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疲れ果て歩けない子に差し伸べられた「昆布」で。@3歳児の感動エピソード

ある日の散歩の帰り道。
この日はゆっくり遊んだので、多くの子がへとへとだった。

その中の1人の男の子が、
帰路の列の後方で立ち止まった。
もうだめ…という感じだった。

「大丈夫?」
といいつつ、少しだけ先に進んでみた。
広い歩道だったが、どうするか迷う。

30メートルくらい先を行ったところで
「じゃあ昆布でも食べて待とうか」
ということになり、
緊急食の昆布のちいさなひときれを
みんなで食べた。

すると。

「俺が〇〇に持っていくよ」
と言って、後方に向かって走り出した。
「僕も!」「わたしも!」
と続く。

こういうとき、また心が揺れる。
行かせて大丈夫だろうか。
歩道といえど隣は道路。
そしてみんなは戻ってくるのか。

子どもたちだけで走る。

こういうシーンが、
これまでに何度もあった。
毎回そうだが、かならず何かが起こる。


このときもそうだった。


なんと!
疲れ果ててしゃがみ込んでいた男の子が、
なんと立ち上がり、
りんとした表情で歩きだしたのだ!!


知りたかったので聞いてみた。
「なんで歩いたの??」
「眠くて、お腹すいて歩けなかったけど、
 昆布食べたら元気になって歩いた!」


なんとも凛々しい声と表情、姿。

何事もなかったかのように帰ってくる
子どもたち。 


かっこよすぎる…


歩き出した子も、
手を貸した子も。


こういうシーンで僕はよく迷う。
本当に子どもだけで行かせていいのか。
この場がぐしゃぐしゃにならないか。
しかしいつも、こういう
感動的なことが起こる。

だから少しくらい
僕が怖くても信じて待ってみる。


助けた子達は、助けたとは思っていない。
きっとそんな感じだと思う。

子どもたちは深いところで、
誰かが困っていたら助けたい、
というか手を貸したい、
というか、気持ちを送りたいようだ。
それは大人も同じ?どうだろう。


ただ、

このエピソードで僕は思う。
歩いた子も、昆布を渡した子も
どちらも何か温かいものを得たに違いない。

そしてそれは
きっと小さくとも一生心に残る
そんな「何か」なんじゃないかと。


やっぱり子どもたちはすごい。


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写真は『PAKUTASO』さんより

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