んでいることを再確認した出来事だった。これからたくさんの雪が降るから降る直前の今が一番里に下りてくるのだという。出来ればこのまま出会いたくないと願っている。
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