ある日のお昼頃こと。 玄関先の広場でひとり、お弁当を食べていたら、 子どもたちが続々と、 散歩にいく準備にやってきた。 むむ。 年長のAくんが、なんだか怒っている? 本気とまではいかないが、 やや、怒ってる感じだ。 ひ「どうしたの?」 A「Bくんが、オレのあたま触ったんだよ!なんでさわったの??」 とのこと。 Bくんも年長の男の子だ。 聞いてみることにした。 ひ「Bくんさ、ちょっと分からないから 教えてほしいんだけど」 B「なに?」 ひ「あのさ、どうしてAく
《登場人物》 Aちゃん…妹さん。1歳女児 Oちゃん…お兄ちゃん。年長男児 ひ…僕。さんたとよばれている _ ある日の夕方。 Aちゃんは入園したてでまだ不安があり、それを気にしたお兄ちゃんのOくん(年長さん)が Aちゃんのいる乳児室を覗きながらこう言った。 O「ねー、Aが、僕が一緒がいいって言ってる(^^)」 Aちゃんは無言である。 でも、「言ってる」のだ。 O「僕をじーって見てるから、「一緒がいい」って言ってるんじゃない?」 さ「なるほど、そうかもね!」 O「さ
《登場人物》 Aくん…3歳児男児 Wちゃん…3歳児女児 __ ある日の夕方頃のこと。 保育室を歩いていると、ふと目の前でバタン!と音がした。 わーーーーんと泣き出したのはWちゃん。 むむ、これは入った方がいい感覚。 ひ「どうしたの?」 W「Aくんがおしたのー!」 ここで直接Aくんに振ると、 うまくいかないことが多いので、 周りにいた子に聞いてみることにした。 ひ「〇〇ちゃん、みてた?」 「みてない」 ひ「〇〇ちゃんは?」 「みてたよ。Aくんが、Wくんをおしたの」
«登場人物≫ Aちゃん・・・2歳児、夏〜秋に入園 __ 2歳児クラスの担任をさせていただいてた時のこと。 この保育園は、野外活動中心で かつ「さくらさくらんぼ」の要素をとりいれていた。 音楽教育、リズム運動と歌である。 途中入園のAちゃんは控えめというか あまり自分を表現しない感じの子だった。 歌にもリズムにもあまり入らないし、 「ねんねち」というハンカチをずっと手に持っていた。 肌身離さず、そこそこ長い間。 体は大きかったのだが、月齢は低め。 言葉もあまり話すこ
ある日の夕方。 園庭で3歳の女の子とのんびり会話をしていた。 心の話。 僕の在り方をどう思うか、とか。 いろんなことを教えてもらっていた。 そんなとき、 ふとその子がこう言った。 「さんたさん、 これからどうやって 生きていくつもり?」 えっ!? はいーっ!?!? 言葉が詰まった。 ど、どういうことだろう。 とっさに出た答えはこうだ。 ひ「えっと・・・ で、できるだけ怒らないで 生きていけるようにします」 当時、いろんな出来事があり、 自分の中で怒り
ある日の保育のこと。 散歩前に、4歳児の子にこう言われた。 「ねーひがし、昨日の散歩、あんまり面白くなかった」 実は前の日に、さんぽの帰り道に疲れ果ててネムネムで、やっとこさ歩いて帰ってきたのだ。そのことを言っているのだと思う。 ひ「そうだよね、眠かったし疲れてたもんね。あのとき、どんな気持ちだったの?」 「わかんなーーーい」 この子は、これまでいろんな場面で「どんな気持ち?」「どう思う?」と聞いても、ほとんどが「わかんなーーーい」と返ってきていた。 これが悪いわ
ある日の散歩の帰り道。 この日はゆっくり遊んだので、多くの子がへとへとだった。 その中の1人の男の子が、 帰路の列の後方で立ち止まった。 もうだめ…という感じだった。 「大丈夫?」 といいつつ、少しだけ先に進んでみた。 広い歩道だったが、どうするか迷う。 30メートルくらい先を行ったところで 「じゃあ昆布でも食べて待とうか」 ということになり、 緊急食の昆布のちいさなひときれを みんなで食べた。 すると。 「俺が〇〇に持っていくよ」 と言って、後方に向かって走り出し
《登場人物》 Aくん…2歳児男児 Dちゃん…3歳児女児 Eちゃん…1歳児女児(Dちゃんの妹) _ ある日の夕方保育。 園庭で過ごしていた時のこと。 Aくんが、棚の上からちょうど写真のようなアウトドア用の椅子を下ろし、腰掛けた。 もう一人の2歳の子と一緒に電車ごっこをしていて、この椅子は「(僕の)ロマンスカーの車庫」らしい。 椅子は全部で三脚でていた。 _ そこへDちゃんがやってきた。 ちょうどAくんが、 「クレーン車が壊れたので、治しに行ってきます」と出かけた後
