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心をがっちゃんこするんだよ@5歳児のことば

《登場人物》
Aちゃん…妹さん。1歳女児
Oちゃん…お兄ちゃん。年長男児
ひ…僕。さんたとよばれている

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ある日の夕方。

Aちゃんは入園したてでまだ不安があり、それを気にしたお兄ちゃんのOくん(年長さん)が
Aちゃんのいる乳児室を覗きながらこう言った。

O「ねー、Aが、僕が一緒がいいって言ってる(^^)」

Aちゃんは無言である。
でも、「言ってる」のだ。

O「僕をじーって見てるから、「一緒がいい」って言ってるんじゃない?」
さ「なるほど、そうかもね!」

O「さんたはどう思うの?」

おお、質問されたぞ。

ひ「僕は、Oが思ってることがあってるんじゃないかって思うよ」
O「じゃあ、そっちいく」

といって、乳児室に入ってきた。

しばらくして、Oくんの膝の上にはAちゃんが座っている。その当時はよく目にする光景だった。

Oくんは、Aちゃんを心配して、よく乳児室にきてくれていたからだ。


あれ、これは本当に
心配なんだろうか??


Oくんは、よくAちゃんの気持ちを代弁している、かのように話していた。


心配、ではないかもしれない。

Oくんは、Aちゃんの気持ちになって
僕に伝えてくれているのかも??


再びOくんは話しだした。


O「ねーさんた、Aはそっち(室内の柵の向こう側)に行きたいみたい」

さ「え??こっち??小さい子がものすごく走ってるけど大丈夫?」

O「うん、Aはそっちがいいみたい」


こんなふうに、
Oくんはよく「Aはこうしたいみたい」「Aはこうなんだよ」と言っていた。


ふと聞いてみることにした。

さ「Oは、Aちゃんの気持ちとか心が見えるの?」

すると、さらりとお返事が。

O「うん!見えるよ

ますます興味が湧いてくる。

さ「やっぱり!?あのさ、気持ちとか心って、どうやったら見えるの?」

O「それはね、こうやって膝の上にのせて、ぎゅーってするんだよ。そしたら心が、がっちゃんこするんだ!


おおぉーーーー
なるほど、そういうことか!


やはりOくんは、
Aちゃんの気持ちになっていた?


なんでも、
二人の心が一つになっているらしい。
だから、分かるんだとか。


Oくんのことば、
「Aはこうしたいみたい」
には、いつもあまり迷いがなかった。
表情や言葉の感覚からの理解だが。

でも変な大人の意識でみると、
「それって自分のやりたいように言ってるんじゃない??」
っていう、汚い考えも
僕には浮かんでくるのだが(申し訳ない!)、


それでも、ほんとに
ほんとっぽいのだ!


それからも何回か話していた。


O「ぎゅーってして、心をがっちゃんこしたら、わかるよ!」


そのときの彼の表情は
妹を想う愛?優しさ?に溢れていた。
ほんとうにあたたかくて。


そういえばこのとき、
「さんたもやってみればできるよ!」
みたいにも言っていた気がする。

そんなことできるだろうか。
いや、疑ったらその時点でできないな(汗)


僕の兄も
こんな風だったのかな。

そんなことを思った、
忘れられないエピソードだった。

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