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働く女性 円熟期のロールモデル

年度末、行く人来る人の時期がやってまいりました。

今回の人事異動は、結構人数も多く、昨年に引き続き大規模な入れ替えになリました。

これまで色々な管理職と仕事をしてきましたが、女性の管理職に当たったことは数えるほどしかありません。
 でも、どの管理職もどんな方だったかよく覚えていますし、一緒に働けて本当に良かったと思える方ばかりでした。

一方、大方の管理職は男性でしたが、「この人は尊敬できる」と思える管理職は片手にも満たない数だなと正直思っています。
管理職は2年から3年で異動になってしまうので、そんなに長く一緒に働くことはないのですが、異動してからも繋がりのある方というのは数人です。

管理職=男性のイメージは、まだまだ一般的です。
物事を決める時にも、いかにも男性のルールで決まってしまうことが多いような気がします。

・根性で頑張る
・嫌と言わない
・文句を言わない
・部活動に熱心
・仲間意識が強い
・タバコ仲間だ
・飲み会仲間だ
・仕事以外の付き合いが良い
・褒め、おだて上手。

こんな人(男性)が出世していくんだろうな、という印象です。

女性管理職の先輩方は、男性の何倍も仕事ができないと認められないような気がします。
そして、独身、結婚していても子どもがいない方が大抵でした。

あえてその選択をしたのか、それとも仕事第一でそれに反する選択ができなかったのかわかりませんが、往々にしてそういう方が大半だったように記憶しています。

そのような管理職の女性は、尊敬できましたが、「自分もそうなりたい」というロールモデルにはなれませんでした。
もっと言うと、自分よりも上の世代に、自分がそうなりたいと思えるようなロールモデルを探すことがとても難しいと感じていました。

先日、再任用を終えた先輩が退職されたのですが、その方はちょっと他の方とは違っていて、私の「そうなりたいモデル」の一つでした。職種はちょっと違うのですが、色々なところで助けてもらい、もう少し一緒にお仕事をして、勉強したかったなというのが本音です。

50代を超えてくると、いわゆるベテランと呼ばれるようになってきますが、
現場はどんどん高齢化が進み、年齢構成のバランスがおかしくなってきています。
雇用形態も、正規職員の他に、非常勤、時間講師、再任用、支援員など、様々な身分の人たちが職員室で働くようになっています。

でも、生徒たちにとっては、どの人も「先生」なのです。

働くロールモデルでもある「教員」自身が、将来の理想であるロールモデルを探せない現場は、とても残念であると私は思います。

大人が、かっこよく、楽しそうに、生き生きと働けること。
その姿を見せることが、本当のキャリア教育だと思うのです。

管理職を目指さなくても、それぞれの理想を持って働ける労働環境があって然るべきだと思います。
様々な雇用形態がある中で、それぞれの個性や強みを生かした経営ができなければ、どんどん現場を離れる人が増えていきます。
「やりたいことをやれない」状況が積み重なっていけば、熱意や意欲は失われます。また、「苦しい立場にいる人」や「時間的に制約がある人」が、申し訳ないと思いながら働くことは、とても辛いと思うのです。
 自己犠牲や苦労や我慢がないと、自分の理想になれないという時代はもうとっくに終わっています。

今、じわじわと教員の定年年齢が延ばされています。
「あと○年で定年だ」というゴールが、どんどん知らない間に遠ざかっていく現状に、恐ろしさを感じます。

自分で線を引くことで、次にするべきことに備えることができる。
私はそちらの選択をしたいと考えています。

女性管理職を目指すことか、一般職で教え続けるのか。

この二択しかなかったロールモデルを、私は選ぶつもりはありません。

「これからは、私のやりたいことをやります。」

離任式に笑顔で生徒の前で言い切った、素敵な先輩の姿を私は忘れません。

フリーランスの自由な働き方をする人になりたいと思う私。

「私も、自分のやりたいことをやれるようになります。」と
小さな声で約束しました。

多様な働き方をこれからの人たちに示すためにも、残り数年で
ブルーオーシャンに飛び込むファーストペンギンになりたい。

「私らしく、あり続ける」

先輩に教えてもらった命題を、これからも追い続けていきたい。
自分なりのロールモデルを作っていきたいと
偉大な先輩の背中に誓った、別れの春でした。




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