ある日の朝の保育室。 2人の3歳児がケンカをしていて(ちょっと一方的だった)、仲介として入ることにした。 そのケンカの気持ちが少し落ち着いてきたかな?という頃。ことの経緯をとなりで聞いていた3歳女子が、話しかけてきた。 なんだか、すごい。 なにがって、話す勢いがだ。 あれ、 この子ってこんなに話すのか。 というかこんなに僕に話しかけてくれるのか。 ちなみにこの頃は 僕が3歳児クラスに入ることはほとんど皆無。 たまの朝夕くらいの関わりだ。 それにしても、ずっと話す。
ある日の夕方保育でのこと。 1歳児のTちゃん、目の前にいた0歳児の子の持ってるおもちゃを、何も言わずにフツーーに。ほんとにふつーーーに取っていってしまいました。 あまりにもフツーすぎてびっくり。 気持ちがゆれるひがし。 え、完全に俺のモノはオレノモノ状態?? これ、流すのはどうなのか??? よし、入ろう。 ひ「あのさ、、、」 なんと入ろうか迷う。 そしてとっさに出てきたのは 「Tちゃんは、心あるの?」 だった! なんでー!?というと 少し前の『僕はこころを無くし
《登場人物》 Aくん…2歳児男児 Cちゃん…1歳児女児(話せるようになり始めた) ひ…ひがし __ ある日の夕方の園舎内にて。 そろそろお迎えの時間帯だった。 A「ね~この絵本読んで~」 C「これよむ~」 二人が同時に絵本を持って、僕の膝に乗ってきた。 A「だめ!ぼくがさきに読むんだよ~!」 C「Cがよむの~!」 こういうとき。 ついつい「じゃあ、○ちゃん先に持ってきたから、□ちゃん待っててね」とか言いたくなるのです。が、これではだめだと気がついて。 最近では、
《登場人物》 Aくん…年長男児(気になる子) Bくん…年長男児 Tくん…2歳児男児 Sくん…2歳児男児 ひ…ひがし 記憶の中をたどりつつ書きますが、子どもたちの言葉の表現、展開の順序は事実と少し違っていると思います。ニュアンスはだいたいあっているはずです。あらかじめご了承ください。 また、この過去のエピソードに関して特定の園をどうこう思っているという訳では全くありません。この件を通じた「自分自身の対応や在り方はどうだったのか」についてを描いたつもりです。 これを読んで下
《登場人物》 Aくん…3歳児男児。「リュックいやだ」の子 Yくん…3歳児男児。 Sちゃん…3歳児女児。 __ ある日の保育、えんそくでのこと。 もう3時も回り、みんな疲れ気味。 歩いて帰るには厳しく、電車に乗って園に戻ることになった。 駅構内でトイレに行くこどもたち。 トイレを済ませた子が戻ってきて、いざ出発! と、思いきや。 Aくんが、リュックを背負っていない。 こういうとき、「Aくん、リュックリュック!」というのは簡単だが、これでは何にもならないから、いつも
ある日の保育で、3歳の子達と遠足に出かけた。 その時に、ふと一人の男の子が 「僕には、こころといのちがついてる」 と言葉にしてくれた。 ひ「え、心はどこについてるの?」 この質問、僕はとても好きなのだ。 なぜなら、子どもたちが見て感じている世界が知れるからだ。 「心は、胸のあたりについてるよ」 とのことだった。 _ 次の日。 お昼頃、室内で折り紙を教えてもらっていた。 4歳児の女の子にだ。 というのも。 1歳の子が「(折り紙で)ハートつくって」といってきたが
ある日の夕方保育。 ちょっと大人の人手が余ったので、少し時間をいただいて段ボールの手作りおもちゃを作ることにした。 目指しているのは、 四角い段ボールでつくる箱の乗り物、みたいなイメージだ。この段ボールを補強するためにこんな作業をする。 ヤマトのり(白いとろりとしたやつ)を水で薄めたものを、ペンキを塗る筆で、段ボールに塗っていく。そこに新聞紙を貼り付け、さらに糊をつけて、また新聞紙を貼る。 これを繰り返すと、ものすごい強度のある乗り物の完成だ。 で。 のりをとり
《登場人物》 Aくん…0歳児男児。アンパンマンの靴の持ち主 Bくん…0歳児男児。わりとパワフル。 Tくん…1歳児男児。まだ会話が成り立たない。 _ ある日の夕方保育中。 子どもたちの人数も減ってきたので、各扉を開放して異年齢で自由に過ごしていた。 いつものように、 買ってもらってまもないお気に入りのアンパンマンの靴を室内に持ってきたAくん。なんともうれしそうに「アンパンマン!」と連呼している。 それを見て、またいつものようにAくんから靴を持って行き、「僕が欲しい」と言わ