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エスプレッソがもっと美味しくなる秘訣 ― イタリアン・バールで挨拶を

Ciao a tutti! みなさんこんにちは!
Naonardo です!


日本では、『お客様は神様』です。
と言われることがあります。

それを特に意識していなくても、身に染みついているのでしょう。
接客を受けて感銘を受ける外国の方も多いです。
日本特有のおもてなしは素晴らしい。


ヨーロッパでは、お客様は神様ではありません。
(日本のおもてなし文化をけなしたい訳ではありません)

何年か前に問題になりましたが、
たとえ求められても、ヨーロッパでは
お店の人がお客さんに理不尽な土下座なんて絶対にしないだろう。
(土下座というものが文化としてそもそも無いのだが)

まして上司が部下に、お客さんへ土下座して謝るように指示したりなど…。


✥✥✥

比較文化論的な観点で観察すると、
ヨーロッパでは店員さんとお客さんの関係は基本的に対等です。

お客さんも、対価に対する以上の過剰なサービスを求めない。
もちろんお金を払えば、贅沢なサービスを受けることも可能だ。

だがあくまでも、
対価に対して正当なサービスをする。
サービスに対して正当な対価をちゃんと払う。

足しもしないし、引きもしない。

では、『おもてなし』は無いのだろうか?


✥✥✥

店員さんとお客さんは対等なので、
店員さんだけでなく、
お客さんもちゃんと目を合わせながら
笑顔ではっきりと、親しみを込めて挨拶する。

むしろ、お客さんの方から挨拶することも多い。

地元の方が集まるイタリアのバール (カフェ) では、
ドアを開けながら、
Buongiorno! ボンジョルノ! Ciao!チャーオ!と。

中には、店員さんとハグやチーク・キスをしている人もいる。

その後、お店の人とお客さん、
見知らぬお客さん同士の会話が
本当に楽しそうに弾んでいる。


毎朝いつものバールに通うと、
自分から挨拶する習慣が、
緊張しぃの僕にも自然と身についた。


立ち飲みが基本のバールは、
地元の人たちが集う社交の場ともなっています。
夜にはお酒も提供されます。

朝食をいつものミオ・バール(mio bar = my cafe)で、エスプレッソかカプチーノ 
それにブリオッシュ(パン) 1つだけで、ササっと済ませて出勤する人も多い。


✥✥✥

街の中心地を一人で一日中ブラブラしていると、
特にエスプレッソを飲みたい時でなくても、
トイレを求めて日に何度かバールに行くことになる。

そこでもやはり挨拶をする。
店員さんがしてくれたサービスには
ちゃんと感謝を述べる。

向こうも Prego! プレゴ!と応じる。
(英語にすると Please という意味もあるが、この場合では、 You're welcome の意味が大きい。Prego はとても便利な言葉)

街ですれ違う見知らぬ人からも、
目が合うと微笑みかけられることは多々あり、
挨拶されることもある。

彼らはとてもフレンドリーだ。


何か買い物している時、
挨拶すると老齢の店主から話しかけられた。

イタリア語が分からないと伝えても、
構わずイタリア語で話しかけてくれる可愛いおじいさん。


一人だけでブラブラしていたはずなのに、
見知らぬ誰かと一日中挨拶し続けていた。

おもてなしの心が街全体に息づいている。
歓迎してくれている、そう感じた。

イタリアでは基本的に公衆トイレがない。
他のヨーロッパの国々も大方そうだ。

エスプレッソのみならず、トイレも求めてバールに行く。
イタリアでは1ユーロほどで美味しいエスプレッソが楽しめるので一石二鳥。コーヒー好きにはたまらない。

イタリア語に限らず、
自分が理解できない外国語で相手が一生懸命話しかけてくれる時は、
Google Translate の会話モードを使うととても便利。


✥✥✥

一方日本では、あまり挨拶しない社会に気づく。

「いらっしゃいませ。こんにちはー!」
「……」(無言。)

「何名様ですか?」
(二人の場合、指でVサインを送る)

店員さんから、テーブルにお水が配られても
「……」(無言で受け取る人。or 気にも止めていない人)

「ご注文がお決まりになられましたら、そちらのベルでお呼びください」
「……」(メニュー選びに夢中で店員さんの話を聞いていない)


もちろん、「私はちゃんと挨拶を返します」という方も多いだろう。
逆に、マニュアル化された挨拶にいちいち反応する必要はない。面倒だ。
とおっしゃる方もおられるかもしれない。


昔レストランでバイトしたことがあったが、
お客様の大半はあいづち程度で挨拶を返されなかった。
上記のやり取りは、私自身の体験も含む。
それでも店員として、その時は何も気にならなかった。

だが……


✥✥✥

「日本人は、無言でお店に入ってきて、
無表情で挨拶もせず店から出ていく。
何を考えているか分からず、ちょっと不気味かな」

悲しいかな、イタリア人の知人からそう言われたことがある。
「でも、話す言葉は綺麗で丁寧」とフォローしてくれた。


もともとシャイな国民性だ。
その上、慣れない国で、なおかつお店の人とのやりとりで緊張。
ドキドキしてただ単に余裕がなかっただけかもしれない。
僕も余裕がないのでよく分かる。


✥✥✥

エスプレッソをもっと美味しくするために、
是非試してみてほしい。


バールに入るときには、地元のイタリア人のように
Ciao! と自分から挨拶しながらドアを開けてみよう。
そして、目を合わせてニッコリ微笑もう。

バリスタは、いつもより笑顔でオーダーに応じてくれるだろう。

それは店員さんだけでなく、
店内のお客さんとも目が合ったら
アイコンタクトをしたまま口角を上げて、
笑顔で Ciao! と軽く挨拶してみよう。

相手もほほ笑み返してくれるだろう。


お店を出るときは黙って出ずに
店員さんの方を向いて、聞こえるように
Grazie! と言って店を出てみよう。

向こうも目を合わせてニッコリ笑顔で
Grazie! Arrivederci!
グラツィエ! アリヴェデルチ!
と挨拶してくれるだろう。

素晴らしい笑顔だった Jesolo のバリスタ。
写真を撮っていいか尋ねたら、OK! と、嬉しそうにこの笑顔。
お店も素晴らしかったが、この笑顔にまた会いに来たくなる。
店員さんも同じく人だ。私も笑顔を返そう。

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Jesolo は Venezia の東側に位置する海辺のリゾート地。
現地の発音としては、イェーゾロが一番近いかな。イタリア語にはもともと J, K, W, X, Y が無く、外来語に使われる。


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エスプレッソがもっと美味しくなる秘訣。
イタリアのバールでは自分から挨拶を

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この秘訣は、程度の差はあれど
文化が異なる日本でも同じだろう。

かの、金子みすゞも言っている。
 「遊ぼう」っていうと
 「遊ぼう」っていう
と。


その日のエスプレッソは
いつもより格段に美味しくなっているはすだ。

Treviso にある1870年創業の老舗カフェ Crich Corner にて。
チョコレートを使った多彩なエスプレッソメニューやマカロン、クッキーが絶品。

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それではまた! Ciao ciao, a dopo!
Naonardo でした。

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