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病室から眺めて過ごしたヴェネツィア サンマルコ広場もどき ―それでも世界は美しい

Ciao a tutti! みなさんこんにちは!
Naonardo です。

ヴェネツィアのサンマルコ広場は
うっとりするぐらい美しい。

特に夜が綺麗で僕は好きなんだなぁ✨
う〜ん、それにしても美しい✨

ん?あれ?
何か変ですか?


そうですね。
ヴェネツィアに「福山通運」のコンテナなんてある訳ない。

そう、ここは日本なのだ。
だが、写真の下を手で塞いで、
上半分だけを見てみるとどうだろうか?
ぱっと見は、とても日本とは思えない優美なものだ。

しかしこの景色は、
どこかのリゾートホテルからの
ランドスケープなどという、
優雅なものではなかった。

これらはすべて、
僕の病室からの風景なのだ🤕⛪🏰✨


実際は、病室から見える
ヴェネツィアのサンマルコ広場を模した
amorevole SAN MARCOという結婚式場だった。


そして、本物のサンマルコ広場はこちら。

前の年に行った時のもの🇮🇹

サンマルコ広場の夜は、
眩しいぐらいに煌々と光輝いて、
クラシックの生演奏が広場中に響き渡り、
それはそれは、とても優雅で美しい時間が
毎晩紡がれている
✨🕌🕍⛪🗼🎻🎺🎷🎶✨

本来今年の5月には、ハンガリーはブダペストに出張の予定が入っていた。

「帰りにイタリアに寄るよ。
 またヴェネツィアにでも行こう」

そう交わした約束は、
今も次の目処が立たたないまま、
果たせずにフワフワと宙に浮いてしまっている。

完全な回復は望めないが、
次はいつ会えるのだろうか。

ヨーロッパに行けなくなって悲しいかったが、
かと言って、他のどこかに行ける訳でもない。
まして、家でゆっくりすることさえも許されない。

手遅れになる前に、
否応なしに手術せざるを得なくなり、
この病院でただただ痛みに耐えていた。

令和になり、せっかくの10連休だったが、
今年は、前後も含めて
初めて病院で過ごすゴールデンウィークだった。

神様はそんな僕の想いを知ってか、
僕の病室の目の前に、
偶然にもサンマルコ広場を用意してくれた。

入院中にもかかわらず、心落ち着くひととき。

痛みで眠れぬ夜が続いたが、
窓いっぱいに広がるサンマルコを
いつもこうして眺めていた。


自分が昔撮った写真と見比べていて
サンマルコ広場の時計塔を
かなりがんばって再現していることに気づいた。

入院して初めてこちらを知ったが、
サイズ感こそ違えど、
彫刻や途中についてる小窓など
あまりにそっくりなので驚きの手仕事だ。

本物を建てるのはもっと苦労したのは当然ながら、
たとえイミテーションでも
ここまでのものを建てるには、
かなりの苦労があったに違いない。


それまでの僕なら、
「憧れからこんなイミテーションを作るなんて情けない。
 本物を見ればいいのに」

と思っていたかもしれないが、
今では、設計者や実際に建ててくれた人たちに
心から感謝を述べたい。

『がんばって再現してくれてありがとう。
 あなたのおかげで、毎晩心が安らぎました』

同じ晴れの日でも、
大気焼けと、雲のある夕暮れは
表情が全く異なる。

刻一刻と表情を変えていく夕日と
サンマルコ広場を模したタワー。


一つとして同じ絵は存在しない。
大空は神様のキャンバスだなぁ、
と眺めていて畏怖の念すら覚えた。


時計塔は本物ではないけれど
これらの幻想的な美しさは、

病室の鳥かごから出られない僕の魂が
イタリアへと思いを馳せるには
十分すぎるほどの美しさをたたえていた。


A dopo, ciao ciao! それではまた!
Naonardo でした。


All photos taken by Naonardo
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