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感想「橋口靖正の曲をみんなで弾き語ろう会」

トキです。

観に行ったもの等の感想も綴っていきます。

12/8 下北沢モナレコード
「橋口靖正の曲をみんなで弾き語ろう会」

2016/12/08に亡くなられた橋口さんの楽曲を、親交のあったアーティストの方々が命日であるこの日に集まって演奏する会。

まず前提として、筆者である僕は今年に橋口さんの楽曲を演奏しているHGYMを聴いてファンになったので、橋口さんご本人を亡くなった後から知った人間です。

モナレコード2階のカフェを貸切って開催されたこの会は終始和やかな雰囲気で、演者も自分の出番以外はドリンク片手に他の演者を眺める。出演者が豪華なだけに、同じ空間を共有している感だけでもうそわそわ…

松本素生/岡田梨沙/はまちゅん/meiyo/磯貝サイモン/平田崇/中澤寛規/カトウタロウ/桃野陽介/阿部友彦/出口博之/金子由衣 (敬称略/順不同)

ね?ほらめっちゃ豪華。

ライブが始まる前も生前のライブ映像が流されていて、開演までの間を楽しむことが出来、こういうところも橋口さんへの愛が溢れていたなぁと感じました。

楽しそうに歌う人、しっとりと歌い上げる人、涙をこらえる人、色々な歌がそこにはあったけれど、どの人の歌声にも橋口さんとの思い出や、橋口さんの「いいところ」を伝えようという思いが感じ取れて。

亡くなられた後に知ってしまったことを、もっと早く知りたかったと後悔するけれど、それ以上にHGYMを通じて橋口さんの楽曲を知ることが出来たことの嬉しさを感じようと思えた晩でした。

カトウタロウさんが話した「人とはいつか会えなくなります」はすごく刺さった。本当にそうだ。いつかきっと会えなくなるから、会いたい人とはなるべく会っておこうとアラサーに差し掛かった2年ほど前から疎遠になりそうになっていた友人たちに連絡をとって会ったりしている。嫁さんもよく、「あなたとこうして一緒に居られることは、当たり前じゃないんだよ」と言う。

同時に、昔からの気質の「おっかけ」でも同じようなことを思うようになった。年を重ねるにつれて、かつて好きだった人がステージを降りて今何をしているのかわからなくなることが何度かあった。

そうなってしまったら、

「どこかで元気でいますように」

そう思うことしか、ファンには出来ないから。

推しは推せる時に推す。後悔しないように。

また、これはHGYMを好きになってからのことになるけれど、自分の病歴のことを少し思い出す。

生まれつきの脈の異常で14歳と18歳に治療を行った。怖がらなければ部分麻酔で傷口もほんの少ししか残らないカテーテル治療で、成功率も高い。でも最初の治療の時に、事実以上に物凄いショックを感じてしまい、結果治療中にパニックになり全身麻酔の対応になった。

頭の中が恐怖で埋め尽くされる中、医師の「全身麻酔」の言葉が聞こえ、ふっと意識が遮断されたあの瞬間。

その時に強く思ったのは所属していた吹奏楽部のことと趣味のこと。その頃トロンボーンが楽しくて仕方なかった。人前で演奏するのが楽しくて大好きだった。趣味で描いていた絵も詩もまだまだ描きたかった。何かを表現しないなんて考えられなかった。

「まだ音楽をやりたい。絵も詩も書きたい。死にたくない。」

そればかり考えていた。

結局再発により再度の治療を受けた18歳の時には、吹奏楽部ではなく演劇部で脚本と監督をしていた。その時は「もっと何かを作りたい。だから治療を受ける」と言うふうに考え方がシフトしていた。治療も部分麻酔で受ける事ができた。

今も過度なストレスがかかると少し脈がブレることがあるけれど、おかげ様でおおよそ元気です。でも最初の治療の時のあのショックと、何かを表現したいから死にたくないという感情はきっと一生忘れられない。橋口さんもそう思ったのかな。HGYMを好きになってからそう思うことがあったけど、この会を見ていたら自分のことより周りのことを思ったかな、とも思った。愛されていたのが本当によく伝わったから。そんな気もする。

脱線したけれど、胸がいっぱいになる夜でした。

帰りに立ち寄った串カツ田中(立ち飲み仕様)でも考え込んでしまった。

ほんの数日前、ドキッとする出来事があって。

大学時代の友人が頻繁に更新していたTwitterをひと月も更新しないでいた。最後の書き込みは病院での検査のことで。その時も僕は「大丈夫か?」なんてやり取りをしていて。心配しているものの仕事が繁忙期で忙しく、連絡を取らないでいて気付いたらひと月。LINEも既読がつかないし、電話も出ない。

正直最悪の事まで考えた。

彼女の身に何かあっても、ご家族も地元友人の方も知らないしきっと僕や共通の友人には連絡が来ないから。

自分で描いている漫画について、「なあくんには良いところを見せたい。見栄を張りたくなる!」と話していたこともあった。

弱いところを周りに見せたがらない人だから、余計に心配になった。

結果として連絡が着いて無事なことが分かって心底ほっとした。そんな事も思い出していた。

橋口さんの曲、凄いなぁと思う。よく言われる「踊りたい曲」ってアップテンポなダンスミュージックを指すと思うんだけど、橋口さんの曲はゆっくりでも踊りたくなる。趣味でタップダンスをしていて、下手くそなりに「いつか踊りたい曲リスト」なんて作ったりしてるんだけど、「春色の君はかわいい」はそこに追加した。ドラムとベースの音を拾って踏むとすごく楽しい。踊りたくなるアーティストは、素敵だ。「-5」しか持っていないから他も聴きたい。開演前の映像で歌っていた曲や、りっちゃんが歌った曲も良かった。

この日発売になった橋口さんの未発表曲「Noel」はHGYMによって完成された楽曲で。

自宅で聞きながら、少しだけお酒を入れながらこれを打っているのですが、岡田梨沙さんがこの曲を「自宅で噛み締めてほしい!」と言った意味がすごくよくわかる。温かいけど、温かいからこそ切なくて。電車に乗りながらイヤホンで聴きたい曲ですね。絶対聴く。

ボーカルの桃野さんも良いなぁ。本当に良い。桃汁、出ちゃってますね。

高校~大学生の頃monobrightが好きでライブは必ず1公演、いける時は2公演行っていた。僕の青春の1ページには確実にmonoがいる。社会人になってライブに行ったりとは離れてしまっていたけれど、アラサーになった今、こうしてこの歌声に再会出来て良かったなぁ。こういうところも橋口さんにとても感謝。当時の自分に、「お前アラサーになったら出口さんと同じ空間でビール飲むことになるぞ」って言ってもきっと信じないな。

上記のHGYMによって完成された「Noel」はクリスマスに配信が決定しています。

HGYM公式HP:http://hgym.jp/

是非今年のクリスマスを彩る一曲に。

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追記
Noel by HGYM https://linkco.re/BBPzXt4N
配信はこちら。

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