「自分の気持ちって、どうやってみるの?」@考える4歳児
ある日の保育のこと。
散歩前に、4歳児の子にこう言われた。
「ねーひがし、昨日の散歩、あんまり面白くなかった」
実は前の日に、さんぽの帰り道に疲れ果ててネムネムで、やっとこさ歩いて帰ってきたのだ。そのことを言っているのだと思う。
ひ「そうだよね、眠かったし疲れてたもんね。あのとき、どんな気持ちだったの?」
「わかんなーーーい」
この子は、これまでいろんな場面で「どんな気持ち?」「どう思う?」と聞いても、ほとんどが「わかんなーーーい」と返ってきていた。
これが悪いわけではない。
ただ、
大人になる上で考える力、感じる力は大切なことだと思う。だから事あるごとに聞いていた。
子どもたちは、聞けば聞くほど考えるようになり、自分の気持ちをみるようになる。そんな気がするからだ。
なので、もう少し入ってみることにした。
ひ「自分の気持ち、見てみて」
「えー、自分の気持ちって、どうやってみるの?」
お、質問が返ってきた。
僕にとっては、それだけでかなり嬉しい、というか感動だった。
さらに、とっさに身体が反応した。
近くにいた、この子と仲の良い友達に話を振ってみた。
ひ「〇〇ちゃん、自分の気持ちってどうやってみるんだっけ?」
「んーーー、とねぇ・・・」
この子は答えてくれたが、ガヤガヤしていて聞き取れなかった。
その間、「どうやってみるんだっけ?」と聞いてくれた子の表情を見ると、何か考えている感じがした。そして口を開いた。
「うーーーーん。自分がいま思っていることが、自分の気持ち・・・かなぁ??」
おぉーーー答えが返ってきた!
考えて、自分で見つけられたのだ!!
感動だった。
『どうやって自分の気持ちをみるのか?』
これに対しての答えは、正直分からない。
分からないというか、一人一人答えは違うのだと思う。だから、僕も含めて自分で答えを探すしかない。僕はそう捉えている。あっているかは分からないが。
それで、
この子は自分なりの答えを、今の時点での答えを
自分で見つけ出したのだ!
ひ「自分が思ってることが自分の気持ち、そうだね!そうだと思うよ!いいぞー!」
と伝えてその場は終わった。
この子は、よく「わかんなーーーい」で終わっていた。それもいいのだが、その時の表情が微妙に気になっていた。なんとなくぽやんとしていたからだ。
でも、
この答えに辿り着いた時、
とてもいい顔をしていたのだ。
僕にはそう見えた。
見つけられたことが、考えられたことがうれしかったのか。それとも全然違うかもしれないが、なんか嬉しそうで晴れ晴れしているように見えたのだ。
その表情が、
なにより嬉しかった。
自分の気持ちが見えないのもいい。
僕だってかなり見えていないと思う。
それでも、
そこに心の目を向けようとすること自体が
とても尊い瞬間だと僕は思っている。
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写真は『PAKUTASO』さんより
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